崩れる 結婚にまつわる八つの風景 (角川文庫) [Kindle]

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  • (Kindle Unlimited16冊目)

    結婚にまつわる8つの短編集
    それぞれそれなりにまとまった作品。とてもよくできてるとはいいがたいが、あとがきにもあるように筆者もトライアルで積み重ねてきた作品群。時間のあるときに読んでみてはいかがでしょうか、くらいですかね。

    【崩れる】
    画家崩れでイラストレーターの夫と、息子と県営住宅に暮らす金子芳恵は、経済的ヒエラルキーが同じと思っていた同級生の光子が持ち家を購入したことを自慢される。
    銀行に就職した息子が二か月でニートになってしまい、工場のラインでパートを続けていた芳恵は静かにキレてしまう。
    →子育ては大変。なんでパートだったんだろう、フルタイムで働けばよかったのに。あと自分なら我慢しないですね、夫に文句言います。

    【怯える】
    身重の妻と暮らす中西哲治に、昔付き合っていた年上の彼女から電話がくる。気性の激しさから分かれた彼女から何度も電話がかかってくるようになり、怯えて過ごしていたが、仕掛けていたのは実は・・・。
    →これよくわかんない。こんなまどろっこしいことしないで追い詰めるかなー女性は。

    【憑かれる】
    倉田聖美は高校の同級生だった及川真砂子から結婚報告の電話を受けとる。相手は、当時聖美が付き合っていた神原篤だった。二人の結婚祝いの夕食に誘われて店へ出かけるが、暗い印象の二人に違和感を覚える。帰宅した後ニュースで飛行機事故の被害者の名前に二人が載っていた。
    →これ、話をした後なのか前なのか微妙にわからない。前振りが長い。

    【追われる】
    松山千秋はもてない男性を教育する仕事をしている。ある日客の片桐晴彦に思いを寄せられストーカーされる。半ば冤罪で片桐がつかまった後、平和な通勤路になるかと思ったが・・・。
    →あとがきにも書かれているけど「ストーカー」が一般的に認知される前に書かれた作品。まあ、普通の会社なら、スタッフである千秋を会社が保護するルールがあると思う。こういう仕事してたら、並み以上の女性は狙われるにきまってます。

    【壊れる】
    安永道春は、妻の珠恵との生活に倦みつつも、田丸今日子と不倫しながら暮らしている。ある日珠恵が交通事故を起こし、その相手は自分の上司だった。立場を利用して安く示談にしようとする上司の不倫を暴露し、左遷に追いやるが・・・。
    →いやこれ、自分に返ってくると思わんかったんかい、っていう。

    【誘われる】
    長谷川杏子はママ友をもとめて、同じく新聞の投書で募集していた坂井みどりに会い、交流を深める。しかしみどりが家に来た日に現金が消えたり、娘がケガを負わされて・・・。
    →なんとなく筋は読めますね。倒錯物。しっかし、題材が昭和だ。

    【腐れる】
    ある日亮子はベランダで異臭を感じる。
    夫の惟文に、隣の部屋からではないかと訴えてが、妊娠が発覚し、初期症状が原因だろうということと、姿を消していたように見えた隣の子供は、預けられていただけで元気に帰ってきた。しかし最近見かけないのは隣の子供だけではなく・・・・。
    →オチはあるあるですね。臭いって個人で感じ方違うから難しいよね。死臭は明らかにわかるらしいけど・・・。

    【見られる】
    未奈子は留守電が嫌いで手放すが、それ以来いたずら電話がかかるようになり、留守電で居留守を使うこともできず、携帯にもかかるようになり追い詰められていく。
    →これも時代を感じるネタですね。オチもあるある。

  • 人の闇を書けるってすこい

  • 面白かったけど、かなりのイヤミス。個人的には爽やかな読後感がある物が好き。

  • 貫井敏郎作品初読。koboの角川本70%OFFがなかったら選んでない作品(笑)
    現代社会でストレスにさらされたらこんな風になる人もいるだろうなといった感じ。遠くで話に聞くだけなら良いけど、実際に当事者になると怖いです。。。

  • Kindleで購入した本ですが、またしても短時間読み、すぐに読めてしまいました。




    結婚生活を題材に8つのショートストーリーが入っているわけですが

    概ね“怖い”、けっこう後腐れがある内容が多くて引きずります。




    特に衝撃を受けたのは、やっぱり題名にもなっている「崩れる」




    平和な家庭が、小さなストレスの積み重ねによって一気に壊れる様は




    決して非現実的なことではなく、新聞のニュース欄で見かけても




    おかしくないような内容だと思いました。




    自分の心に問いかけたくなる場面が多々ありました。

著者プロフィール

1968年、東京都生まれ。早稲田大学商学部卒。93年、第4回鮎川哲也賞の最終候補となった『慟哭』でデビュー。2010年『乱反射』で第63回日本推理作家協会賞受賞、『後悔と真実の色』で第23回山本周五郎賞受賞。「症候群」シリーズ、『プリズム』『愚行録』『微笑む人』『宿命と真実の炎』『罪と祈り』『悪の芽』『邯鄲の島遥かなり(上)(中)(下)』『紙の梟 ハーシュソサエティ』『追憶のかけら 現代語版』など多数の著書がある。

「2022年 『罪と祈り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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