ブラック・スワン [DVD]

監督 : ダーレン・アロノフスキー 
出演 : ナタリー・ポートマン  ヴァンサン・カッセル  ミラ・クニス  バーバラ・ハーシー  ウィノナ・ライダー 
  • 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
3.62
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本棚登録 : 1323
感想 : 168
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988142923820

感想・レビュー・書評

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  • ナタリー・ポートマンのことは『レオン』の時から好きだったけど、すごい役者さんだと再確認。
    白鳥を演じるには最高の、繊細で儚くて張り詰めたバレリーナのニナ。しかし、抑圧された彼女に奔放な黒鳥は演じられない。声ひとつ、動きひとつから浮き彫りになる彼女の性格や生い立ちは、ナタリー・ポートマンという見知った役者を感じさせない。
    そして、ニナが大役や過干渉な母親のプレッシャーに追い詰められ、現実が見えなくなっていく様は、おそろしいというよりは痛ましかった。
    もうひとり。ドラマ『ワンス・アポン・ア・タイム』でも見事な毒親を演じた母親役のバーバラ・ハーシーもまた、はまり役だった。毒親でありながら、娘の危機を察知する勘の良さもあり、彼女がふっとゆるんだ笑みを浮かべると、思わずほだされてしまうのだが、まさにそれこそが娘を追い詰める母親のこわさを物語っているようで胸が痛んだ。
    クラシックバレエをやめた身としては、「踊れなくなったらどうしよう」「あの役がほしい」「先生は私を認めてくれているだろうか」といった重い負の感情が我がごとのように感じられ、それに引っ張られて、負の感情の上に作られた美しい芸術であるバレエにさらに魅入られた。踊りを知らない人が、踊りに対する切迫感を私ほど感じるものかはわからないが、完璧への切望、母への反抗、ライバルへの疑心暗鬼、師への淡い恋心ともつかない憧憬といった主人公の感情が浮かんでは沈む様に、ただただ息をのむしかなかったのは私だけではないだろう。

  • 映画の もつよさを 充分に発揮する。
    現実と仮想の間を揺れ動くニーナの感覚を
    映像で、うまく編集する。

    白鳥の湖のプリマドンナに指名された
    ニーナの物語。
    プリマドンナのプレッシャーによる不安。
    母親の期待。
    まわりから、マクラ営業と疑われる。
    リリーと言う強力なライバルへの怯え。
    そして、何よりも 白鳥と黒鳥を演じるには
    基本に忠実で正確に踊ろうとするニーナには
    何かがたらないのだった。

    それは、練習の問題ではなくニンゲンの広がり
    清らかなものと汚れたものを呑み込むニンゲンの度量。
    要するに、一皮むけなくてはいけなかった。

    ニーナに必要なのは、
    自分の中にある自分との戦いを避けないことだった。
    それが 一体どんなことかがよくわからなかった。

    さまざまな経験をえて、ついに初舞台。
    緊張のあまり 失敗するが、
    その後、ひとつの衝撃的なことが起こり、
    ブラックスワンを 演じきる。
    確かに、鬼気迫るバレエ。
    ニーナは 白鳥から黒鳥に変身した。
    万雷の拍手が。

    おそろしい映画だった。

    • 小枝さん
      ポートマンは昔バレエを習っていたことがあると、何かの記事で目にした記憶があります。バレエ界の一部の方々からは、本作品のポートマンのバレエのス...
      ポートマンは昔バレエを習っていたことがあると、何かの記事で目にした記憶があります。バレエ界の一部の方々からは、本作品のポートマンのバレエのスキルに酷評が有ったとか…

      何れにしましてもこの作品は私の中では『レオン』と並び、ポートマンを語るに在っては欠くことの出来ない作品としてあげられます。


      2016/02/08
  • BLACK SWAN
    2010年 アメリカ
    監督:ダーレン・アロノフスキー
    出演:ナタリー・ポートマン/ヴァンサン・カッセル/ミラ・クニス

    なかなかのサイコホラーでした。日本でバレエものというと、幼少時に刷り込まれた少女マンガやドラマにありがちな「トゥシューズに画鋲が!」みたいなライバルからの嫌がらせに負けないヒロインという王道パターンを想像しますが、これもてっきりそういうのの延長だと思っていたら、予想に反してとんでもないホラーだったという(苦笑)。

    優等生の殻を破ろうと(そして母親の支配から逃れようと)するあまり、狂気に陥ってゆくヒロイン・ ナタリーポートマンの鬼気迫る演技は、さすがのオスカーもの。お母さんもなんか怖かった。ケーキ捨てようとするシーンとか。

    ヒロインの狂気は、現実ではなく妄想(幻覚)だろうなと最初から予想はつくのですが、その救いのなさが、わかっていても怖い。ウィノナライダーが先輩プリマ役で出てたようなのですが、クレジット見るまで全くウィノナと気づかなかったことにもビックリ(苦笑)。ラストは、ハッピーエンドと解釈できなくもないカタルシスがあり、なるほどこれは面白い、と思わされる作品でした。
    (2011.11.21)

  • 『PERFECT BLUE』を観たのでこちらも観ました。
    面白かったです。
    白鳥の湖の主役に抜擢されたニナが、黒鳥の踊りをものにするために闇落ちしていく…ニナ役のナタリー・ポートマンに圧倒されました。
    どれが現実でどれが妄想かわからなくなるのは怖いです…しかし先にPERFECT BLUEを観ているので、思いの外似ていました。今敏監督すごい。
    黒鳥のシーンすごかった…踊っているうちに腕が翼になっていくところが素敵でした。
    終わり方も好きです。ニナはあれからどうなったのか、考えてしまいます。

  • いつか、TV放送を録画し、観忘れていたもの。
     当時、話題になっていたので気になっていました。タイトルから考えても、私の好みでないことは間違いない。
     
     役を得たプレッシャーから精神が病んでいく主人公を、ナタリー・ポートマンが怪演しています。引き込まれた。
     バレイも、白鳥の湖も全く興味がないですが、この映画。「面白かったかどうか?」と聞かれれば、「面白かった。」と答えるでしょう。

  • いやぁ〜キツかった。何がって、母親ですよ。

    お前を妊娠したからバレエを諦めた、というセリフ。私も母に同じことを言われたことがある。

    自分が諦めた道を進む娘にプレッシャーをかけながらも、娘が成功をつかもうとすると、とたんにブレーキをかける。ニナの母親がまさにこれ。プリマに抜擢されたと電話で報告をした時、一瞬電話口の向こうで母親が固まったのがその証拠。

    「官能」「妖艶」「奔放」
    ブラックスワンに要求されるすべての要素を、母親とのある意味優等生的な生活の中で封印していたニナ。

    極限状態まで追いつめられたニナが、行きずりの男やぶっ飛んだ同僚や薬物の力を借りて、自分の中のブラックスワンを解き放つ過程が見事。

    つまり、母親からの自立。

    背中の掻き傷は、プリマになる前からあった。
    トイレで何回も吐いたり、指の爪をはがし傷つけたり。
    無意識にニナがしているそれらの行動は、すべて母親への無言の抗議の表れ。

    ラストは、自分の中の欲望を解き放ち、完璧なダンスを踊り終えたニナの満ち足りた表情に心が痛んだ。

    死という犠牲を払わなければ、母親の呪縛から解き放てなかったのか、と。

    ナタリー・ポートマンが美しすぎる。

  • 不安定な精神のバレリーナを演じきったナタリー・ポートマンすごい!

  • レクイエム・フォー・ドリームのダーレン・アノフスキー監督の作品。主人公ニナの心理描写が上手に表されていると思う。
    どんなに純粋無垢な人でもその心の中にはちゃんと負の側面を持っていることを表現していると思う。
    また、母親からの抑圧がこのニナの悲劇の始まりなんじゃないかなーと思ったり

  • こんな五感に訴える映画は。。。

    最後目覚める黒鳥のシーンがやっぱり何回思い出してもすごい。
    美しい、やっぱりどこのシーンのニナより。
    ジェラシーそしてコンプレックスに
    囲われてもなお”it's my turn"を
    続けていくには弱かったのだろうか。

    リリーの快活具合もすごい。
    対比しても、あの自由な動き、やっぱり美しい。

  • 小2の娘と観るDVDではなかった・・・
    反省です。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「反省です。 」
      子どもの頃、親とTVで映画を見た時に、キスシーンがあるだけで、目の遣り場に困ったのを思い出します。。。
      劇場公開時は、R1...
      「反省です。 」
      子どもの頃、親とTVで映画を見た時に、キスシーンがあるだけで、目の遣り場に困ったのを思い出します。。。
      劇場公開時は、R18だったと思いますが、DVDには、そういう表示は無いのかなぁ、、、
      2013/03/15
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