マルドゥック・スクランブル The 1st Compression─圧縮 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA) [Kindle]

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  • 早川書房
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  • 初マルドゥック&初冲方先生作品。
    主人公の少女が自分を買い取った男に殺されかけるシーンから始まる本作。瀕死の所を救われ、過去に軍が開発した技術で体を再生した少女は、自分を殺そうとした男を法で裁くため緊急法令『マルドゥック・スクランブル』に協力することになる。

    世界観としてはCyberpunk 2077やSaints Rowシリーズなどに近く、貧富の差が激しくドラッグと暴力が溢れる街で、誰もが成り上がりを夢見て暮らしている。主人公はその底辺に近い位置にいたため、暴力表現が苦手な方は目を覆うようなシーンが多いだろう。

    あらすじや世界観からお分かりいただけるように、舞台もストーリーもそう珍しくはない。だが読者を引きこみ、ページを繰る手を休ませない圧倒的な文章はそうそうないだろう。
    また『完全版』とあるようにこの本は大幅な改訂が入っており、描写不足を感じることはまずない。「そこで!?」と思わず叫びたくなるようなシーンで終わるのも、改訂して三分割(全3巻)したせいではないかと思われる。

    先に挙げた作品を楽しまれた方にはお薦めできる。

  • 雛料理って何ー?

  • スピード感に溢れるサイバーパンク。
    少女娼婦が、禁止された電子技術で、金色のネズミが、電子干渉でーー!
    セリフもバトルシーンも素敵。

  • 冲方丁氏の作品を初めて読みました。歴史ものからSFまで幅広い作品を書いているのですね。近未来を舞台にしたSFで、映像化できないバイオレンスなシーンが多かったです。特殊能力と自分の感情をコントロールしながら、暴れまわる登場人物たちがエキサイティングです。第2巻を読まないといけなくなる作品でした。

  • グイグイ引き込まれるように読ませるところがある。隠れ家での畜産業者との対決や、アシュレイとのブラックジャック。まさにページターナー。ツボをこころえている。

    なお、読後感はスッキリと軽い。

    ウフコックって、どんな仕組みなのか気になってしょうがない。SF好きなら気になるはず。あと、マルドゥック市の法執行の仕組みもよく分からずじまい。ボイルドがタマゴ飛行船を撃って連邦法違反どうこうって、ありゃなんだったのか。

  • 未成年娼婦のバロットは雇い主に殺された。エア・カーを爆発させられて。死んだはずだったが、委任事件担当官のネズミであるウフコックによって命が救われた。緊急指令スクランブル−09でバロットは甦った。しかしそこに敵の担当官のボイルドが立ちふさがる。

  • 2018/04/18
    調子乗ったあとがつらい

  • サイバーパンクSFという形容のされ方が多いらしい。タイヤを持たないエア・カーや、亜空間から「裏返す」ことで質量を無視して何にでも姿を変えるネズミが出て来る世界観。主人公の少女が闘う力を手に入れ、圧倒的な力を見せるも-というのが本書。3冊構成になっているのを知らなかったため、「ここで終わり!?」というのに少し笑けてきた。

  • SFモノというか攻殻機動隊のようなヤツ。
    最初の設定と説明に戸惑うところはあるが、話に入ってしまえばスイスイ読める。
    じゃっかん、グロとイカれたところがあるので苦手な人はキツイかもしれない。
    でも間違いなく面白い。
    あの終わり方はズルすぎる。
    これでThe 2ndを買わない人がいるのだろうか?

  • 検証のために読んでみた。当初はアタマに入りにくかったが世界観になれてくるとぐいぐい読める。グロテスクな描写はあまり好きではないけどSF(的なというか)と承認欲求の根幹、fetishismの組み合わ せはなかなかないのかな? オリジナリティはあるのかもしれない。
    深淵を覗くものは…の概念が使われるのはよく見かけますが、そこを描いたシーンはなかなか怖ろしく迫力がありますw
    細かい文体はけっこう美しく上手いなと感じさせる。この賑やかな設定を畳むにはページ少なくない?と思ったら王道の手法で締めてて納得w
    旧版も読んでみよう。

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著者プロフィール

1977年岐阜県生まれ。1996年『黒い季節』で角川スニーカー大賞金賞を受賞しデビュー。2003年『マルドゥック・スクランブル』で第24回日本SF大賞、2010年『天地明察』で第31回吉川英治文学新人賞、第7回本屋大賞、第4回舟橋聖一文学賞、第7回北東文学賞、2012年『光圀伝』で第3回山田風太郎賞を受賞。主な著書に『十二人の死にたい子どもたち』『戦の国』『剣樹抄』『麒麟児』『アクティベイター』などがある。

「2022年 『骨灰』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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