闇金ウシジマくん(10) (ビッグコミックス) [Kindle]

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  • 小学館
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  • 闇金ウシジマくん10 2008

    『闇金ウシジマくん』(やみきんウシジマくん)は日本の漫画家である真鍋昌平による漫画。2004年から2019年まで『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)で不定期連載された。
    2010年10月より、山田孝之主演で毎日放送(MBS)の制作によりテレビドラマ化され、その映画版が2012年8月25日より公開された。また2014年1月にはドラマの新シリーズが放送された他、5月16日には新作映画が公開された。詳細はテレビドラマの記事ならびに映画の記事参照。

    概要
    10日5割(トゴ)の超暴利闇金融『カウカウファイナンス』の経営者である丑嶋馨とその従業員の日常と、カウカウファイナンスに訪れる客、およびその関係者の様々な人間模様と社会の闇を描いたストーリー。物語は各エピソードの中心となる人物の視点で進み、丑嶋はそれらの人物に接触する狂言回し的存在である。そのため丑嶋が全く登場しない回も多い。なお「○○くん」というタイトルは、当時流行した「むじんくん」(アコム)、「お自動さん」(アイフル)などのサラ金の自動契約機のネーミングから着想を得ている。
    2022年3月時点で累計発行部数は2100万部を記録している。
    第56回(平成22年度)小学館漫画賞一般向け部門受賞作品。
    連載を終了した理由として、作者は「闇金業者という犯罪者の視点で描く話に限界を感じていた。『突き詰めて描けば描くほど読者が離れる』」と述べている。その後、弁護士を主人公とした『九条の大罪』を連載開始した

    「サラリーマンくん」編
    小堀豊(こぼり ゆたか)
    本エピソードのキーパーソン。医療機器メーカーの営業職。33才。妻と二人の子供がいる。温厚篤実で人に分け隔てなく接する誠実な性格。仕事でも理解ある上司のもとで顧客からも評判が良かったが、東京に転勤して陰湿な上司の志村の下についてからはなかなか成績を上げられず、様々な嫌がらせを受けるなどパワーハラスメントを繰り返され、後輩からもバカにされている。激務の中で次第に家族関係にも亀裂が生じはじめ、仕事の不調と相まって先の見えぬ日々に強いストレスを溜め込んでいた。大声で奇声を上げてストレスを発散する癖がある。学生時代はカメラサークルに所属しており、エピソードの中でも携帯のカメラで風景を撮影するシーンや、結子や板橋の写真を引き伸ばしたアルバムが登場する。
    知らぬ間に同僚であった板橋の詐欺に巻き込まれたことで心身ともに限界に達し、自律神経失調症で休職を余儀なくされる。一時はこのまま辞職、離婚して、全てを清算することも考えるが、この間に家族との絆を取り戻し、営業先でも非常に好かれ、信頼されていたことが判明。板橋との付き合いで一時、悪い遊びを覚えつつも、完治後は小堀を見直した同僚たちの後押しで無事に職場復帰し、上司である志村も一応はパワハラをやめたことで、周りを取り巻く環境が改善される。しかしながら一度覚えてしまった闇スロットやサラ金からの借金は継続しており、今後に不安も残す形となっている。

    小堀結子(こぼり ゆうこ)
    小堀の妻。31才。専業主婦で創(そう・5才)と由花(ゆか・0才)の母。夫や板橋とは学生時代からの付き合い。思ったことを遠慮なく口にするが、家事はほぼ完璧にこなす。夫は仕事ばかりで家庭を顧みないと思い込み離婚を考えるが、自宅療養をきっかけに、夫が職場で相当辛い目に遭っていたことを知り、関係が修復する。

    板橋清(いたばし きよし)
    本エピソードの債務者。33才。独身。小堀と同じ会社の同期だが、別の事業所に勤務。元は優秀な営業マンだったが、VIP顧客の医師から勧められ、その医師に気に入られるために行った株投資で失敗し、多額の借金を抱えたことを契機に、仕事も私生活も上手くいかなくなる。
    自らの不逞のために取引先の病院から出禁にされ、事務所の机でただ時を過ごすこと(いわゆる「追い出し部屋勤務」)を強いられるほどに居場所が無く、直属の上司からは自主退社を迫られ、退職する社員が用意した差し入れも一人だけ貰えず、送別会にも誘われない有様である。
    学生時代からの親友の間柄である小堀から度々金を借りているが、その返済の催促には激しい屈辱と逆恨みを募らせている。自身のストレスが溜まった時には、駅員やコンビニ店員など、立場の弱い者に罵倒するなどし、それにより余計に周囲から嫌われている。
    丑嶋に持ちかけられた金融詐欺の連帯保証人に指定するために、小堀の印鑑と免許証を盗み出し、借金地獄に引きずり込んだ。その後、詐欺の失敗で它貫に損害を与えたため、ロシアン・マフィアの漁船に売られるか、小堀を勤務先相手の取り込み詐欺に加担させるよう丑嶋に迫られる。しかし小堀との会話を通して自身の行いを悔い、今までの自分と決別し、自ら責任を取ることを決意。丑嶋の車に乗せられ、オホーツク方面に消息を絶つ。

    しおり
    出会いカフェの女性。板橋と小堀のお気に入り。板橋に頼まれて小堀の免許証を盗んだこともあるが、小堀にやや好意的で「元気になるツボ」と言って指圧をしたこともあった。療養復帰後の小堀が医師・看護士の労連集会に参加した時、彼女にそっくりな看護師を発見したが、その女性は「駒込ユカリ」と名乗っていた。

    志村(しむら)
    小堀の上司。粘着質で部下からの評価も低い。小堀への集中的なパワーハラスメントにより彼の能力を削ぎ、追い詰めた。
    小堀が倒れたことでこれまで彼に行ってきた嫌がらせが周囲に発覚するが、懲戒処分こそ免れたようで小堀が復帰した後はパワハラを止めて露骨に気を使うなど表向きには態度を改めたように振る舞っているが、裏では小堀に丁重に接しなければいけないことへの不満を呟くなど、本質的には改心していない。

    戸越銀二(とごし ぎんじ)
    小堀の後輩。やり手で成績はトップで志村からも大きく買われているが、「権力の無いドクターには冷たい」と看護師に陰口を叩かれていたり、事故で交通が止まったことについて暴言を吐いたことで広尾から咎められるなど、精神的には未熟な部分もある。
    自分の上司である志村にパワハラをされる小堀を軽視していたが、休職中に小堀が取引先から非常に高く評価されていたことを知り考えを改め、小堀に復帰を後押しする激励のメールを送った。その後も小堀と定期的に飲むなど良好な関係になる。

    田端(たばた)
    派遣社員の若い女性。戸越に好意を寄せるが、同僚とのトラブルを避けるために小堀の名前を出す。
    小堀からは仕事を助けてもらったり、落ち込んでいる時に声を掛けてもらうなど親切にしてもらうが、戸越との飲み会に小堀を誘って会計をさせるなど、小堀の善意を利用する。一方では小堀が休職した際には、小堀を嘲る同僚たちを戸越と共に複雑な面持ちで見つめていた。

    広尾 (ひろお)
    小堀の営業先の若い医師。機嫌が悪かった時、些細な遅刻で小堀との取引停止をほのめかすなど横柄な態度が目立ったが、それにめげない小堀の実直さを認め好意を抱き、取引を重ねるようになる。戸越が事故で交通が止まった時に暴言を吐いた際には、小堀と比較した上でその態度を説諭した。

    它貫(たぬき)
    暴力団組長。売り掛けの回収に手間取るホストの輝稀を「人間打ちっ放しゴルフ」の刑にしたり、重要な金融ルートを潰した板橋を本気でビルから落とそうとしたりと、凶悪で残忍な武闘派ヤクザ。丑嶋からも容赦なくケジメを取らそうとするなどのインパクトで、登場間もなくして『週刊スピリッツ』公募の「悪役キングコンテスト」で3位を獲得する。ロシアン・マフィアとの繋がりがあり、最終的に板橋をオホーツク方面の遠洋漁業に売り飛ばす。

    以上のようにWikipediaで紹介される作品。
    真鍋昌平氏による著作。
    週刊ビッグコミックスピリッツ2007年第39号〜第46号、第48号〜第50号掲載作品。
    2008年2月4日初版第1刷発行
    電子書籍制作会社 株式会社昭和ブライト

    サラリーマンくん編1~11

    当たり前のことを当たり前と思わずきちんと感謝を伝えて生きないといかんなと。
    サラリーマンくん編。組織人の辛さが凝縮されていて辛いわ。
    自分も新卒で入社した地銀の理不尽さを思い出してしまう。
    何のために生きているのか、あと何十年もこの生活をしないといけないのか・・
    そんな事を考えだしたら不幸過ぎる職業人生だ。
    給料の多さもとても大事ではあるものの、やはり一定の労働負荷(自分にとって肉体的、精神的に)で働ける職場、職業を考えないといけない。
    続けられるってとても大事だし。


    印象に残った点

    俺達、何のために働いてるのかな?

    でもさ、毎日起きて会社行って残業残業でくたくたになって帰って寝るだけ。
    親と同居の部下が遊び回ってるのを横目に、俺は月3万の小遣いで安酒飲んで我慢我慢。
    日々やらなきゃいけないことが多過ぎで、考える余裕もないし、気力もない。
    こんな仕事、何度も何度も辞めようと思ったよ。
    でも俺は、医療メーカーの営業しか知らないし違う業種に移るなんて想像も出来ないよ。

    (生命保険会社に勤めている友人の台詞)
    30人の女まとめてる。

    女なんて見たくもねーよ。

    正社員と派遣がそれぞれ派閥作ってよ。
    俺に好き勝手なことばっか言ってくんだよ。
    女どもに言ってる事が間違ってるって指摘してもよ、
    女は自己主張強くって聞く耳持たねーし、引く事知らねーだろ?
    たちが悪ーんだよ。
    毎日それぞれの派閥からランチ誘われて、くっだらねー話に付き合ってんだぜ。
    そのランチ代、全部俺持ちだよ。
    1回3千円の負担だよ?なんで気を遣って、あんな奴らの機嫌取らなきゃいけないの?
    くそお・・派遣の女が反乱起こしたら俺の責任だろ。
    管理能力が足らねえなんて上から言われちまうんだ。

    なんで俺達・・こんな追い詰められてんのかな?

    下手したら交通事故だ。
    もし、このまま俺が死んでしまったら泣いてくれる人は何人いるんだろう
    俺の人生はいったい何なんだろう?
    病院に行って医療機器を必死に売ってる、しがないサラリーマン。
    俺自身、会社に大切な時間を売っている。
    毎日、悩んで迷って、少しずつ擦り減って、
    もう二度とない、かけがえのない人生を売っている。

    医者は不思議な職業だ。
    普通はお金をもらった方が礼を言う。
    医者はお金をもらって、礼を言われる。
    だから傲慢なんだろうな・・・

    ずーと子供と話してるだけだと息苦しいのよねー。
    子供の前ではいい見本でいないと行けないから、人の悪口とか言いたくないし・・。
    それにさー。共稼ぎで働いてる時と違って子育ては評価してくれる人いないじゃん。

    自分が心の底から何が欲しいのかを探すための大切な時間を、くだらない消費の喜びで使い倒した。俺はギャンブルでそれを取り戻そうとして・・どつぼにハマった。

    お巡り(警察官)は、大手の消費者金融で借りると足が付いて、監査部にバレるから闇で借りる。闇金の足元見て最初から踏み倒す気で来るお巡りもいるが、俺はキッチリ取り立てる。

    2023/08/12(土)

  • 「サラリーマンくん」編。
    医療機器メーカーの営業職小堀豊の話。今までの登場人物の中で最も普通。その同期の板橋は、一見普通のサラリーマンだが、闇スロットや出会い系カフェ、闇金に手を出している破滅候補者。この先このふたりにどんな悪夢が待ち受けるのか。

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著者プロフィール

漫画家。神奈川県出身。1998年、『憂鬱滑り台』で「アフタヌーン」(講談社)四季賞夏のコンテスト四季大賞を受賞、同誌同年9月号に掲載され商業誌デビュー。2011年、『闇金ウシジマくん』(小学館)で第56回小学館漫画賞一般向け部門を受賞。その他著書に『スマグラー』『THE END』(講談社)などがある。

「2017年 『THE END クライマックス編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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