さらば愛しき女よ ハヤカワ・ミステリ文庫 HM 7 [Kindle]

  • 早川書房
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感想・レビュー・書評

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  • 「さらば愛しき女よ」(レイモンド ・チャンドラー:清水俊二 訳)[Kindle版]を読んだ。これももう何度も何度も読み返してる。大鹿マロイは「長いお別れ」のテリー・レノックスに比べると印象が薄いし、アンもリンダ程には惹きつけられないんですが、やっぱり好きな作品。

  • 1人の美しい女性を巡る、血と暴力の物語。
    登場人物たちの純情が切なく、ラストに深い余韻が残る。
    主役のフィリップ・マーロウが女性にモテ過ぎるなど、わざとらしい部分もあるけど。

    ただ、この翻訳はいまいち。
    原書と併読し、一言一句確認したが、ストーリーに直接影響はしないものの、文章に色を添え、ただし翻訳するのが難しい部分が悉く省略されている。

    訳者の清水俊二氏は戸田奈津子さんの師匠にあたる字幕翻訳の大家。
    確かに映画字幕だと、字数制限の関係でこういう省略は普通なのだが、小説翻訳ではいただけない。

    ただ、省略されている部分はかなり大きな辞書にも掲載がなく、Googleで検索してもネイティブさえ首を捻るような言い回しがほとんどなので、もしかしたらこの本が訳された当時は調べきれなかったのだろうかという気もする。

  • 2021/11/29

  • 誰かの進めで読んだ古典ミステリ。いわゆる現代ミステリとは異なり秀逸なトリックがあるわけではないが、とりあえず主人公がキザでカッコいい。女性との会話がクールすぎてついていけない。参考になる笑

  • 『ロング・グッドバイ』は村上春樹訳だったので、こちらは清水俊二訳版を読んでみた。
    確かに文体は違うが、マーロウはマーロウだった。
    大鹿マロイは、村上春樹訳ではヘラ鹿マロイになっているようだ。まぁどちらでも大差ない。なお、ヘラ鹿の「篦」は漢字検定準1級対象漢字。おかげで書けるようになったが普段の生活ではほとんど使うこともないし、書いても読んでくれる人が少ない。
    黒人差別的な表現も多々あるのだが、時代背景もある。『IT』で黒人バーが銃撃される上に火事になるシーンがあったが、この頃のアメリカはそういう時代なので仕方がない。
    ハリウッドのきらびやかな社交界というのは、『ロング・グッドバイ』のレノックスたちを見ているとよくわかるが、酒と薬と金に塗れてしまっている。そんな中で、粗野な純情がどのような展開を見せるか、というのがこの物語のテーマである。
    相変わらずマーロウの言動は冗談が多くて理解しにくいのだが、後から考えると大抵辻褄が合うようになっている。

  • 2017/09 早川海外ミステリーフェアで

  • 頭を使って"謎解き"をしながら読める一般的なミステリーに対して、ハードボイルドジャンルの小説は流れていく物語を眺める"お客さん"視点で読んでしまうので、どうしてものめり込めない。。
    主人公はもちろん、キーパーソンの大鹿のマロイもかっこよくはあるんだけど…。

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著者プロフィール

Raymond Chandler
1888年シカゴ生まれの小説家・脚本家。
12歳で英国に渡り帰化。24歳で米国に戻る。作品は多彩なスラングが特徴の一つであるが、彼自身はアメリカン・イングリッシュを外国語のように学んだ、スラングなどを作品に使う場合慎重に吟味なければならなかった、と語っている。なお、米国籍に戻ったのは本作『ザ・ロング・グッドバイ』を発表した後のこと。
1933年にパルプ・マガジン『ブラック・マスク』に「脅迫者は撃たない」を寄稿して作家デビュー。1939年には長編『大いなる眠り』を発表し、私立探偵フィリップ・マーロウを生み出す。翌年には『さらば愛しき女よ』、1942年に『高い窓』、1943年に『湖中の女』、1949年に『かわいい女』、そして、1953年に『ザ・ロング・グッドバイ』を発表する。1958 年刊行の『プレイバック』を含め、長編は全て日本で翻訳されている。1959年、死去。

「2024年 『プレイバック』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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