韓非子 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典 (角川ソフィア文庫) [Kindle]
- KADOKAWA (2012年4月26日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (233ページ)
感想・レビュー・書評
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「現実はクソゲー」というネットミームはもう古いのかしら。でも、この本を読んでいるとこのネットミームが思い浮かぶ。
現実をクソゲーだと思うのは現代人に限らず、春秋戦国時代の中国でも同じだったらしい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【感想】
とにかくリアリズムを説きまくっている。現代でも使える考え方が多い。間違っていたとしても周りに合わせて言わない方が良いなど、一瞬???となるが現実世界を考えると納得の蘇生術的なことが体系化されている。ハウツー本の原典ではないかと感じる。
【私的ポイント】
・君主に物申す時は君主と自分の関係性を加味していうか言わないかを判断する
・君主に物申す時は君主の側近のものと自分の関係性を加味して判断する
▶︎自分の影響の輪を広げつつ、時がくるまではあまりグイグイ上に進言することは控える方が得策。満場一致になる状態をゆっくりでも作って動いていく。 -
優れたリーダーは皆非情である。優れたリーダーもダメダメなリーダーもほとんどいない、凡人こそご多数なので性善説仁礼を求める孔子さんを全否定。自らが行う信賞必罰と法(自らが発した法)を順守させ破ったものには厳しい懲罰を執行する。マンガキングダムのもう一人の主人公政(後の始皇帝)を感動させ実行することで秦は中華統一を果たしましたが余りに厳しい懲罰により始皇帝死後あっという間に滅びてしまいます。約2300年以上前からの優れたリーダーとはの問いにまだ正解はないようです。
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韓非子の入門書。重要な箇所の書き下し文、原文、訳を並べる。いくつかの段落をまとめて解説がされ、丁寧で分かりやすい。概要を知るには本書で十分だと思えた。
韓非子は、君主の観点に立って、法術を使った統治の有用性を説く。臣下をも信頼するべきでないと言う主張は、君主とは孤高の人であると感じた。
人間関係の基礎に利害を置いている点は、道徳や礼を強調する儒家と違い興味深い。この利害を中心に据えた見方は近代西洋の個人主義に近いものすら感じた。主張は理路整然としているのに、韓非子が中国思想の主流派に成り得なかったのは何故かという疑問が湧いた。 -
ビギナーズという名の通り、わかりやすい。
中国古典初心者として、楽しく読めた。 -
韓非は悲しいほどクールで頭のいい人。きっと周りが全部バカに見えてたんじゃないか。
マキャベリとかそっち系の思想に近い感じ。
かなり省略されているけど雰囲気はわかった気がする。