いつか、虹の向こうへ (角川文庫) [Kindle]

著者 :
  • KADOKAWA
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感想・レビュー・書評

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  • 横溝正史大賞受賞のミステリー。伊岡瞬さんのデビュー作。

    元刑事の家に居候が何人もいて和気藹々とした雰囲気が良い。でもその後はずっと暴力シーンがある。
    思ってたよりも、意外性はなく、スタンダードなハードボイルド。
    目新しさは無い。でも、一気読みしちゃう。

  • 元刑事の尾木は、知り合いの女性に嵌められた上、逆上したその彼氏に襲われ、揉み合っているうちに誤って殺してしまった前科もの。障害児の一粒種が亡くなり、夫婦仲が冷すっかりえきった中での出来事だった。懲役刑が確定し、服役中に離婚、そして慰謝料を支払うため持ち家を売却中。とまあ、この世にもはや何の希望も未練もない悲惨な転落人生だ。これだけでも、気の滅入るような設定だが、そんな尾木に、次々と災難が降りかかる。

    泥酔した尾木は、チンピラに絡まれ、若い女性に助けられたが、その娘が尾木の家にトラブルを持ち込んだのだった。

    テンポがよく、悲惨なエピソードも比較的ドライに描かれていたので、面白く読めた。

    私立探偵沢崎(原寮作品)を彷彿とさせるハードボイルド・ミステリーだった。主人公の痛めつけられ加減が結構似てるよなあ。

  • 面白くて夜更かししてしまった。
    ハードボイルドで、みんな充分に不幸な境遇だったりするんだが、主人公の語りに悲壮感が少なくて重苦しさを感じなかったし、読みやすかった。根が良い人が多いのが良い。虹を渡る日よりも、またみんなが集まれる日が来ることを願ってしまう。

  • 犯人が最後までわからず展開も読めず最後までワクワク楽しめる作品だった!

  • いい作家に出会ってうれしい。
    色んな作品を読んでみたいと思わせてくれる。

  • 他人と暮らせるのだろうか?
    困っている人を放っておけない、というのは素晴らしいと思うけど誰もがいい人というわけではないしね〜。

  • 人には図らずして不幸が降りかかるものだと改めて思った。
    主人公は警察をやめて警備員になった中年男。奇妙な縁で知り合った同居人が3人いる。ひょんなことからやくざに脅されて探偵のまねごとをするはめになった。
    タイトルにも使われている「虹」というキーワードがあるが、話の中で「虹」にまつわる童話が語られる。多かれ少なかれみんな不幸を抱いて生きているが、ほんのすこしの希望をもって前に進めればと思った。

  • 元刑事、別れた妻、理不尽な暴力、ヤクザなど、ハードボイルドの定番ガジェットでありながら、目が離せなくなる物語。この作家の小説はどれもジェットコースターノベルです!

  • 重たい過去を持った人が多くて、ちょっと気が滅入る。

  • 最後の最後にタイトルの意味も分かる。とても面白かった。これはとにかく読んでほしい。

  • 今まで読んでいた作品ものとは少し作風が違っていて
    いかにもハードボイルド小説といった雰囲気がたっぷりで、
    元刑事、元妻、暴力、ヤクザ、裏の闇の社会などが
    織り込まれていた作品でした。

    これがデビュー作という程の重厚さのあるハードボイルドでしたが、
    思ったよりもすんなりと解けてしまったたラストへの展開でしたが、最後まで緊迫感が抜けなかったです。

    タイトルにある「虹」に関しては所々に出てきますが、
    この意味が分かるととても切なく、悲しくて、
    ずっとこの思いに駆られながら元刑事の尾木は
    過去を背負い生きていくのだなと思うと辛かったです。
    それと同時に一緒に同居していた人達のそれぞれの過去も重く辛かったです。
    そんな人達だったからこそ表では知らない顔をしながら
    普通にして生きていくことで前に向いていけることも
    あるのだなとも思いました。

    解説にもあったように、
    この作品に引きつづき「145gの孤独」も同じくハードボイルドタッチの
    作風で更に面白みが増しているようなので、
    機会があったら読んでみたいと思いました。

    この作品を読んだことで今までと違った伊岡さんの作風を味わうことが出来たのでまだ読んでいない方には
    お勧めな作品です。

  • 魔が刺す感覚の描写がすごく腑に落ちた。

  • 乗れなかった

  • 居候、ジュンペイ、虹を渡る

  • 伊岡さんの本を読んでまだこれで5冊目ですが、一番面白いと感じました。

    元刑事が主人公なので、いつものような刑事もののような展開がありますが、今回のメインはそれよりも奇妙な同居生活における人間関係です。

    家族ではなく、友達といってもいいかどうかよくわからない関係ですが、互いに信頼をおいていることが良くわかる人間関係に心がひかれます。

    事件の真相は少し無理があるんじゃないかとは思いましたが、あまりそこは話としては本筋ではないと思います。

    主人公の生き方と人間関係を楽しむ作品だと思います。

  • タイトルからほのぼの人情系かと思って読んでいたら、ハードボイルトだった。しかもミステリー。なかなか良い物語でした。

  • 美しい題名ですが、ヤクザの甥っ子を殺した真犯人を探さないと自分が殺されちゃうかもしれない元刑事と様々な闇というハードボイルド。でもどことなくライトで読みやすく、最後までハラハラ楽しめました。

  • 映像がバリバリ浮かんで来た。ドラマで観たいな。
    恭子さん 悲しすぎる。でも、明るい未来が待ってるから!

  • 後半以降、一気に面白くなる。

  •  いい大人達が同居、ああ疑似家族?なんて思っていたけど違いました。それぞれに傷ついた人を拾ってしまう主人公。自分の人生は捨て鉢になっているのに、同居人を思いやり自分の身が危ない事に。それでも過去に家族と向き合えなかった自分を悔み、今度は逃げまいとする。前向きに生きていこうと思えます。

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著者プロフィール

1960年東京都生まれ。2005年『いつか、虹の向こうへ』(『約束』を改題)で、第25回「横溝正史ミステリ大賞」と「テレビ東京賞」をW受賞し、作家デビュー。16年『代償』で「啓文堂書店文庫大賞」を受賞し、50万部超えのベストセラーとなった。19年『悪寒』で、またも「啓文堂書店文庫大賞」を受賞し、30万部超えのベストセラーとなる。その他著書に、『奔流の海』『仮面』『朽ちゆく庭』『白い闇の獣』『残像』等がある。

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