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感想・レビュー・書評
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難しそうな文学作品を漫画で簡単に知るのではなく、原作を読もうかなとブクログで発言してしまった一冊。
さっそく青空文庫で読んでみた。
良かった…"読むよ読むよ詐欺"をせずに済んだ^^;
市九郎が自らの罪業において良心の呵責に苛まれる描写が見事であった。
また美濃国大垣にある浄願寺に辿り着き出家するのだが、寺の上人の言葉が良かった。
「重ね重ねの悪業を重ねた汝じゃから、〜(略)〜現在の報いを自ら受くるのも一法じゃが、それでは未来永劫、焦熱地獄の苦艱を受けておらねばならぬぞよ。それよりも、仏道に帰依し、〜(略)〜身命を捨てて人々を救うと共に、汝自身を救うのが肝心じゃ」。
人々を救う事で、己をも救う…なるほど。
関係ないかもしれないけど、「一日一善」という言葉を思い出す。
難しい言葉や四字熟語を知ったり、仏教の教えを考えたり、勉強になって良い読後感を持てた。
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主人殺しの罪を負い他にも幾人の人を殺めた市九郎。深い良心の呵責に苛まれ懺悔の日々。出家し僧侶の道へ。自ら背負った罪の大きさに苦悶しながらやっと見つけた贖罪の道。それは一年に10人は命を落とすという難所にトンネルを掘り貫通させようというもの。「気が狂った」と馬鹿にされ嘲笑されながらも石工の槌と鑿を手に何かに憑りつかれたように掘り進める市九郎。揺るぎない贖罪への信念。一心不乱に槌を振る姿に胸が熱くなる。21年という長い歳月、ついに成し遂げた市九郎。ラストで"恩讐の彼方に"の意味を知り深い感動に包まれる。
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短い時代小説だけど面白かった。作りが上手だなと思う。設定の仕方と書きぶりが両方揃わないとなかなか納得はできないだろう。たしかな内面を書ける小説の良さみたいなのを改めて。
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主人の妾と慇懃を通じ成敗を受けようとした時に、かえってその主人を殺した上、その姦夫姦婦で様々な悪行の限りを尽くした市九郎が、罪を償うために出家し、仏道修行に肝胆を砕くようになる。市九郎のために非業の横死をとげた主人の一子である実之助は無念の憤りに燃え、報復を誓う。
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菊池寛はね、もっともっと読まれていいと思うんだ。
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悪人になって人殺しを続け、最終的には憎い女を殺すか殺されるか・・・・・どっちかだと思いきや、まさかの穴掘りのお話だった。執念深く、罪深く、懺悔の意味を込めて揺るぎない信念があれば、人の心は動かせるんだなぁ。ほんとうに面白かった。
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昔読んだことのある短編だと、途中で思い出した。短いながら物語がまとまっている。犯した罪を悔いる意識のありようが生々しく描かれ、仏教との出会い、仏教による悩める者に対する救済がわかりやすい。
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土曜日の午後10時20分~
朗読「菊池寛作品集」
(「恩讐の彼方に」新潮文庫 1994年) 【作】菊池寛【朗読】青木裕子
文章の美しさといい人物描写の確かさと良い、素晴らしすぎる。菊池寛がこんなに優れた作家だったとは知らなかった。私が知らない事ってたくさんある。これからもたくさんびっくりするだろう。それが嬉しい。
こんな風に朗読できるようになりたいな。
おっしゃる通り、<良心の呵責に苛まれる描写>ですよね。
自分はそれにもまして、赦しとは何か?復讐心を凌駕す...
おっしゃる通り、<良心の呵責に苛まれる描写>ですよね。
自分はそれにもまして、赦しとは何か?復讐心を凌駕する自戒、色んな意味合いを感じました。今の世界情勢、このような心が重要なのかもしれませんね。なおなおさんの感想、素直で心地よくて素晴らしいと思います!
赦しとは何か、復讐心を凌駕する自戒…そうそう、私もそれを言いたい!私のレベルではこんな言葉は出てこない。
ポ...
赦しとは何か、復讐心を凌駕する自戒…そうそう、私もそれを言いたい!私のレベルではこんな言葉は出てこない。
ポプラ並木さん、ありがとうございます(^_^)