闇金ウシジマくん(8) (ビッグコミックス) [Kindle]

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  • 小学館
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  • 闇金ウシジマくん8 2007

    『闇金ウシジマくん』(やみきんウシジマくん)は日本の漫画家である真鍋昌平による漫画。2004年から2019年まで『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)で不定期連載された。
    2010年10月より、山田孝之主演で毎日放送(MBS)の制作によりテレビドラマ化され、その映画版が2012年8月25日より公開された。また2014年1月にはドラマの新シリーズが放送された他、5月16日には新作映画が公開された。詳細はテレビドラマの記事ならびに映画の記事参照。

    概要
    10日5割(トゴ)の超暴利闇金融『カウカウファイナンス』の経営者である丑嶋馨とその従業員の日常と、カウカウファイナンスに訪れる客、およびその関係者の様々な人間模様と社会の闇を描いたストーリー。物語は各エピソードの中心となる人物の視点で進み、丑嶋はそれらの人物に接触する狂言回し的存在である。そのため丑嶋が全く登場しない回も多い。なお「○○くん」というタイトルは、当時流行した「むじんくん」(アコム)、「お自動さん」(アイフル)などのサラ金の自動契約機のネーミングから着想を得ている。
    2022年3月時点で累計発行部数は2100万部を記録している。
    第56回(平成22年度)小学館漫画賞一般向け部門受賞作品。
    連載を終了した理由として、作者は「闇金業者という犯罪者の視点で描く話に限界を感じていた。『突き詰めて描けば描くほど読者が離れる』」と述べている。その後、弁護士を主人公とした『九条の大罪』を連載開始した

    「フリーターくん」編
    宇津井優一(うつい ゆういち)
    本エピソードのキーパーソン。宇津井家の一人息子。35歳。相模原市在住。最終学歴は高卒。
    両親と同居し、日雇い派遣とパチスロで金を稼いでは使い、一般の消費者金融で借金を重ね、そんな退廃的な自身の生活やその日起きた不快な出来事などを「鬱ブログ」というブログで記している。
    自己中心的で幼稚且つ怠惰な性格の持ち主であり、社会常識も著しく欠如している。それ故、接した相手の大半からは強い悪印象を持たれており、親族からも前述の借金から母親共々縁を切られたがる程。
    生活費の件で母と喧嘩の上実家を勘当され、ネットカフェで生活の後、ゲストハウスに入居するも孤立。日雇い労働の中で椎間板ヘルニアを患ってしまったことでゲストハウスの部屋代を払うことができなくなり、果ては、不良少年たちにお金を盗られ殺されかけたことで、両親に電話で謝ろうとした際に母が倒れたことを知らされる。命辛々母の入院する病院へ行き、両親と和解。その後、搾取されながら丑嶋に縋り続ける両親の悲惨な姿に痛嘆し、丑嶋に啖呵を切りながら両親を自分が守ると宣言。その成長ぶりに丑嶋から興味を持たれ、借金を軽減される。
    自己破産後は訪問介護の仕事やパン工場で働き始め堅実に借金を返済していき、これまでのような稚拙な振る舞いも無く、寧ろ自身の経験から安易に仕事を辞めようとする同僚を諭すなど、人間的にも大きく成長。皮肉にも自己破産して家を奪われた後の方が家族仲も良くなり、幸せな生活を送ることになった。

    宇津井美津子(うつい みつこ)
    本エピソードの債務者。優一の母。好物は団子と落花生。早期退職に無断で応じた夫や、無気力な無職である上にギャンブル狂な一人息子に愛想を尽かしており、家族間の交流はほぼ皆無に近い。だが、自身も後述のように借金のリスクがある行為に安易に手を出すなど、息子同様に短慮な一面が見受けられる。
    家族が当てにならない状況の中で、自分がなんとかしなければいけないというプレッシャーから株の信用取引に手を出すも、追証が原因で借金をしてしまう。さらに丑嶋と樺谷の策略に乗せられ借金が莫大な金額まで膨れ上がる。親族に借金の申し込みをするもにべもなく断られた上に見放され、結局は自身の母親を道連れにする形で金を作るも、丑嶋のペーパーカンパニーによる支払督促を受けた裁判所からの特別送達を優一が渡し忘れていたために異議の申し立てが出来ず、財産も家も全て取り上げられた。破産後は何もかも失ったショックから心理的な過労で倒れるがそれをきっかけで優一と和解。その後は自身が徴収されているだけに過ぎないことを薄々理解しながらも、必死に丑嶋を肯定的に考えながら縋る毎日を送っていたが、その丑嶋に対して優一が家族を守ると啖呵を切った際には、憑き物が取れるかのように感涙を流した。

    宇津井優作(うつい ゆうさく)
    優一の父。サラリーマンだったが、早期退職を妻に無断で行ったことから仲が険悪になり、日中は公園で時間を潰していた。典型的な仕事人間で優一の育児は妻に任せきりだった。しかし、自己破産後は再奮起し、スーパーマーケットでパートを始め、今までの愚行を詫びる優一に「過ぎたことはどうしようもない、大切なのはこれからだ」と諭すなど、父親らしさを見せた。

    優一の祖母
    本名不明。優一の母方の祖母で、彼からは「大好きなおばあちゃん」と慕われている。美津子の借金のために家を失い、優一たちと同居することになる。高齢もあってやや認知症が進行しており、著しい記憶の混乱が見られるも孫と一緒に生活ができるようになり生活に張りができる。

    樺谷(かばや)
    丑嶋の知人で株式売買詐欺師。発売前の週刊誌のスクープを入手していたりする情報通。偽名を使う時は「樺野」と名乗る。日本橋人形町が好きらしい。
    「フリーエージェントくん」編では天生翔が愛人に預けており、再起の資金と話題作りに使うはずだった2億円を愛人から騙し取り、天生に間接的にとどめを刺していた。

    木都根(きつね)
    大勝証券の営業マンで樺谷の知人。樺谷から紹介され美津子の前で株を購入したように見せるが、実際は伝票を偽装しただけの工作である。樺谷や丑嶋に比べると堅気の仕事についているためか小心で、詐欺がばれることや警察沙汰や裁判沙汰になることを恐れていた。

    栄枝英一(さかえだ えいいち)
    没落した宇津井家を追い出された優一が「法テラス」で自己破産について相談した弁護士。
    万一途中で逃げ出されないために住所不定の債務者を受け入れないなどの保身の欲求もあるが、それ以外は業務に忠実な人間で、この期に及んでも自分に不都合なことを屁理屈や笑うことで誤魔化そうとする優一を一喝し『破産は更生のためにある』と強調する。
    優一には闇金の対処法についても教えるが、彼に対して「借り手が闇金をべったり信頼している限り解決しない」と釘も指しており、優一が最終的に精神的に成長する大きな後押しとなった。

    幸(さち)
    宇津井家を追い出された優一が身を寄せたゲストハウスのオーナーの愛人で、美人であるために優一は恋心を抱く。
    飄々としてつかみどころのない性格で、優一を『どうして坊や』と呼んだのは彼女。その一方、ゲストハウスにいるニートを受け入れたりする包容力をもつ。

    橋本(はしもと)
    優一の小学校時代の同級生で中学からは私立中学に通っている。大卒のサラリーマン、所帯持ちで息子が二人いる。優一ととあるショッピングモールのフードコートで偶然再会する。初めは優一との再会を素直に喜んでいたが、自堕落な生活を送りながらも見苦しい自己弁護や卑屈な言動を繰り返したり、真面目に生きている人間を負け惜しみ同然に蔑もうとする彼の幼稚な態度に呆れて愛想を尽かし、優一が去った後、彼のことを「大人子供(フリークス)」「自分を守るのに必死なお子ちゃま」と散々扱き下ろす。去った宇津井は小学校の同級生とも大きな差をつけられたことを認識し、自信だけを欲しがりながら慟哭した。
    しかし自身も金銭的に余裕がなく、妻には頭が上がらずに尻に敷かれるなど、決して幸せとは言い難い生活を強いられている。

    橋本結花(はしもと ゆか)
    橋本の妻。宇津井や橋本の小学校時代からの同級生で、宇津井の初恋相手でもある。旧姓は水野。
    産後太った体格に変わっており、再会した優一から出会い頭に失礼極まりない言葉を吐かれたことを根に持ち、夫と共に優一を扱き下ろす。


    以上のようにWikipediaで紹介される作品。
    真鍋昌平氏による著作。
    週刊ビッグコミックスピリッツ2007年第3号、第4・5合併号、第9号〜第17号掲載作品。
    2007年6月4日初版第1刷発行
    電子書籍制作会社 株式会社昭和ブライト

    フリーターくん5~15

    フリーターやってる息子以上に信用取引、先物取引に追い込まれていくお母さんが大問題。むしろこのフリーターくん編の真の主人公はこのお母さんではないのか。
    7巻のレビューにも書いたのだけれど、ネット証券でインデックスファンド積立投資以外は全て詐欺だと思っておいて良い。

    丑嶋も含めて全員詐欺師であるとしか言えない。
    このフリーターくん編は最後は家族がまた仲良く暮らせる話で終わるが・・・
    やはり丑嶋本人が最後の最後に死んで終わる結末は当たり前やわな。

    闇金ウシジマくん。
    学ぶ所は常に大きい。
    ただ時々読み進めるのが辛い時がある。
    世の中はいつだって理不尽なものだと教えてくれる。

    ただ宇津井の小学生時代の友人橋本もなぜ宇津井の状況を同窓会で知っていてわざわざ会話などしてきたのか。宇津井も言わなくても良い事、キレなくても良いことで怒鳴るのも駄目だが。橋本も楽そうな生き方だと言う必要も無かった。
    まあ、宇津井の現状を漫画で表現する以上、必要な場面だったのだろうけど。
    リアルではTPOをわきまえる事は当然必要だ。

    印象に残った点

    ありゃあ、大人子供(フリークス)だな。
    自分を護るのに必死なお子ちゃまだよ。
    たぶん責任ある仕事を任されたことがないからガキのまんまなんだろ?

    偽名で都合のいい自分演じているとね、失敗してボロが出ても、2度と会わなければいいだけでしょ?
    だから今は普通に話せるんです。
    でも、学校の友達とかは簡単にリセット出来ないでしょ?
    誰にも嫌われたくないから気を凄い遣って意見とか合わせるんだけど・・
    疲れるんですよ。すっごく・・・

    14年前に新築で買った時は4700万円もした家→売値は1400万円がいいところ

    新築の家なんて、住んだ時点で3割は下がるもんなんですよ。
    逆に言えば3割増しの御祝儀価格で買わされてるんですよ。
    あとリフォーム代も300万円はかかるねー。

    住宅ローンは利息の方が先に充当されるので、10年払っても元金は2割くらいしか減ってないもんなんですよ・・・。

    2023/07/18(火)記述

  • 宇津井家崩壊、泥沼。株、パチスロ、借金、明日から本気出すはダメ。悪いのは考えないおばさんなんだけどここまでやるか。闇金、ウシジマ怖い!

  • 「フリーターくん」編。
    追証の返済のために、丑嶋の元に訪れる宇津井美津子。しかし、田嶋を名乗る丑嶋の口車に乗せられ、「絶対儲かる」という新興株の信用取引を持ちかけられる。一旦は騰がった新興株も、予定通りスキャンダル発覚により暴落。借金が夫にもバレ、家を売り、母親の家も売り、さらに兄弟からも借金をし、何もかもが奪われる。
    フリーターの優一も、これではダメだと自覚しつつもパチスロ・借金生活の闇に落ちて行く。どこにも救いがない。

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著者プロフィール

漫画家。神奈川県出身。1998年、『憂鬱滑り台』で「アフタヌーン」(講談社)四季賞夏のコンテスト四季大賞を受賞、同誌同年9月号に掲載され商業誌デビュー。2011年、『闇金ウシジマくん』(小学館)で第56回小学館漫画賞一般向け部門を受賞。その他著書に『スマグラー』『THE END』(講談社)などがある。

「2017年 『THE END クライマックス編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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