五体不満足 完全版 (講談社文庫) [Kindle]

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  • 講談社
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感想・レビュー・書評

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  • 乙武洋匡を一躍マスコミの寵児に押し上げた大ベストセラー。元出版は 1998年で、その後、出版に伴うマスコミの過剰な反応に戸惑いつつスポーツライターとしての一歩を踏み出すまでを加筆して 2001年に完全版として再版している。著者の特異なキャラクターに魅せられて、ずっと興味はあったものの、持って生まれたベストセラー・アレルギーの影響でずっと読んでいなかった。近年 Kindle で格安セールの対象になっていたのを機に読了。電子出版の素晴しさは数あれど、再版制度の制約を受けずに販売できることも魅力の一つだ。

    著者はその後、小学校教員などを経て現在も作家活動を続けている。最近の著者の twitter などでの発言を見ていると、本書の成功によって押し付けられた「障害なんてヘッチャラさ。明るく清純、元気なオトくん」イメージは完全に払拭した観がある。

  • 何でも前向きに捉える人とそうじゃない人とでは、読者の受け取り方も違うなと気づいた。

  • へえー、、

  • 「自分を愛する力」が良かったので、今さらではあるが、乙武氏の原点であるこちらも読んでみた。

    これは自伝なので、当然ながら重なる部分が多く新鮮味に欠けるのだが、こちらにしかないエピソードも多く、面白く読めた。

    自身も語っているように、乙武氏は障害者代表ではなくむしろ特殊例だろうが、これからは、障害者(と一括りにするのもどうか)だからといって特別視することはなく、個性ぐらいに思っていてもいいのだ、と感じた。

    それにしても、ここまで自分を信じている人はなかなかいないのでは?
    自身の子も、こういうたくましい子どもに育って欲しいなと思う。

    [more]
    (目次)
    まえがき
    第1部 車椅子の王様 幼児期・小学校時代
     威張りん坊
     重い扉
     高木先生
     オトちゃんルール
     好きな授業は体育
     おにぎりの味
     背中のVサイン
     OTHOHIRO印刷
     早朝特訓とミノル
     漢字チャンピオン
     スーパービート板
     障害者は救世主
    第2部 全力疾走 中学・高校・予備校時代
     ドリブルの名手!?
     お祭り男
     ヤッちゃん
     後輩からのラブレター
     受験狂騒曲
     25人の勇士
     生命の水
     数学は7点・・・・・・
     将来の夢
     浪人ノススメ
     奇跡
    第3部 心のバリアフリー 早稲田大学時代
     衝撃デビュー
     宝の持ちぐされ
     早稲田のまちづくり
     エコ・サマー・フェスティバル
     「いいんだよ」
     21世紀へ
     アメリカ旅行記
     大雪の日に
     父のこと、母のこと
     心のバリアフリー
     あとがき
    第4部 新たな旅路 社会人時代
     迷い
     次なるステージ
     エピローグ

  •  生まれつき四肢のない著者が大学生だった1998年に出版された『五体不満足』に、社会人になってからの章を加えて2001年に出版されたのが『五体不満足 完全版』。それが2011年に電子書籍化されたものを読みました。

     ベストセラーになると却って読みたくなくなるタイプですが、Kindleの練習台にちょうど良かったので手を出してみました。思ったより短時間で読めてしまいましたが、それが分量のせいなのか内容が面白かったからか電子書籍だったからかはまだ判りません。

     内容については今更なので深く触れませんが、この著者のように思いハンディキャップを負いながら活躍している人を見ると、恵まれた境遇でありなが大したことのできていない自分が恥ずかしくなってきます。別に恥じる必要はないとは思うのですが。

  • 今さらの感は否めないが「五体不満足」を読んでみた。
    障害者としての自分の生い立ちを書いているのかと思ったら、まったくそういう内容ではなかった。単に乙武洋匡という一個人の、たった二十年の自分史である。
    彼は自分が障害者であるということを意識せずに、ずっと育ってきたという。大学に入った頃、社会福祉分野のイベントに参画して、初めて自分が障害者であると自覚したそうだ。少しオーバーに書いているのかも知れないが、その辺の感覚は面白い。
    障害者を見ると「かわいそう」と世間の人は言う。だが「かわいそう」と感じる心の背景には、常に自分がああならなくて良かったという、少し上からの目線が入っていはしまいか。
    彼は裕福な家庭に生まれ、ハンサムだし頭も切れる。若干、ちゃっかりしたところがあるようだが、そういう環境や素養に恵まれたからこそ、重い障害を持っているにも関わらず社会にあれだけ認められるようになった。
    この完全版には『五体不満足』出版以降の常軌を逸した大騒ぎの顛末が書き加えられている。
    マスコミから追いかけられ、どこへ行ってもちょっとした騒動になり、「ほらあの人よ、五体不満足の人、おと…おと…おとボケさん!」などと言われるようになったという後日談に、有名人の苦悩がよく書き表されていた。
    『障害は不便である。しかし、不幸ではない』というヘレン・ケラーの言葉は障害者にとっては大きな救いである。

  • 最近騒がれているけど…そういえば読んでないよ「五体不満足」と思い読みました。
    もう15年も前の作品ですので、社会の環境も少しは変わっていてほっとします。
    大学生が書いた熱い文章ということで、いいのではないですかね〜。
    「役割」があって、それは人それぞれという下り、同感です。

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著者プロフィール

1976年東京都生まれ。早稲田大学在学中に出版した『五体不満足』(講談社)が600万部のベストセラーに。卒業後はスポーツライターとして活躍。その後、教育に強い関心を抱き、新宿区教育委員会非常勤職員「子どもの生き方パートナー」、杉並区立杉並第四小学校教諭を経て、2013年2月には東京都教育委員に就任。教員時代の経験をもとに書いた初の小説『だいじょうぶ3組』(講談社)は映画化され、自身も出演。現在は、執筆、講演活動のほか、インターネットテレビ「AbemaTV」の報道番組『AbemaPrime』の水曜MCとしても活躍している。『自分を愛する力』、『車輪の上』(以上、講談社)、『ただいま、日本』(扶桑社)、『ヒゲとナプキン』(小学館)など著書多数。

「2021年 『だから、みんなちがっていい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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