イノベーションのDNA Harvard Business School Press [Kindle]
- 翔泳社 (2012年1月17日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (352ページ)
感想・レビュー・書評
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8年間起業家とかクリエティブな仕事をしている人々を調査した壮大な研究をもとに書かれている。
イノベータが共通している持っている素質を見出そうという試み。
具体的にはまずイノベーションに取り組むだけの勇気とリスクテイクが必要で、そこから4つの行動的スキルと認知的スキルを紹介している。どれも納得するものばかり。物事の処理能力が高い優れたビジネスとイノベータの持つ能力特性の違いについても。会社じゃなくて個人の能力に重点をおいてイノベーションを考える視点がよかった。
けど翻訳調がちょっとしんどいのと、冗長な繰り返しが多いのが難点。あとは10年前くらいの本だけど、質問力とか実験力はいわゆる課題を見つけて仮説をもとに検証することに近いから、最初は起業の科学とか読んだ方が良さそう。
人と違う考え方をするには人と違うインプット得ないといけない。それには人と違う行動をしないといけない。それには人と違う考え方が必要というループ。。
最初の勇気を踏み出せるかもやっぱ大事。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
20201101
個々人のイノベーション創出モデル:イノベーションに取り組む勇気(現状に異議を唱えリスクをとる)を持ち、4つの行動的スキル(質問力、観察力、ネットワーク力、実験力)で斬新なインプットを収集し、それらを組み合わせる認知的スキル(関連づけ思考)を活用することで革新的なアイディアが生み出される
事業ライフサイクルにおいて、立ち上げ期は発見力が重要だが、成長期~成熟期にかけて実行力の重要性が高まる。実行力とは、分析・企画立案・行き届いた導入・規律ある実行のための能力だ。
関連づける力が重要なのは、イノベーションとはなにもないところから何かを創造することではなく今までなかった組み合わせを見つけることだからだ。さまざまな視点から物事を考える(多様なステークホルダーの気持ちになってみる、ズームインとズームアウトを自在にいききする)こと、たとえ、強制的にアイディアをしぼり出すことなどがヒントになる
・質問は、既成概念をとりはらう効果と、思考実験の効果がある。前者は現状を自分事としてとらえるために5W1Hをふまえしみじみと理解し、その状況の背景である本質的な真因を明らかにするような質問。後者はもし~だったら、という特定のシナリオの効果を検討する質問
・観察力が意味するメッセージは、現場に身を投じて五感で感じることの重要性である。いかに質問をして現状をしみじみ理解したつもりになっても、それは現場で実際に体験することには勝てないということである
・ネットワーク力とは、ギャップのあるコミュニティに複数参加し、それを繋ぎあわせることで価値を出す力である。あるコミュニティでの常識は他のコミュニティでの宝である
・実験力はイノベーターと非イノベーターを分ける最も大きな要素。アイディアを形にする。考えるために作り、作るために考える
イノベーティブな組織を作るためにはpeople,process,philosophy が必要。
・people の要素とは、トップがイノベーターであり各階層で発見型人材と実行型人材のバランスがとれお互いに補完しあっていることである
・processとは業務のなかに、質問、観察、ネットワーク、実験を組み込むことである。IDEOの仕事のスタイルが好例
・philosophyとはイノベーションを重視するカルチャー、事業ポートフォリオ、組織体制をもっていることである。イノベーションを重視するカルチャーのためにはトップマネジメントがイノベーターであることが必要、トップがイノベーターでないなかで部下や一部の組織にイノベーションを求めてもその成果が十分に評価されると思われるはずがない。実際に売上や収益をあげる事業ポートフォリオのうち直近のイノベーション起因のものの比率はいかほどか、どの程度イノベーションに資源を投下しているかを評価する必要がある。イノベーションを実現するためには実行力も必要であり、発見力と実行力が補完しあう組織がプロセスに沿って仕事を進めることで再現性のあるスマートリスクなイノベーションが実現する
☆イノベーションを高めるための実行計画:
毎日、事業計画や課題解決のためのアクションを1つ考えてevernoteにメモする→入浴中
毎日、1つの課題にたいして30この質問を考える。これは実業務に対するものも可→朝
月に一回は新しい知識に関するイベントに参加する(会社のトレーニングも可)
毎日誰かとアイディアをやりとりする対話をする
(Twitterなどネットや昼食)→夕食後か昼