六の宮の姫君 [Kindle]

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著者 : 芥川竜之介
  • 2012年9月27日発売
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (9ページ)

六の宮の姫君の感想・レビュー・書評

  • そこそこいい家に生まれたお姫様。だが両親を亡くし、一人で生きていかねばならなくなる。
    北村薫の同タイトルの作品を読み直そうと思ってて、そのまえにこちらを読んでみた。

    何も一人で決められず、何もできず、頼りない姫はだんだんと生活苦に陥る。そこである身分の高い男に頼り、半ば妻のような形で生活をすることで、一時の安定を得る。
    それでもなお、姫は流されるまま、覇気のない生き方をする。男はやがて仕事で遠くの地に赴くことになり、姫の世話をやめて任地へ。
    再び荒れ始める生活。姫は生活苦でやつれながらも
    「わたしはもう何も入らぬ。生きようとも死なうとも一つ事ぢや。……」
    と言い、生活の立て直しもせず、流されていた。
    9年後。男が任地から戻ると、姫の屋敷は荒れはてており、そこに年老いた尼と介抱されている病人の女がいた。その病人こそが姫だった。
    姫は今わの際におり、傍にいた僧侶が「成仏したければ念仏を唱えよ」と諭すも、ただただ己の身を嘆きながら死んでいく。
    姫の亡き後、朱雀門にはすすり泣く女の霊が現れるようになった。その女の霊について尋ねた侍に、法師は言う。
    「あれは極楽も地獄も知らぬ、腑甲斐ふがひない女の魂でござる。御仏を念じておやりなされ。」


    流されるまま生き、成仏の仕方さえも知らない六の宮の姫君。そんな生き方に苦言を呈した内容。
    身分がそこそこ高いはずなのに、この話に描かれているのは苦しい生活の様子ばかりだった。姫君、という恭しい感じのする言葉が入ったタイトルがいかにも皮肉。
    いろいろな人の感想を読んでいたら、『羅生門』で強くしたたかに生きる道を選んだ下人との対比になっているのでは? ということをおっしゃってる人がいて納得した。

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