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感想・レビュー・書評
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民間企業において最も最難関な職業とは宇宙飛行士ではないだろうか。医者もパイロットも技術者もその先にある職業として「宇宙飛行士」が存在する。エリートの中のエリート。それをどのような方法で選抜し、そして何を大事にしているのか、この本にはそんな宇宙飛行士選抜試験の内容が記されている。
「宇宙兄弟」という漫画で兄のムッタが選抜試験を受けるが概ね、その内容と一緒である。この本には漫画の内容になった人物のモデルとエピソードが書かれている。「宇宙兄弟」が好きな人も楽しめると思う。
宇宙飛行士になるための「正しい資質(ライトスタッフ)」はなんなのか。
・ストレスに耐える力
・リーダーシップとフォロワーシップ
・チームを盛り上げるユーモア
・危機を乗り越える力
JAXAは上記4点を評価している。
ストレスに耐える力
極限にまでストレスを与え、その状態でもベストパフォーマンスが発揮できるかどうか。人間関係如きでストレスを感じるような人間はまず宇宙飛行士になれない。自分の小ささが嫌になった。この国は世界一、心が狭い民族の国なのだから、他人に好かれるわけがないのだから人間関係なんぞどうでもいい。
リーダーシップとフォロワーシップ
自分の得意分野ではリーダーシップを発揮し、フォローする立場になったら勇気を持って発言するのがフォロワーシップ。日本はリーダーシップに目をつけがちだが、実際に必要なのはフォロワーシップなのだと分かった。他人の実力をフルに発揮できるように振る舞う能力。宇宙に限らず、人生において最も大事な能力。ただし、リーダーシップとフォロワーシップは両輪でどちらかだけでは機能しないのも分かった。
チームを盛り上げるユーモア
このスキルは私が最も欠けているスキルかもしれない。これも鍛えていきたい。安易な女ネタや下ネタを使わないで、どのようにユーモアを身につけるのか。難しい。
危機を乗り越える力
実現不可能な課題を与えられても、最後まで冷静に諦めないで実行できるか。これも大事なスキル。諦める、捨てる決断も大事なのだ。極限ストレスでも危機を乗り越える能力。ピンチの時こそ人間は本質を表す。思えば、「火星の人」も「プロジェクトヘイルメアリー」の主人公も最後まで諦めない「ライトスタッフ」の持ち主だった。
この本には、人間の能力を正しく見抜くための指標が揃っている。ライトスタッフこそ、人類が目指す指標なのだと思った。大事なことを見失いそうになった時に読み返したい。 -
読み進めながら昔NHKスペシャルで見たのを思い出した。
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宇宙飛行士の資質に興味があり、読んだ。結局、人間性なのだということ。我が身を省みなければならない。
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2021年募集の宇宙飛行士の選抜が2次に進んだというニュースを聞いて、興味を惹かれて読みました。
厳しい選抜を耐え、選ばれた10人。
それぞれ優秀なキャリアがあり、歩んだ人生も様々な人々がどの様に最終選抜に挑むのか。
最終選抜に残る優秀な人でも、躓くストレス環境。
NASAでつきつけられる宇宙飛行士の現実。
緊迫のドキュメンタリーでした。
結果は2022年時点で分かるのですが、敢えて記憶を封じて読みました。
今回の選抜はどんな人が選ばれるのか、楽しみになりました。 -
宇宙兄弟が好きで読んでいました。
本書のタイトルを見たときどのような試験が行われたのか是非見てみたい。と思い手に取りました。
その道のプロフェッショナルが集まった宇宙飛行士選抜試験。想像を絶する精神状態の中に置かれるとどのような立ち居振る舞い、行動をするのかというところが興味深かったです。
本試験で宇宙飛行士となられたお三方がその後宇宙に行ったニュースを調べて何とも言えぬ感動に包まれました。
ともすると反対もされかねない宇宙開発事業。それらに真摯に取り組み、行動されている方々のドキュメントはとても面白かったです。自分も様々な覚悟を持って仕事に取り組まなければいけないなと思いました。 -
宇宙飛行士は頭脳明晰、かつ性格的欠陥が無いことが絶対条件であることは自明で子供のころから知っていた。
それが具体的にどういった人なのか具体的に紹介してくれているのが本書で、読み終えた後、欠陥だらけな私にとっての人生とビジネスの教科書となりえる一冊となった。
宇宙飛行士に必要な能力は、基礎学力、語学力、論理的思考力、緻密力は当たり前で、土壇場に追い込まれた時如何に建設的かつ最大限にパフォーマンスを発揮できる”底力”、常に陽気で明るくかつ優しく、メンバーの気持ちを和ませたり高めることができる”人間力”が必要で、加えて宇宙飛行士に対する情熱、死と隣り合わせの宇宙に自分の命と家族を巻き込む勇気と覚悟も必要で、本当に選ばれし人なんだなあと実感した。
宇宙飛行士は人間力が徹底的に評価されるところが何といっても面白く、好感が持てる!
仕事やプライベートでの色々な状況で、少しでも怒ったり、ボヤいたり、落ち込んだり、ネガティブに考えるような器の小さな人間や性格的にヤな奴がことごとく不合格になる誤魔化しの利かない試験だから本当に面白くスッキリである!
候補者の経歴は「進学校」「東大」「一流企業」「医者」といった俗に言うエリートがやたら多く、そういった方々と疎遠な私は彼らに身近な馴染みや親しみをあまり持つことができなかったりするのだが、本に紹介されている最終候補者は流石に寄りすぐりの面々で、候補者全員に人間的な魅力と親しみを感じることができた。
また、試験内容は想像通りとても厳しいもので、JAXAサイドの選抜に対する本気度に凄みを感じた。
選抜テストで描かれたドラマの要所要所は、特にビジネスで本当に模範にしたい内容ばかりで、困難にぶつかったら、悩み考える前に本書の内容を思い返さないとって思った。