沙門空海唐の国にて鬼と宴す 巻ノ一 (角川文庫) [Kindle]

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  • KADOKAWA
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感想・レビュー・書評

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  • 天才 空海の凄味と人間味が溢れ出す。当時の長安の雑踏が妖異を浮き立たせる。物語りが痛快で、次巻が楽しみな一冊です。

  • 文章が、逸勢と空海の会話が心地よい。
    猫に綿畑の謎に、
    麗香、白楽天、まだ姿が出て来ていない人らも気になる。
    鳳鳴の忠告に空海が気づかされ、
    天を仰ぐ。この一巻の終わり方、絵になる。かっこいい。

  • 17年にも亘って描かれた物語。高野山に行くことになったので空海ものを読もうと思ってチョイス。一文ごとに改行され、一文もそう長くないし、繰り返しも多いので、4巻あるわりにはさくっと読了。夢枕獏って、高校生くらいの時にキマイラを読んで以来だけど、こんなかんじだったっけか?
    それなりにおもしろかったし、密教のエッセンスがわかりやすく書かれている。これなら活字離れの若者にも取っ付きやすかろう、という書きぶり。でも、起承転結でいえば、起承まではおもしろかったんだけど、転結のあたりで尻すぼみというか、どうもスケールが小さい物語になってしまったような。最後の宴のシーンではせっかくだから、法力合戦みたいに派手にしてほしかったし、結局最後の方は関係者の手紙での種明かしが主だったのが、ちょっと残念だった。空海が密を極める部分もあまりにあっさり。ま、これはこの物語の主題ではなかったんだろうけど。
    とはいえ、これだけの分量をぐいぐい読ませ、楊貴妃や白楽天、王羲之などなど、唐やそれ以前の中国のスーパースターが次々と出て来て楽しめるサービス精神はさすが。

  • 唐に留学中の空海が怪力乱心を語る、夢枕獏がいかにも得意にしていそうな伝奇小説の類。夜寝る前に、酔っぱらって読むには丁度よい軽さだが、腰を据えて読むような話でもない。

    続きは、また酔った勢いでポチったら読むかもしれない。もっとも、最近は酔った勢いで Kindle にダウンロードしたものの積読という本が増えているので、何か対策を講じたいところではあるのだが。

  • 一巻のみ読了。
    一文が短く点や改行が多い。読みやすいと感じる人もいるのだろうけど、私にはリズムが悪かった。

    ストーリー的にはまだまだ序盤で、特に大きな盛り上がりもなく淡々と空海という人間が描かれているのだが、その空海の大物ぶりが、相方逸勢と地の文によってしつこいほど強調されてうっとうしかった。またワトソン役とはいえ、逸勢が遣唐使とは思えないほどマヌケに描かれすぎているのが気になった。
    この時代の長安は興味深いが、描写が貧弱でわ都の持つパワーも香りも伝わってこなかった。

    欠点ばかり書いてしまったが、決して面白くないわけではない。期待の高さからのレビューであり、ある一定の水準はクリアしている作品と思う。
    次巻の盛り上がりに期待する。

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著者プロフィール

1951年、神奈川県出身。第10回日本SF大賞、第21回星雲賞(日本長編部門)、第11回柴田錬三郎賞、第46回吉川英治賞など格調高い文芸賞を多数受賞。主な著作として『陰陽師』『闇狩り師』『餓狼伝』などのシリーズがあり、圧倒的人気を博す。

「2016年 『陰陽師―瀧夜叉姫― ⑧』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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