<あの頃映画> 砂の器 デジタルリマスター版 [DVD]

監督 : 野村芳太郎 
出演 : 丹波哲郎  加藤剛  森田健作  島田陽子 
  • SHOCHIKU Co.,Ltd.(SH)(D) (2013年1月29日発売)
3.92
  • (31)
  • (34)
  • (25)
  • (4)
  • (2)
本棚登録 : 178
感想 : 39
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988105065970

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 2022/03/07
    ちゃんと最後の方まで観てよかった

  • 昔見て感動した映画なのですが、殺人の動機がどうにもすっきりこなくて、もやもやしてしまった映画でもあります。

    本日、アマプラで再度見返したのですが、ちょうどネットで映画・音楽評論家の西村雄一郎氏の解釈を読んで、おおっとなりましたので↓引用です。

    「和賀は、自分の暗い過去を思い出し、頭で抱くイメージの中で父に会っていた。そのイメージを大切にし、芸術的に昇華させて、『宿命』という作品を作っていた。ところが、その重要な創作の中途で、生きている父に会わされそうな立場に落とされたのだ。会えば、そのイメージは崩壊し、今まで構築してきた芸術作品は一気に崩れてしまう」
    「自分は強引に父の前に引き立てられるに違いない。そう思った和賀は、被害者を殺さざるを得なかったのだ」


    この指摘は目に鱗でした。

    確かに、クリエイターという因果な人種にとって、矛盾・葛藤・屈折・満たされない思いが創造のエネルギー源であり、幸せは天敵…。

    戸籍を詐称し、独り生きてきた和賀は音楽しかなかった。だからすべてを音楽に求めた。
    父親に会いたくないはずがない。だから、今西が言うように、音楽の中で父親に会おうとしていた。

    それなのに、思いがけず、本物の父親に会う機会が巡ってきた。
    今あってしまえば、渇望は満たされ変貌してしまう。『父』と会えなくなってしまう。
    彼がずっと抱えてきた、父への思慕や世間への怒りや人生の苦しさや、生きることの遣る瀬無さ、切なさや…、そんな自分一人ではもう抱えきれないほど募った思いの塊を、音楽という形で昇華できるチャンスがなくなってしまう。
    これまで自分と父をつまはじきにしてきた世間に、自分を見せつけ、それを承認させることができる一世一代のチャンスでもあるのに。

    恩人である三木を殺し、一途に自分を愛してくれた女性と我が子を見殺しにし、死期の迫っている本物の父に会うよりも、作曲を優先しなければならなかった、この芸術家の非情な業…。

    そんな妄想をしながら、映画の冒頭で子供の頃の和賀が砂で器を作って遊んでいるシーンを思い起こすと、
    ああ、この水を満たすこともできず、そしてすぐに脆く崩れてしまう『砂の器』を作り続けることが、彼の宿命なのか…と思えてきて、、、
    そして、ふと、石を積んでも積んでも鬼に壊される、賽の河原の情景までもが何故か脳裏にオーバーラップしてきてぞくぞくっとなりました
    (余談ですが、法華経の「童子の戯れに沙[すな]を聚[あつ]めて仏塔を作る」って表現がもとになっているとか)。

    ……なんだか、普段寝転がりながら見ているけど、映画の創り手さんたちの闇も垣間見たような気になって、創り出す側とそれを受け取る側の温度差に背筋がぞっとなりました。
    ほんと、改めてすごい映画だなぁと思いました。

  • 社会派の重い映画である。

  • 「満たされぬもの」

    さて『砂の器』です
    もうそうとう昔の映画で、ほとんど忘れていたような作品だったのに
    一度も見たこともなかったし暗そうで何度かつまらなそうだな〜ってずっと思って遠のけていました
    でも
    『砂の器』
    このインパクトのあるタイトルは忘れることがなく気になっていたことも事実です
    やっと私にも作品の言わんとする意味や気持ちが分かる歳になったのかな
    どうやらあちら側から私に近づいてきたように思えてなりません
    私はかねがね、世の中の全てには「時期」がありその時期が来れば自然に出会えるのではないかと思うのです
    それは人だったり物だったり音楽や映画、言葉もそうだし音や匂いも、とにかく全てが何らかの出会いのように思えてなりません
    このサイトもそうだし私にくださる「いいね!」もそう感じさせるものです
    この映画との出会いは古いですが観賞したのは初めてで今とてもとても深く心に刺さってきました
    訳の分からないものに人は恐怖して遠のけ出来るだけ関わらぬようにしたいものです
    知らないのですからね
    コロナ禍で学んだことに「正しく知って怖がる」を学びました
    まずは噂やデマなどでなく正しく知る努力をしなければ世間に流されて右往左往するばかりで目指す方向が定まらず集団であらぬ方向へ流されてしまいますからね

    映画の話もしなければ
    丹波哲郎さんと言えば私には「007」のタイガー役くらいしか記憶にないのでとても新鮮でいい役者さんなのだな〜と
    森田健作さんは(笑わんでくださいよ)私の兄に驚くほどそっくりでぶったまげです(皆さんは確認不可能ですな)
    映画の話はこのくらいでいいですね
    『砂の器』いいタイトルです、何年も忘れずにやっと出会えた作品です。

  • 面白かった。親と子の宿命の話。現代版にリメイクして欲しい。

  • やっぱり、この無理やり涙腺をこじ開けてくるような演出は勘弁してほしい。ずるいよ(笑)何度みても加藤嘉に圧倒される。あの役、この人以外できんやろ(笑)作品てしては、粗くてどう贔屓目に見てもやっぱ駄作やな。無理ありすぎる。加藤剛の引き振りはコーラス大会の学級委員長並みの素人臭さで、新進気鋭の音楽家にはまるでみえん。流産で島田陽子が死ぬんは原作とは違う。原作は確か、低周波での他殺。どっちにしてもアホくさい。血糊のついたシャツ、電車からまくとかどんだけ電波やねん。。誤解を恐れず言えば、現在の知識、認識レベルから、過去の一般的通念を裁く態度はもの凄く嫌いだし、思い上がりだし、極めて危険ですらあると思う。当事者以外は特に。この映画にはそういう胡散臭がある。だいたい、そんなもの映画と関係無いしな。

  • 多分、あまり思うところがないことが「時代」なんだろうと思う。

  • 余計なシーンが多い。動機がいまいち共感できない。最後の宿命というのもなんだか伝わらない。音楽で感動させようとしているのか。また幼少期から音楽に触れていないのに急にピアニストになっているのもリアリティがない。

  • 最後の芥川也寸志の楽曲と映像に号泣してしまったが、前半は刑事役のトレンディー俳優っぽい方の棒演技が目立って気になって集中できなかった。一体誰なんだと調べたら、現在の千葉県知事と知って驚愕した。

  • 「砂の器」観る。このポスターが印象的で観ようと思った。松本清張原作。原作は「砂の城」らしい。原作タイトルの方が良い。オールスターキャスト。また、時代が私よりちょっと古いので、懐かしさもあった。ラスト泣ける。善意というものは時として残酷である。

全39件中 11 - 20件を表示
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×