城 [Kindle]

  • 2012年10月5日発売
3.24
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感想・レビュー・書評

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  • 3度目の挑戦で読了。通算1000ページ以上読んでしまったが今は誇らしい気分。挫折の原因は堂々巡りと、散々説明されるんだけれど、K同様に町の常識が頭に入ってこないこと。これが文学だ!と言われても私には味わえなかったでいいや。今と時代が違うのもあるが、Kはなぜ城を去ろうとしないのか、なぜ他の場所で仕事を求めないのかと思ってしまう。手に職があるのなら用務員などせず自分を必要としてくれる場所を求めて去れと言いたい。でも簡単に行動できない現実も知っている。だからこそ、この堂々巡りがチクチクと針のように自分の心に刺さるのかもしれない。終わってホッとしてる。

  • [第十六章以降]
     読了。すごい、初めて最後まで読めきれたかもしれない。とはいえ、元もと未完の話だけれども。第二十章が殊に面白くて、どんどん読み進めたところで、終わってしまった。ああ、終わったのだなぁ、と。

    --

    [第十一章-第十五章]
     完全に荒唐無稽でシュールなコメディというふうにはもう考えられないなと思いながら読み進める。断片断片に、ああ、と思ってしまうところがあって、読み方としてよいのかどうかはわからないのだけど、気持ちが塞ぎながらも微妙に納得感があって、困ってしまう。そうはいえども、がつがつ読めてしまうのだけど。

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    [第六章-第十章]
     おかみが口にする言葉が、こんなん言う人いてへんやろ、と思えなくて、言葉尻こそ違え、こういう人いるしこういう対応もある、と思えてしまうのは、悪いことなのかどうなのか。翻弄される K。傍から見ているといっそコミカルでさえあるんだけど、本人が感じているだろうどうしようもなさは、本当にどうしようもない。

    --

    [第五章まで]
     困ったことに、役所をめぐるゴタゴタがほんの少しもコミカルにもシュールにも読めず、現実をそのまま引き写した非常に苛々した犯罪と近接するものと読めてしまう。こういう類の話を面白く読むためには、現実は、たとえそれが幾ばくかは幻想であるとしても、少なくとも表面上は確固としたものとして存在しなければならないと感じ入った。フィクションをフィクションとして楽しめなくなっている現状を恨む。

  • カフカは変身以来でした。

    今回は長編小説なのと未完であることから、気合を入れて読んだがかなり辛い。

    ストーリーは主人公Kは測量技士として城から雇われたはずだったが、いざ領土に行ってもそんな話はない、測量技士は必要ない、住人からも嫌な目で見られて、およそ歓迎されない。
    宿舎で出会ったフリーダに結婚を申し込み、城の人物であるクラムに会うため、測量技士ではなく学校の小使として働き口を決める。
    Kはクラムに会うため跋扈するが、フリーダはKの手伝いと駆け落ちしてしまう。

    Kは城に辿り着けず、クラムに会うこともできず物語は幕を閉じる。

    率直な感想は、周りくどい、話が進まない、Kに対して否定することで城の神格化がみてとれるが、その実は薄っぺらく気が散る。

    ーまるで子供がテーブルクロスを引っ張っぱるが、何も手に入らないで、ただ上に乗っている見事な品物を全部落としてしまい、永久に手に入らなくしてしまうようなものなのだ。ー  二十章より

    僕は城を読んだが、その読む力が足りず、見事な品物を全部落としてしまい、粉々になった皿や食べ物を見つめているような気分でした。

  • 長くて辿り着けなくて未完。Kの理屈っぽさと右往左往っぷりが面白い。
    とある人が好きだと言っていたので読んだけど、途中でだれてしまってそんな自分に悲しみ。

  • すっごい長いです!それに未完。

    測量技師として呼ばれた主人公のKくんが城に向かおうとするも、
    方々を駆け巡りまわされけっきょく城にはたどり着けない…という有名な話ですね。

    読む前は暗くてじめじめした話だと思っていました。
    たしかにそう読める箇所もあるのですが、
    主人公のKくんはあんまり落ち込んだりしないタイプなので
    彼が動いたり話してたりしてる部分は楽しく読めます。

    個人的には終盤のある女性キャラクターの独白がキツかったです。長いよ!
    たぶん『罪と罰』序盤のお母さんからの手紙ぐらい、、、あれより長かったかもしれません。
    しかも、未完の小説なのでその独白が後に生きてくるわけでもないという…

    読後は何でこれの評価が高いのか分からなくなりました。
    みんなほんとに読んでるんですかねぇ(懐疑)

  • 概ね人が想像するストーリーを粉砕するセンス

  • 済み
    Kindle

  • 鬼のように長い。
    しかもここまで読んだのに、未完…だと…!?(※読み始めてから知りました)


    内容的にはお役所仕事へのあてつけ?のような印象を受けました。途中の城の中の描写はエンデの『鏡の中の鏡』のような感じ。

  • 主人公が本来の目的を忘れ、城を取り巻く日常的な生活におぼれていく様を通じ、自己の目標は他者からの強制的な命題によっていとも簡単に崩れてしまうかのように思えた。正直なところ彼をとりまく生活の一つ一つが、必ずしもこの小説を形作る重要事項にはなっていない気がし、それがこの小説に冗長さや「城」への道のりの遠さをほのめかしているように思えた。

  • 自分の立ち位置の確認に駆けずり回るのが、
    生きるという事なのかもしれない。

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著者プロフィール

1883年プラハ生まれのユダヤ人。カフカとはチェコ語でカラスの意味。生涯を一役人としてすごし、一部を除きその作品は死後発表された。1924年没。

「2022年 『変身』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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