裸者と裸者(上) 孤児部隊の世界永久戦争 〈応化クロニクル〉 (角川文庫) [Kindle]

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  • KADOKAWA
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  • 近未来の日本を舞台に、戦乱の混迷の時代を描いた小説。


    上巻(孤児舞台の世界永久戦争)は主人公である海人の流浪の孤児としての生活から、過酷な戦場において常陸軍の中でひとりの軍人として成長し、のし上がっていくさまを。

    そして下巻(邪悪な許しがたい異端の)は双子の月田姉妹を中心に、イデオロギーと倫理観、宗教観による断絶と離合。
    性差と、民族、性的マイノリティーと、人種と、国籍による対立と暴力を描く。

    ラストシーンを飾る内線の激しい戦闘の描写の迫力は真に迫り、あたかも人間が焼け焦げる匂いや銃撃音が響いてくる錯覚を覚えるほど。


    この作者の恐ろしいところは、朴訥で誠実ではあるが無学であった海人が教育を受けて成長するごとに、ほぼ全てひらがなだった台詞に徐々に漢字を混ぜて進捗の度合いを可視化する事、双子の姉妹がどちらが発言する、どちらがその行動を起こしたかを敢えて描写せず、まさに双子ならではの、まるで一人の人物が喋り、行動してるかのようなレトリック。本当に凄い。

  • 自分のバイブルと言えるシリーズ。多様性と闘争と人間に醜さを2人の主人公の目を通して描いている。名作。

  • ふむ

  • Kindle Unlimited にあったので軽い気持ちで読み始めたが、意外と惹き込まれたな。なんだかノンフィクションのように淡々と次々にストーリーが進む。
    ただ、何となく下巻も読むかと言われると、微妙。。

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著者プロフィール

1948年東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。92年『灰姫鏡の国のスパイ』が第13回横溝正史賞優秀作を受賞し作家デビュー。2003年『ハルビン・カフェ』で第5回大藪春彦賞を受賞。07年10月逝去。

「2022年 『Memories of the never happened1 ロビンソンの家』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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