ローマ帝国愚帝物語 (新人物文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • ローマ帝国において、一般に「愚帝」と評される皇帝6人を取り上げ、彼らが愚帝と評された所以を様々な史料をもとに論じつつ、これらの暴君がいながら、なぜローマ帝国が維持されてきたのかという命題に答えている本です。


    皇帝の悪業を安直にまとめるのではなく、民衆、元老院、近衛隊(軍隊)などとの関係性を一つの軸として考え、ローマ帝国の社会背景なども解説しています。

    短時間でササッと読もうかなと思っていたのですが、勉強になる部分も多くて、思いの外、読破に時間がかかってしまいました…

    ローマ帝国に関して書かれた本は、ある程度の予備知識がないと読破が難しいイメージがあるのですが、本書は高校世界史で出てきた用語が分かれば恐らく読み進められると思います。

    本書の締めくくりは『本書の主役を務めた愚帝六名とは、上層民にとっての愚帝であった』という言葉ですが、愚帝が必ずしも民衆にとっての「愚帝」であったというわけではなかったことがよく分かりました。

  • 建国以来、強大さと豊かさで栄華を誇り続けたローマ帝国。だが長い歴史を築き上げた皇帝達の中には、賢帝と同じくらい強烈な愚帝も数多く存在した。出色といえる6人の馬鹿皇帝にスポットを当てた文学書。

    ローマ帝国ものはほぼ高校の世界史以来。当時もその辺りは好きだったが、今回読んでみて、面白さを再確認した。これからいよいよ愚帝らの残虐さに迫ってみよう、てな記述にわくわくしてしまうあたり、私は本当に悪趣味なのだ。で、やはり期待の斜め上をかっ飛ぶ愚帝っぷりが凄い。悲惨な最期を遂げ、死して後も公敵と扱われても、これだけ好き勝手やったんだからいいじゃん、と言いたくなる。本人達にしてみれば好き勝手に際限なしなのだろうが、何だってものには限度ってのがあるのだ。最早そういう問題ですらない気もするが。ローマものといえば思い出すのが、澁澤龍彦の『陽物神譚』で、風邪引いて寝てた時にこれを読んでしまって更に具合が悪くなった。私が認識するローマ帝国は何だかいつも悪趣味。
    ※調べたら変態揃いの馬鹿皇帝の中でも№1、Top of ド変態エラガバルスがモデルらしい。道理で。やべえすげえ読みたくなってきた。

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著者プロフィール

2016年12月現在 東京都市大学共通教育部教授、共通教育部長。

「2016年 『古代ローマの帝国官僚と行政』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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