三浦綾子 電子全集 塩狩峠 [Kindle]

著者 :
  • 小学館
4.32
  • (8)
  • (9)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 89
感想 : 8
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (391ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 新幹線に4時間乗るのをきっかけに、久しぶりに本格的な小説を。三浦綾子さんは初めてなので、まずは、北の大地が舞台のこの作品から。やっぱりたまには、こういう小説にじっくり向き合う時間も大切かな。

  • 昔、カーク・ダグラス主演の「スパルタカス」という映画があった。主人公が強い信念のもとはりつけにされてのラストシーンに衝撃をうけ、未だに忘れられない。
    こういうラストはやはりキリスト教的だとしみじみ感じるのだが、この作品もそうだ。
    と同時に若者が煩悩故苦しむのもまたキリスト教的とも言える。私が年をとったせいなのか、この唐突にも思える衝撃的なラストより、若者の生々しい苦悩のほうが印象に残った。

  • 筆者が敬虔なクリスチャンだったことも、この小説が「宗教色が強い」と言われるものだということも知らずに読み始めた。

    なんとなく、読んでいる人が多いし名作なんだろうなぁと。


    仏教の祖母の下で育ち、一緒に暮らしていなかったキリスト教の母を理解できず、
    だけど、大人になる過程でなぜかたくさんのキリスト教信者と出会いその教えを学んでいく主人公。

    わたしが信仰心が無いからだと思うけれど、
    この主人公が素晴らしい人物に成っていくのに、要所要所にキリスト教の教えを取り上げる必要は無かった気がする。

    聖書を読む人でなくても、自己犠牲の精神を持った、また自己犠牲の精神とは言わないまでも、人の為に尽くせる人はいるだろうし、
    それは宗教の問題ではないのではと思えた。


    ただ最後まで読んで、
    この主人公は実在した人物をモデルにしていて、実際に起こった事故を元にしていると知って、「それなら、その実在した人物と同じようにキリスト教信者でいいんだ」と納得した。

    この勇気ある行動をした人が、実際にキリスト教の信者で、聖書の教えに従っていたのなら、いつか聖書を読んでみたいと思った。
    主人公のように、もっと素直に迷い無く誰かの為に生きよう(死ねる)と思えるなら、読んでみたいと思った。

著者プロフィール

1922年4月、北海道旭川市生まれ。1959年、三浦光世と結婚。1964年、朝日新聞の1000万円懸賞小説に『氷点』で入選し作家活動に入る。その後も『塩狩峠』『道ありき』『泥流地帯』『母』『銃口』など数多くの小説、エッセイ等を発表した。1998年、旭川市に三浦綾子記念文学館が開館。1999年10月、逝去。

「2023年 『横書き・総ルビ 氷点(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

三浦綾子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×