とんび (角川文庫) [Kindle]

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  • KADOKAWA
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  • 広島の田舎町で、ヤスは愛妻の美佐子さんと息子のアキラと三人で幸せな日々を送っていた。
    だが、アキラが1歳のとき、不慮の事故で美佐子さんが亡くなってしまう。

    照れ屋で意地っ張りで不器用な父。

    危なっかしい子育てをするヤスと幼いアキラを、近所の知り合いや幼なじみ、職場の同僚が家族のように親身になって世話を焼く‥

    重松さんの文章が心に染み込んできて、涙無くしては読めなかった。

    親だって完璧な人間じゃない。
    いけないとわかっていても、言ってしまって後悔したことも数え切れない。
    自分の子育ての後悔と、ヤスの抑えきれない衝動が重なった。

    反抗期には家出もしたアキラだったが、心根の優しい親想いの青年に育つ。
    それは、一見メチャクチャなことを言っているようでも、本当の芯の所は外してないヤスの真剣な子育ての成果だと思う。

    それにしても、事あるごとに涙を流すヤス、泣きすぎ!

  • とてもおもろしろく、感動できる話だったので読みやすかったです。ヤスさんと旭という二人の親子が主人公の物語において、どこかしら何かが不足していて、(例えば、ヤスさんには妻の美佐子さんの死によって愛妻を亡くし、旭は母である美佐子さんの死によって母という存在が不足したりするなど…)不器用なヤスさんは旭への幸せをひたむきに願ったりするなどの愛によって途方に暮れたりし、たえ子さん照雲おじさん、そして幸恵おばさんなどに育てられ成長していった旭の物語もあります。昭和、そして平成を超えて令和になっても変わることのない情を描いた作品です。(令和というところは、映画の内容も含まれているかもしれませんが…)

    映画も見ましたが、どちらかというと本の方が情景や描写が繊細に表現されていたので、本の方が僕は好きで、お勧めします。

    まだ読んでない方も読んでみてください❗️

    • 風猫東野龍之介歴史好きさん
      書き忘れたので追加で書いておくと、3代(途中でヤスさんの父も出てくるので詳しくは四代)にわたる話です。
      書き忘れたので追加で書いておくと、3代(途中でヤスさんの父も出てくるので詳しくは四代)にわたる話です。
      2022/04/16
  • ヤスさんが子育てに葛藤する姿、息子のアキラに対する不器用でまっすぐな想いに何度も泣きました。ヤスさんとアキラを支えてくれてる周りの人たちも愛があってよかったです。

  • 昭和初期、言葉遣いも乱暴ですぐ手がでるヤスさんが、結婚3年目にしてついに子どもができ、急に真面目一変になったところから話が始まる。

    奥さんのことも大好きで大切で、でも照れ屋だから素直に言葉にはできないヤスさん。しかしそれもわかってくれてる奥さんも、ヤスさんへの愛にあふれていて、序盤は特に幸せすぎて涙が出てしまった。

    生まれてきたアキラが、トンビが鷹を産んだと言われるほど優しい子に育ち、でも反抗期もばっちりあり、不器用なヤスさんとすれ違っているのはもどかしかった。

    ヤスさんとアキラの周りの人たちも、アキラを自分の子どもや孫のように可愛がってくれて、ヤスさんも支えてくれて、終始愛に溢れた1冊だった。

    久しぶりにめちゃくちゃ泣いてしまう本だったから、職場の昼休みに読むことはおすすめできない、、

  • 号泣です。電車の中で読むと危ないです。

  • 子どもが産まれた今、読んでよかった。前半で心折れそうになったけど、読後の心地よさを味わえてよかった。

  • 涙腺が刺激された。不器用で照れ屋でまっすぐな親父とその息子の親子愛。そして時に厳しく見守る人達。ヤスさんもアキラも幸せ者やな。映像作品を一度も見たことないのが悔やまれる。

  • 重松清さんの作品が好きなのと映画が上映していることから読んでみたくなりました。

    父親ヤスさんの心の踵は、親であれば誰もが共感する場面があるのではと思いました。
    人は何かしら欠けているものがあり、親子だけでなく、周りの色んな人たち、暮らす地域に支えられ、補い合って生きていることを自分や色んな人に重ねながら、人が生きる大事な基盤だと息子アキラの成長過程と共に感じました。
    真正面からめぐり来ることへ愚直なまでに向き合う不器用だけど心根の優しい父親ヤスさんの体当たりな人生に感動する作品です。

  • 初めから終わりまでずっと泣いてた

  • 前回読んだ「ゼロ」に出てきた一冊。
    とんびが鷹を産むから題名きてるけど、フィクションだけどどこか懐かしかった。
    地面じゃなくて海になる(読んだ人にしかわからない表現…)。
    「幸せとは」をまた違う角度から考えさせられる一冊。

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著者プロフィール

重松清
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木三十五賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『流星ワゴン』『疾走』『その日のまえに』『カシオペアの丘で』『とんび』『ステップ』『きみ去りしのち』『峠うどん物語』など多数。

「2023年 『カモナマイハウス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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