O嬢の物語 (角川文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 帰ってきてから、何か話がゴチャゴチャしててあまり理解できないまま読み終わってしまった。とは言え、もう一回読み直して登場人物などを整理したい気にもならなかった。

  • 若い女性が恋人に導かれて性奴隷となっていく。捕らわれの境遇とはいえ、自分の意思でその位置に留まるO。ステファン卿の完全な支配に至福の喜びを感じるようになったOは、最後には人間性のないオブジェのようにすら扱われる。

    エッチな小説の古典の位置にある作品。1954年にして衝撃的な内容だ。ただし、性行為のシーンや鞭打ちシーンなどを多く含むものの、高度に抽象化されて生々しい描写はない。この物語の主眼はOの心理に迫り、変化の様子を詳しく描くことにある。相手の男性や他の女性たちの心理もうかがわれ、複雑な関係の機微が見事にあらわれている。

    古風なドレスや家具の描写など、女性らしいフェチぶりが風俗小説らしいと思うけれど、全体として心理を描いた深い文学だと思う。

  • ひとりの女性が愛する男の手によって奴隷に貶められ、最終的には人間性を失って道具となっていく物語。ただ、意外にも露骨な性描写は少なく、どちらかというと自由を奪われていくO嬢の視点から、むしろ自由を奪われていくことにより充足感を得ていく心理的描写が文章の大部分を占める。語り部であるO嬢が特殊な性癖の持ち主だと考えれば単純ではあるが、むしろ「なにをしてもいい」という自由が人間を生きづらくさせる要因なのかもしれないということを考えさせなくもないが、たぶんそれは深読みのし過ぎ。

  • 官能小説とは一線を画する文学作品。一人の女性が調教され身も心も奴隷化していく話。服のパーツの描写などが非常に詳細、性描写も独特で一読の価値あり。後半出てくる女キャラが不要と感じた。

  • (1977.01.22読了)(1973.10.07購入)
    内容紹介
    フランスの前衛的な文学賞「ドゥー・マゴ賞」を受賞した本作品は、古くてしかも新しい、人間性の奥底に潜む非合理な衝動をえぐり出した、真に恐るべき恋愛小説の傑作である。女主人公Oは恋人ルネに導かれ、自由を放棄し、男たちに強いられた屈従と涙と拷問のさなかで訓練を積み、奴隷の境遇を受けいれ、ついには晴れやかな精神状態に達するという、それはある女の情熱的な愛の告白であり、フランス伝統文学を受けつぎながら、新しい文学を目指した真の名作と言って過言ではあるまい。

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