- Amazon.co.jp ・電子書籍 (267ページ)
感想・レビュー・書評
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高度成長期の自衛隊の日常を描いた連作短編集。
それぞれの人物にそれぞれの魅力があり、そして隊生活ゆえの面子や情もあり。とても面白かったです。
なお、表紙は文庫版ですが文庫版に入っていた解説は収載されていません。 -
自衛隊での日常が書かれた連作短編集。浅田さんの実体験に基づいた作品でしょうか。いじめともとれる暴力に読みはじめは暗い気持ちになったが、生活を共にするうちに仲間うちに芽生える連帯感にほっとした。浅田さんの書かれた本だけあって一見、冷たい行動でも実は相手に対しての思いやりがあったりする。でも男の面子とかが、じれったい。
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短編集。戦後25年ほどの陸上自衛隊、その隊員たちを描いた小説で、そのころ町は学生運動の只中にあり、自衛隊員たちはそれとわかる格好で街中を歩けば身の危険を感じるような状況だった(ようだ)。嫌われ者で給料も安かった自衛隊という組織に、それぞれの理由から身を寄せることになった若者たち。
ものすごく男くさい小説。軍隊賛歌というのではないが、思わず胸が熱くなる。軍隊論、組織論というものが当然入ってこないわけではないが、むしろ隊員たちひとりひとりの人生を描いた小説であると思う。
短編集で、一本ずつ主人公が変わる。ほとんど騙されるようにして入営してきた新隊員たちの葛藤と苦労、成長といったものが主だが、彼らの上官にあたる先輩隊員たちの、ひと癖もふた癖ある人物描写、男気あふれる魅力も読みどころ。