再生 (角川文庫) [Kindle]

著者 :
  • KADOKAWA
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感想・レビュー・書評

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  • 素敵な話だった。
    心を落ち着けたい時にまた読みたい。

  • 誰が何といおうと、またご自身がどのように思ってらっしゃるかはともかくとしても、石田衣良さんは長編向き、長編作品にこそその素晴らしいストーリーテーリングの才が発揮されるんじゃないか、と常々一ファンとして思っているところ。

    もちろん短いページ数の中で、短編を切れ味よくズバッと仕上げてしまう手腕というのは、ある意味職人芸というか、名人の匠の技、みたいな部分があると思うし、長い長いストーリーを読者を飽きさせずに引き込んだままどんどん展開させていく、というのとは全く違う方法論みたいなものがあるのではないか、と素人ながら思っているのですよね。


    短編集である「再生」を手に取って、どうしようか迷った部分は正直あったのだけれど、読み始めてみると、ああ、なるほど、さすがに何をやってもうまい人だなぁと改めてスゴイ作家だと敬服。

    今までの彼のどんな作品でもそうだったけど、やはりこの方のすごいのは、日々の取材の中から物語の「種」を拾う才覚というか嗅覚ではなかろうかと。おそらくひとりひとりどんな平凡で普通の人でも必ず持っている「物語」を聞き取って、エンターティメントとして広げてしまうその筆の力の凄さ。

    いろんな場所で石田さんに世間話なんかでちらりと話をしたその「物語の種」を提供したご本人にも、このエピソードがまさか素敵なワンストーリーに昇華するなんて、きっと想像もしてないのだろうと思いますが、ストーリーテラーの中では「これはイケル!」と密かににんまりして、すでに美しい「物語」が芽を伸ばし、花を咲かせているんだろうなぁ、と想像。

    これはただただスゲー!と口をあんぐり開けて驚いて感心して感激するのみ。ファンだから。

  • 人生にいちど失敗すると這い上がれない、とさんざん脅されて不安になる。
    エリートがリストラされたその先の話が知りたい。

  • 石田衣良さんの短編集というと、
    恋愛絡み、それもお洒落な男女がワイン片手にお洒落な話をして、出会ってすぐ身体を交わらせて・・・

    というイメージがあるんですが(偏見です、すんません)
    この短編集はどれもそういった現実離れしてぷかぷか浮いてるようなものではなく、地に足のついた日常的な物語たちだった。読みやすかった。

  • 再生って何かしら壊れているから起きるのですね。昨日の自分と同じような状況の主人公たちが、最後には少し前向きになっていて、明日には私にも光がさすかもしれないと思わせてくれます。いくつかはリアルストーリーをベースにしているようで、このアルアル感はだからなのかと納得しました。

  • タイトル通り、いろんな「再生」をテーマにした短編。
    一話目でいきなり、自殺した妻が親友を通して夫にキスする展開でそれはちょっときつかった。
    いいところを見すぎかもしれないけど『東京地理試験』は定年間近のおじさんが試験を受けるというのはリアルな気もしてすきだった。
    あとがきで「半数以上は直接当人から話をきき、小説に仕立て直したものです」と書いてる通りで、そうやって拾うのさすがだなあと思った。

  • わたし的には微妙かな、、、
    学生時代に読んだ「美丘」以来かな。
    確かに「あーあるよね」とか共感する話もあったけど
    短編より長編の方が面白いのかな。
    Kindle Unlimitedで読めるの
    他にもあったから読んでみようかな

  • (Kindle Unlimited 冊目→返却)

    (初石田衣良さん、読み切れるかわからないけど)

    「再生」
    物語はすごく面白く読み進めたんだけど、ラストが、これは、ないなーという気がしました。
    果歩が成りすましててもわからないよね?てか成りすましでしたって仄めかして欲しかった…。
    ちょっとありえないです…。

    2話目を読み始めて、やっぱり、受け入れない…と思って、他の感想を読みに行って「男性に都合の良い女性が描かれがち」というのに共感して、読むのやめました…。

  • 淡々と、淡々と。
    人は再生できる。

  • 「再生」がテーマだから落としどころは決まっていて当然で、人は生きている限り「やり直し」はきく。ただ、本人が、本人の意思で「立ち直ろう」と思わねば「再生」は叶わず。「この流れのまえでは、自分の命も、失恋も、ほんのいってきの水のようなものだった。」手放すのも執着するのも本人次第。ただ時が経てば、薄れる痛みもある。それも再生なのかもしれない。

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。成蹊大学卒業。代理店勤務、フリーのコピーライターなどを経て97年「池袋ウエストゲートパーク」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。2003年『4TEEN フォーティーン』で直木賞、06年『眠れぬ真珠』で島清恋愛文学賞、13年 『北斗 ある殺人者の回心』で中央公論文芸賞を受賞。他著書多数。

「2022年 『心心 東京の星、上海の月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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