南京の基督 [Kindle]

著者 :
  • 2012年9月27日発売
4.06
  • (5)
  • (9)
  • (4)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 61
感想 : 10
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (19ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 南京奇望街の娼婦・宋金花(そうきんか)は、亡き母の影響で5歳のとき基督教(ローマ・カトリック)の洗礼を受けた、気立てが優しく笑顔の絶えない15歳の少女でした。ある日本人の客が「こんな稼業をしていては 天国に行けないと思わんのかい」金花は「この商売をしなければ お父さんも私も飢え死にしてしまいます 天国の基督様は きっと私の思いを汲みとって下さると思います」そんな金花が梅毒に侵されると〝飢え死にしても お客に迷惑を掛けたくありません 天国の基督様どうかお守り下さい〟と、十字架の前で祈る金花の処へ・・・。

  • 何も言うことはない。

  • 金花の無垢さが清水のようで、心が洗われます。一方で彼女の信仰体験の官能的なこと。そういえばベルニーニの『聖テレジアの法悦』の官能的な表情にも驚かされた。品があって端正な日本語に、ここの所ざわざわしてた心が少しなだめられました。最近英文を読み書きする機会が多く、日本語の読書をしていなかった。やはり私の根っこにある言語は日本語なのだなと再認識しました。

  • これは芥川龍之介らしくない話で、その異様さが楽しめた。

    金花の梅毒を、キリスト似の男が治してくれた。
    ってとこで終わってたら、なんて素敵な話なんだろうとおもったけど、最後にオチがあったのに、すってーーん。
    「ちゃんちゃん」
    って最後言いたくなった。
    なんか笑えるーー。

    こういう芥川の作品もたまにはいいね。

  • 鰯の頭も信心から、な話しだけど、そんなふうに茶化してはいけないよね。 金花の可愛らしいこと…。 まるで、マッチ売りの少女。 可哀想で無垢なものを可愛らしいと思ってしまう、我が心の卑しさよ。

  • 芥川龍之介の小説。南京の敬虔なキリスト教徒の売春婦が、キリストを名乗る男と会って経験した奇跡は意外な結末。

全10件中 1 - 10件を表示

芥川竜之介の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×