鉄鼠の檻(4)【電子百鬼夜行】 (講談社文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 「鉄鼠の檻(4)【電子百鬼夜行】」(京極夏彦)を読んだ。
    
『その時、
 階段を真っ黒い影が下りて来た。
 それは──。
 憑物落としの黒装束に身を固めた京極堂だった。
 黒い手甲に黒い足袋。黒い襟巻。
 黒い着流しには晴明桔梗が染め抜いてある。
 手には黒い二重回しと黒下駄を持っている。
 鼻緒だけが赤い。』
    (本文より)
    
あー面白かった。
    
ここハイライトですね。
    
『京極堂はその前で立ち止まり、檻のような木立を眺め乍ら呟くように云った。
    
「この世には──不思議なものなど何ひとつないのだよ。関口君」
    
明慧寺が蜃気楼のように浮き上がって見えた。』
(本文より)

  • いざ出陣的な感じが非常にいい感じ出してるなぁ。
    言葉にした瞬間にそれは言葉に囚われることになる。
    頭で解釈した瞬間に、それは解釈に囚われることになる。
    すべてを理解した心持になっても、それは魔境だと退ける。
    だから、言葉にせず解釈せずに理解しない。
    そういった訓練を積んでいる禅僧を相手に、
    言葉を用いて憑き物を落とす中禅寺がどう戦うのか?
    今回は、榎さんがいつも以上にいい仕事してますね。さすが神なだけはある。

  • 普段あまり関わりのない宗教、寺、禅。中身が濃ゆかった(笑)。禅の意味、悟るとは、山奥のお寺でそんな答えのない修行をしている僧達の狭い世界での小宇宙が広がっている。犯行動機の「悟り」。自分が見つけられなかった答えを持つ人への羨望と憎しみが自分にはおもちゃを欲しがる子供のようで、いくら修行をした偉い人でも欲は捨てきれないものなんだなぁ

  • 長い。。。宗教的な部分が多くてちょっと中だるみ感もある。途中で京極堂が
    イヤイヤ期にはいるし(笑)妻たちは放ったらかしだし(笑)もうちょっと主要キャラに頑張って欲しかったかな。

  • 今作はある意味警察が主人公だった気がする。そして警察への好感度が真っ逆さま。古き横暴な警察!という感じ。石井は魍魎の匣で京極堂チームに散々やられた人で、まあ可もなく不可もなく。山下は最初アレだったけどやり込められてからはだいぶマシになった。菅原は… いつか再登場して死んでいただいても構いませんよ?
    あと調子のいい益田くんも出てきた。次回で警察やめて探偵の弟子になるんだっけな。
    鳥口、敦子もそこそこ活躍するし、関口は今回もちょっと怪しい。榎木津は今回もそこそこ真面目に仕事していた。やっぱり最新作の榎木津はやべえ。新キャラ且ついつものメンバーの古い知り合いである今川・ザ・マチコアンが登場したのです。今川… 今後出てきたっけなぁ。
    不幸過ぎる久遠寺先生も再登場。昔よく来ていた温泉旅館に癒やされに来ていたのに、殺人事件に巻き込まれるわ容疑者扱いされるわ菅野と再会して話せたと思ったらすぐ殺されて… 今回も不幸過ぎる。幸せになってほしい。再登場しないほうが幸せになるんだろうな。

    これも三回目ほど読んでるはずだが、殺した理由が結局よくわからない今作。悟ったら殺されるというのはわかったが… なぜ殺す?そして哲童がトドメを刺す、というか供養と言いながら死体を木の上に乗せたり便所にぶっ刺したりと好き勝手使うという最悪コンボ。どちらかがいなかったら割とすぐに解決してたはず。
    しかも鈴という子供の謎は最後まで解けないまま。イケメン坊主の慈行も、なんか空っぽだとか言われてそれが当たってたらしいけど、詳細はわからないまま焼けてしまう。
    ある意味一番大きい、謎の寺院という謎は解けるが、殺人事件の方はほわほわなままになった。まあ、京極堂が苦手な相手と言っていたというのも結構大きいのかもしれないし、別に消化不良という感じはなくて面白かったので全く文句はないけど。不思議なことなどなにもないのだよ、では済まなくない?とは思った。

    禅僧同士の同性愛があるわ、菅野再登場、つまり幼女愛好者も出てくるわ、京極堂シリーズではほとんど恋愛について描かれないのに、今作は突然歪んだラブラブがやたらと出てくる。ラブラブするだけならともかく、奪い合いで傷害事件まで起きる。お前ら何を修行しとったんやぁ。

    そういえば小説すばるで一休さんの伝記的なものを読んでいたから、そのあたりの流れはこれまで読んだときよりもだいぶわかった、気がした。

  • 2023/09/29

  • 読み終わった。

  • 全巻読み終わった。

  • 今度は坊主が相手。
    世の中から取り残された寺が舞台。
    禅の解説部分がツラいのと、名前が読みにくい以外ははサクサク読める。
    犯人や動機うんぬん、よりは全体の話を楽しむ感じなのです。

  • 張りぼてを使ってでも、理想の社会を求めた1人の僧の企みがここに終結。
    人の執着が幾重にも重なって真実を覆い隠していて、それを一枚一枚剥がしていくとそこには何もないというような、虚無で幻のような話だった。

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著者プロフィール

1963年、北海道生まれ。小説家、意匠家。94年、『姑獲鳥の夏』でデビュー。96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で直木賞、11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞、22年『遠巷説百物語』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『死ねばいいのに』『数えずの井戸』『オジいサン』『ヒトごろし』『書楼弔堂 破暁』『遠野物語Remix』『虚実妖怪百物語 序/破/急』 ほか多数。

「2023年 『遠巷説百物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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