闇金ウシジマくん(11) (ビッグコミックス) [Kindle]

著者 :
  • 小学館
3.71
  • (1)
  • (10)
  • (6)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 84
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (209ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 闇金ウシジマくん11 2008

    『闇金ウシジマくん』(やみきんウシジマくん)は日本の漫画家である真鍋昌平による漫画。2004年から2019年まで『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)で不定期連載された。
    2010年10月より、山田孝之主演で毎日放送(MBS)の制作によりテレビドラマ化され、その映画版が2012年8月25日より公開された。また2014年1月にはドラマの新シリーズが放送された他、5月16日には新作映画が公開された。詳細はテレビドラマの記事ならびに映画の記事参照。

    概要
    10日5割(トゴ)の超暴利闇金融『カウカウファイナンス』の経営者である丑嶋馨とその従業員の日常と、カウカウファイナンスに訪れる客、およびその関係者の様々な人間模様と社会の闇を描いたストーリー。物語は各エピソードの中心となる人物の視点で進み、丑嶋はそれらの人物に接触する狂言回し的存在である。そのため丑嶋が全く登場しない回も多い。なお「○○くん」というタイトルは、当時流行した「むじんくん」(アコム)、「お自動さん」(アイフル)などのサラ金の自動契約機のネーミングから着想を得ている。
    2022年3月時点で累計発行部数は2100万部を記録している。
    第56回(平成22年度)小学館漫画賞一般向け部門受賞作品。
    連載を終了した理由として、作者は「闇金業者という犯罪者の視点で描く話に限界を感じていた。『突き詰めて描けば描くほど読者が離れる』」と述べている。その後、弁護士を主人公とした『九条の大罪』を連載開始した

    「サラリーマンくん」編
    小堀豊(こぼり ゆたか)
    本エピソードのキーパーソン。医療機器メーカーの営業職。33才。妻と二人の子供がいる。温厚篤実で人に分け隔てなく接する誠実な性格。仕事でも理解ある上司のもとで顧客からも評判が良かったが、東京に転勤して陰湿な上司の志村の下についてからはなかなか成績を上げられず、様々な嫌がらせを受けるなどパワーハラスメントを繰り返され、後輩からもバカにされている。激務の中で次第に家族関係にも亀裂が生じはじめ、仕事の不調と相まって先の見えぬ日々に強いストレスを溜め込んでいた。大声で奇声を上げてストレスを発散する癖がある。学生時代はカメラサークルに所属しており、エピソードの中でも携帯のカメラで風景を撮影するシーンや、結子や板橋の写真を引き伸ばしたアルバムが登場する。
    知らぬ間に同僚であった板橋の詐欺に巻き込まれたことで心身ともに限界に達し、自律神経失調症で休職を余儀なくされる。一時はこのまま辞職、離婚して、全てを清算することも考えるが、この間に家族との絆を取り戻し、営業先でも非常に好かれ、信頼されていたことが判明。板橋との付き合いで一時、悪い遊びを覚えつつも、完治後は小堀を見直した同僚たちの後押しで無事に職場復帰し、上司である志村も一応はパワハラをやめたことで、周りを取り巻く環境が改善される。しかしながら一度覚えてしまった闇スロットやサラ金からの借金は継続しており、今後に不安も残す形となっている。

    小堀結子(こぼり ゆうこ)
    小堀の妻。31才。専業主婦で創(そう・5才)と由花(ゆか・0才)の母。夫や板橋とは学生時代からの付き合い。思ったことを遠慮なく口にするが、家事はほぼ完璧にこなす。夫は仕事ばかりで家庭を顧みないと思い込み離婚を考えるが、自宅療養をきっかけに、夫が職場で相当辛い目に遭っていたことを知り、関係が修復する。

    板橋清(いたばし きよし)
    本エピソードの債務者。33才。独身。小堀と同じ会社の同期だが、別の事業所に勤務。元は優秀な営業マンだったが、VIP顧客の医師から勧められ、その医師に気に入られるために行った株投資で失敗し、多額の借金を抱えたことを契機に、仕事も私生活も上手くいかなくなる。
    自らの不逞のために取引先の病院から出禁にされ、事務所の机でただ時を過ごすこと(いわゆる「追い出し部屋勤務」)を強いられるほどに居場所が無く、直属の上司からは自主退社を迫られ、退職する社員が用意した差し入れも一人だけ貰えず、送別会にも誘われない有様である。
    学生時代からの親友の間柄である小堀から度々金を借りているが、その返済の催促には激しい屈辱と逆恨みを募らせている。自身のストレスが溜まった時には、駅員やコンビニ店員など、立場の弱い者に罵倒するなどし、それにより余計に周囲から嫌われている。
    丑嶋に持ちかけられた金融詐欺の連帯保証人に指定するために、小堀の印鑑と免許証を盗み出し、借金地獄に引きずり込んだ。その後、詐欺の失敗で它貫に損害を与えたため、ロシアン・マフィアの漁船に売られるか、小堀を勤務先相手の取り込み詐欺に加担させるよう丑嶋に迫られる。しかし小堀との会話を通して自身の行いを悔い、今までの自分と決別し、自ら責任を取ることを決意。丑嶋の車に乗せられ、オホーツク方面に消息を絶つ。

    しおり
    出会いカフェの女性。板橋と小堀のお気に入り。板橋に頼まれて小堀の免許証を盗んだこともあるが、小堀にやや好意的で「元気になるツボ」と言って指圧をしたこともあった。療養復帰後の小堀が医師・看護士の労連集会に参加した時、彼女にそっくりな看護師を発見したが、その女性は「駒込ユカリ」と名乗っていた。

    志村(しむら)
    小堀の上司。粘着質で部下からの評価も低い。小堀への集中的なパワーハラスメントにより彼の能力を削ぎ、追い詰めた。
    小堀が倒れたことでこれまで彼に行ってきた嫌がらせが周囲に発覚するが、懲戒処分こそ免れたようで小堀が復帰した後はパワハラを止めて露骨に気を使うなど表向きには態度を改めたように振る舞っているが、裏では小堀に丁重に接しなければいけないことへの不満を呟くなど、本質的には改心していない。

    戸越銀二(とごし ぎんじ)
    小堀の後輩。やり手で成績はトップで志村からも大きく買われているが、「権力の無いドクターには冷たい」と看護師に陰口を叩かれていたり、事故で交通が止まったことについて暴言を吐いたことで広尾から咎められるなど、精神的には未熟な部分もある。
    自分の上司である志村にパワハラをされる小堀を軽視していたが、休職中に小堀が取引先から非常に高く評価されていたことを知り考えを改め、小堀に復帰を後押しする激励のメールを送った。その後も小堀と定期的に飲むなど良好な関係になる。

    田端(たばた)
    派遣社員の若い女性。戸越に好意を寄せるが、同僚とのトラブルを避けるために小堀の名前を出す。
    小堀からは仕事を助けてもらったり、落ち込んでいる時に声を掛けてもらうなど親切にしてもらうが、戸越との飲み会に小堀を誘って会計をさせるなど、小堀の善意を利用する。一方では小堀が休職した際には、小堀を嘲る同僚たちを戸越と共に複雑な面持ちで見つめていた。

    広尾 (ひろお)
    小堀の営業先の若い医師。機嫌が悪かった時、些細な遅刻で小堀との取引停止をほのめかすなど横柄な態度が目立ったが、それにめげない小堀の実直さを認め好意を抱き、取引を重ねるようになる。戸越が事故で交通が止まった時に暴言を吐いた際には、小堀と比較した上でその態度を説諭した。

    它貫(たぬき)
    暴力団組長。売り掛けの回収に手間取るホストの輝稀を「人間打ちっ放しゴルフ」の刑にしたり、重要な金融ルートを潰した板橋を本気でビルから落とそうとしたりと、凶悪で残忍な武闘派ヤクザ。丑嶋からも容赦なくケジメを取らそうとするなどのインパクトで、登場間もなくして『週刊スピリッツ』公募の「悪役キングコンテスト」で3位を獲得する。ロシアン・マフィアとの繋がりがあり、最終的に板橋をオホーツク方面の遠洋漁業に売り飛ばす。

    以上のようにWikipediaで紹介される作品。
    真鍋昌平氏による著作。
    週刊ビッグコミックスピリッツ2007年第51号、第52号、2008年第2号〜第9号、第11号〜第13号掲載作品。
    2008年5月1日初版第1刷発行
    電子書籍制作会社 株式会社昭和ブライト

    サラリーマンくん編12~22

    板橋の金欠(元からだが)が目立ってきた場面から。
    小堀も安易に板橋に金を貸してはいけなかった。
    ただ昔からの同僚ということで金を貸すが・・・
    やはり友人、同僚、いや・・親族であっても金の貸し借りはしてはいけない。

    あとギャンブルは決して趣味としてもやるべきではない。
    金ばかりかかるだけだ。上達するものでもない。
    映画や漫画、本でも読んだ方がよほど良いわな。

    しかし金の無心をしていた板橋は最後に9万円を貰ってもすぐに風俗にお金を使う。
    全く持ってどうしようもない人間だ。
    最終的にオホーツク海に送り込まれたのも仕方ない。
    破滅するのが早いか遅いかだけの違いにしか思えない。

    信用金庫のモラルを失った人間を抱き込んだ国民生活公庫からの事業資金融資から詐取を提案するウシジマ。他の闇金を食い物にするなど恐ろしいけれども、次から次へと色々やるなと。やはり最終的にウシジマが死んで終わるのも当然か・・・・
    ヤクザの它貫(たぬき)もやばいが・・・・
    ヤクザとの死闘は闇金ウシジマくんの終わり頃でよく発生するが、この它貫(たぬき)との接点はこのサラリーマンくん編だけなんだよな。




    印象に残った点

    あー、明日バイト休みてーなー。
    俺、正社員になれって誘われてんだ。

    でもさー、サラリーマンにはなりたくねーよ。
    税金とか年金払うのは馬鹿がすることだよな。

    今のまま楽して金儲ける方法ねーかな。
    1日5時間くらい働いて週休4日で年収7百万くらい欲しいな・・・

    俺も30になる前にちゃんとしたポジション付きてーな。
    今の楽なままで・・・

    死ね
    テメーらみてーなフリーターどもは日本から消えろ
    税金払ってねー奴は、公道を二足歩行すんな。
    邪魔だから犬みてーに這って歩け。

    (牛丼のフリーター2人組の会話での板橋の感想部分であるが、ここは板橋に共感してしまう。楽して儲けようなどという邪な精神が気に入らない。豊かになるためには真面目に働く必要がある。この手の楽して儲けたいなどという怠惰の極みのような連中が安易な詐欺投資を行い破滅していくことは、かわいそうだとは思うけれども決して同情できない。楽なままのポジションで稼げるはずがない。世界中どこの国家も資本主義だ。程度の差こそあれそこから逃れることは決してできない。)

    闇金はデコに対しては金を惜しまねーし、訴えられないから、やりたい放題だ。
    最近は規制が厳しいし、景気も悪い。
    すがる思いで寄ってくる奴も多いが、逆にすがったらこの世界じゃお仕舞いだ!
    ソッコー食い物にされちまう!

    金のない週末は辛すぎる・・
    飯も食えねえし・・でもそれ以上に退屈に耐えられねえ

    3回払えば詐欺にならねえ、

    しょせん国の金だ。コンプライアンスとやらがうるさくて、職員も無茶は出来ねえんだよ。

    どうせサラリーマンなんて替えが利く存在だ。
    俺がいなくなっても誰も困らない存在だ・・・

    (小堀の内心の台詞だ。ただサラリーマン、組織人が替えの利く存在なのは事実だ。しかしそれは何も一般社員だけではなく、中間管理職、取締役、社長であっても同様だ。会社そのものも替えが利く。突き詰めると日本という国家すら替えが利く。中国が日本の代わりにいくらでも製造業として稼働している。世界は経済大国だった日本を失っても何も困っていない。そんなものだ。とは言っても虚無に陥らず希望を持たないといけない。生きるということはなんと大変なのだろうか。)

    誰かに必要とされたい・・・

    弱音は死んでから吐けばイイ。

    ゴミに埋もれた、人間らしい生活
    やりたくねー仕事で嫌な奴らにコキ使われる、人間らしい生活
    ネットで無料のエロ画像拾ってオナホールでオナニーする、人間らしい生活

    2023/08/13(日)記述

  • 「サラリーマンくん」編。
    妻子持ち、マンション持ちの小堀くんだが、同期の板橋に足を引っ張られていきそうな展開。
    板橋は自業自得なので闇に堕ちても特に何とも思わないが、小堀くんが転落していくのは気が滅入る。

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

漫画家。神奈川県出身。1998年、『憂鬱滑り台』で「アフタヌーン」(講談社)四季賞夏のコンテスト四季大賞を受賞、同誌同年9月号に掲載され商業誌デビュー。2011年、『闇金ウシジマくん』(小学館)で第56回小学館漫画賞一般向け部門を受賞。その他著書に『スマグラー』『THE END』(講談社)などがある。

「2017年 『THE END クライマックス編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

真鍋昌平の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×