華竜の宮(上) (ハヤカワ文庫JA) [Kindle]

著者 :
  • 早川書房
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  • 何時かの未来、260mの海面上昇、遺伝子操作で適応した人類、もうSFてんこ盛り。楽しく読めた。著者は社会をよく研究していて、科学技術とその危うさがよく描かれていた。この先、どのように展開していくのかとても楽しみ。でも、その前に読むべき本が壁となる

  • 様変わりした地球という設定はぶっ飛んでいるが、緻密に書かれており説得力がある(魚舟の設定にはやや無理があるか?)。組織の方針に縛られながらも自分の信念と重ね合わせようとする主人公の姿勢に惹かれる。大きな仕組みを作ることで問題解決を図る点も良い。

  • いろんな要素が詰め込まれていて、読んでて飽きない
    それでいて世界観がしっかりしているから想像力を働かせやすい
    後半どんな景色がみられるか楽しみになる

    視点がころころ変わるので、いまいち登場人物に感情移入できないのがちょっと残念かも

  • オーシャンクロニクル・シリーズの一冊。魚舟が生まれた経緯から、その先に訪れる人類の危機まで、滔々と語られる。上巻なので、下巻につなげる世界観の整理が物語の中心となる。魚舟や獣舟といった異形のファンタジーのように思えるが、エージェントロボットなどいかにもなSF的ガジェットも登場するし、小松左京さんの日本沈没を彷彿とさせるパニック小説の体もなす。短編の魚舟・獣舟とは印象が異なり、バラエティーに富んだ世界観を構築している。下巻に続く。

  • 普段あまり手に取らない海洋ものの未来SF。

    かといって深海のモンスターや水没した古代文明やすごい潜水艦が出てくる冒険活劇ではなく、ストーリーは種族間の衝突を緩和するためにネゴシエーションに奔走する外交官が主人公。

    厳しくも自由な海上民の暮らしや、人と魚舟との深い絆の物語は、どちらかというとSFよりファンタジーに近い。
    この話の主体は残された陸地にすがりつく地上民ではなくて自然と共に生きることを選んだ海上民の方だった。


    汎アの強硬策、不穏なネジェス、青澄と恩師との過去、ツキソメの出自。
    謎がたくさん残っていて一気に下巻に突入した。

  • 「華竜の宮」(上田早夕里)を読んだ。まずは驚嘆!こんなにも骨太でハードな世界観とこんなにも泣きたくなるセンチメンタリズムの融合が可能だったなんて。細部まで手を抜かずにきっちりと書き込まれたストーリーに綻びはなく、最後まで静かに熱く滾る人類への想いは読む者の胸を打たずにはおかない。

  • 深紅の碑文を読んで、読み返したくなって文庫で再読。深紅の碑文の主要脇役たる海賊の父親がちゃんと登場していたとか、そもそものホットプルーム理論を述べた科学者と同じ姓の女性二人が自作に登場している(これは碑文でも登場人物の一人に指摘されながらも、生い立ちについてはスルーされたので、次作があれば何か繋がるエピソードがあるのだろう)など、わかって読めば楽しめるマニア的な楽しみがある。

  • 世界観に惹かれる。
    広い海原を魚舟が"朋"を乗せて、水平線を行く。イメージは鯨かな。
    生きていく大変さと厳しい環境とそれを壊した人間。
    ため息とともに読んだ。

  • 早くも今年の読了本No.1になりそぉ〜な予感!?

    海底上昇に伴う海面上昇で地球表面が一変した未来。
    限られた陸地と広大な海洋に適応すべく、従来の文明を引き継ぐ地上民と海洋生活に適用すべく改造を施された海上民。
    地球パニック小説と海洋SF、さらには厳しい自然に晒されながらも自然を受け入れ生活する海上民のファンタジー的な部分を併せ持つ本小説は、現代の人間と自然の共存と人間の業とのバランスの問題を鋭く追求している。

    上巻最後ではさらなる問題が定義され、再び同じ過ちを犯すのか?と下巻の展開をワクワクさせつつ終わるが、さてどうなることやら?

  • 洋画ウォーターワールドのような世界.

    陸上の民と遺伝子操作により海上へ追いやられた民.

    相争う二つの種族.人類滅亡の危機を前にして,

    業深き人類は,どこに向かっているのだろうか.

    次巻が楽しみです.

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著者プロフィール

兵庫県生まれ。2003年『火星ダーク・バラード』で第4回小松左京賞を受賞し、デビュー。11年『華竜の宮』で第32回日本SF大賞を受賞。18年『破滅の王』で第159回直木賞の候補となる。SF以外のジャンルも執筆し、幅広い創作活動を行っている。『魚舟・獣舟』『リリエンタールの末裔』『深紅の碑文』『薫香のカナピウム』『夢みる葦笛』『ヘーゼルの密書』『播磨国妖綺譚』など著書多数。

「2022年 『リラと戦禍の風』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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