闇金ウシジマくん(15) (ビッグコミックス) [Kindle]

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  • 小学館
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  • 闇金ウシジマくん15 2009

    『闇金ウシジマくん』(やみきんウシジマくん)は日本の漫画家である真鍋昌平による漫画。2004年から2019年まで『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)で不定期連載された。
    2010年10月より、山田孝之主演で毎日放送(MBS)の制作によりテレビドラマ化され、その映画版が2012年8月25日より公開された。また2014年1月にはドラマの新シリーズが放送された他、5月16日には新作映画が公開された。詳細はテレビドラマの記事ならびに映画の記事参照。

    概要
    10日5割(トゴ)の超暴利闇金融『カウカウファイナンス』の経営者である丑嶋馨とその従業員の日常と、カウカウファイナンスに訪れる客、およびその関係者の様々な人間模様と社会の闇を描いたストーリー。物語は各エピソードの中心となる人物の視点で進み、丑嶋はそれらの人物に接触する狂言回し的存在である。そのため丑嶋が全く登場しない回も多い。なお「○○くん」というタイトルは、当時流行した「むじんくん」(アコム)、「お自動さん」(アイフル)などのサラ金の自動契約機のネーミングから着想を得ている。
    2022年3月時点で累計発行部数は2100万部を記録している。
    第56回(平成22年度)小学館漫画賞一般向け部門受賞作品。
    連載を終了した理由として、作者は「闇金業者という犯罪者の視点で描く話に限界を感じていた。『突き詰めて描けば描くほど読者が離れる』」と述べている。その後、弁護士を主人公とした『九条の大罪』を連載開始した

    「テレクラくん」編
    吉永美代子(よしなが みよこ)
    本エピソードの債務者。都営団地で暮らす。42才。自己破産者。行きつけのパチンコ屋では「ギャル代」というニックネームで呼ばれている。
    一応定職はあり、スーパーでパート従業員として勤務するも、無断欠勤を頻繁に行う、監視カメラの死角を利用して商品の弁当を万引きする、レジを打っても他のレジに向かわれるくらいに客に嫌悪されるなど、勤務態度や素行は非常に悪い。当然ながらまともな収入は無く、テレクラで売春してはパチンコで散財する悲壮な毎日を送る。
    野村に貢ぐ金欲しさに娘に親子売春・3Pを強要するようになる。最後は美奈にも見捨てられ、1回1,000円で売春するホームレスにまで転落する。最後は肉まんまと同じくカポジ肉腫らしき吹き出物が描かれている。少なくとも2回の離婚歴がある。

    吉永美奈(よしなが みな)
    美代子の娘。18歳。うつ病の薬を服用している。自分に無関心な上、社会常識もない母・美代子に嫌気が差して家出し、ネットカフェに寝泊りしている。
    母同様にテレクラ売春で糊口を凌いでいるが、母親に似ず美人でスタイルも良い。部屋を借りるための7万円欲しさに、杉本相手の親子売春をしたことから、母に寄生される。
    丑嶋に美代子の借金を肩代わりさせられそうになるが、拒絶して母親を見捨てる。後に支援団体の援助を受けて福祉住宅に入居し、母が勤務していたスーパーでパートを行い、定職を持つなど自力で生活を再建する。

    杉本学(すぎもと まなぶ)
    変装してテレクラで女漁りをする小学校教師。美奈に親子売春を持ちかける。モンスターペアレントや問題児への対応に苦しめられながらも耐えていたが、美代子の脅迫や問題児たちの悪質な嫌がらせに追い詰められ、問題児を殴りクビになる。美奈に自分はHIVキャリアだと告げたが、真偽は不明。美奈に本気で惚れていた模様。

    野村(のむら)
    美代子の売春相手。後に情夫となる。ホステスに貢ぐため、妻子持ちだが美代子には離婚していると言い金づるにする。結局は美奈によって正体を暴かれ、美代子に貢がせていた金を全額返済することになった。家庭では妻や息子を思いやっている様子。

    肉まんま(にくまんま)
    美代子のパチンコ仲間。本名は不明。元・風俗嬢。自称32才だが、肥満体で不潔っぽいため、40代のような外見をしている。美代子同様、売春で生計を立てている。昔は羽振りが良かったらしく、ホストクラブで一晩200万使ったこともあったと語る。

    以上のようにWikipediaで紹介される作品。
    真鍋昌平氏による著作。
    週刊ビッグコミックスピリッツ2009年第10号〜第13号、第15号〜20号掲載作品。
    2009年7月5日初版第1刷発行
    電子書籍制作会社 株式会社昭和ブライト

    テレクラくん1~10

    この話はウシジマくん1巻に出てきたギャンブルに溺れたおばちゃんの話を彷彿とさせる。ギャンブル依存症の恐ろしさを表現していると言える。
    全て禁止して地下経済に隠れてしまうのも問題なので、ある程度は表の世界でも運営させることはやむを得ない。しかし、借金してまでしてギャンブルをやるなど、ギャンブル依存症対策並びに規制は厳しく執り行う必要があると思う。
    その意味でテレクラくん編は1話目で既に重症かつ即座にギャンブル依存症対策を取らせる必要があった。
    娘は救われた、いや自ら生活を再建したことだけは幸いだが・・・
    パチンコへの十分な規制をしていない日本って本当にダメだなと思わざるを得ない。
    吉永美代子もある意味、犠牲者なのだ。
    ただ本人も豊かになるためには真面目に働く必要があるっていうことを本質的に理解していないといけなかった。あとギャンブルはダメだ。
    時間、金、全て無駄だと言って良い。
    しかし再読がきつい話だわな。
    この前のスーパータクシーくん編もそうだったが・・・
    人間の愚かさを見せつけられるからだろうか。
    杉本学にしても野村にしても出てくる男どもも見事なクズばかりだ。
    読者が離れていくという真鍋昌平氏のコメントは確かにそうだよねって思える。



    印象に残った点

    深夜、一人で家にいるとさ、孤独に押しつぶされそうになるんだ・・
    だから家ではずっとテレビをつけてるんだ。
    他の誰かと同じ番組を観てると思うと安心するんだ。
    俺は一人じゃないと・・・

    どーせ私が食べる時間に賞味期限が切れる弁当だ。
    それに安い時給で働いてやってるんだ。
    私の計算だと1日2千円分足らないから物で回収して何が悪い

    孤独を受け入れろ。美奈。

    孤独を受け入れないと大人になれない。
    大人になれないガキばかりの国でお前は大人にならなきゃなんねーんだ。

    俺達が相手にしてる連中はよ、孤独に耐えられねえ連中だ。
    それを簡単に解消する手段を安易に手に入れた連中だ。
    だがよ、簡単に手に入るものは、大切にできねえ。
    人と金を粗末にして心がどんどんさもしくなっちまった連中なんだ。

    俺は客を粗末に扱ったりはしねえ。
    最後の一滴までキッチリ搾り取る。

    2023/10/07(土)記述

  • 「テレクラくん」編。
    およそひな祭りの日に読むべきマンガではない(汗)。
    パチンコ資金のために借金とテレクラでの売春を繰り返す母。その娘も負のスパイラルに取り込まれ、やがて取り返しのつかないところに行きつく。
    地に墜ちた母親の顔は、般若以外の何者でもない。

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著者プロフィール

漫画家。神奈川県出身。1998年、『憂鬱滑り台』で「アフタヌーン」(講談社)四季賞夏のコンテスト四季大賞を受賞、同誌同年9月号に掲載され商業誌デビュー。2011年、『闇金ウシジマくん』(小学館)で第56回小学館漫画賞一般向け部門を受賞。その他著書に『スマグラー』『THE END』(講談社)などがある。

「2017年 『THE END クライマックス編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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