どういうわけか過去の時代とチャンネルが通じちゃったという設定は「オーロラの彼方に」と通じるのですが、「オーロラ」の場合、つながった先は自分の親だったというハッピーな話。これに対して「黒電話」がつながった先はサイコパスな人だったという怖い怖い展開。
なぜ怖いかと言うと、向こうは主人公に介入できるけれども、こちらは相手の行動をどうやっても止めることができない。なぜなら相手の行動は「すでに起きた過去」だから。
もちろん、そこで細かいことを言い出せば矛盾もいっぱいありますよ。なにせタイム「パラドックス」ものなんですが、矛盾があって当然なのです。そこをごちゃごちゃ言う人はタイムパラドックスものなんか見ないほうがいいです。
ただ、この映画の場合、さすがの私もちょっとだけ不満が残りました。
(以下、盛大にネタバレ)
というのもサイコパスさんが過去の主人公を醜くしてしまうのですから、彼女の不幸な結婚そのものもなくなってしかるべき。だいたい、この旦那はそういう女性に執着しないと思うんだよね。どうせならばサイコパスおばさんに殺してもらってもよかったんじゃないかと思うんだけど、でも、エンディングの展開、これはこれでよいので許しちゃいます。