- Amazon.co.jp ・電子書籍 (243ページ)
感想・レビュー・書評
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やっぱり米澤穂信は面白い。ひねりが効いている。
伯父の古書店に居候している芳光は、「父親の遺した小説を探して欲しい」と頼まれる。
小説家ではないその男の作品を探すことに奔走し、
その男がなぜ小説を書いたのか、謎に迫る。
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驚愕の真実。それを導く伏線。神秘的で面白かった。
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最初は、しぶしぶ、だけど、4本目、あたりから面白さが上がって読めました
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作中作を織り交ぜながら展開。上手いなぁ
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伯父が経営する古書店に居候する主人公は、学費目当てで亡き父が書いた小説を探して欲しいという女性の依頼を受ける。結末を伏せた"リドルストーリー"を追ううちに、故人が関わった20年前の事件が浮かび上がってきた――。
あらすじを書くと2時間ドラマのようだが、話はもっと複雑。あまり書くとネタバレになってしまうので避けるが、今回も米澤先生らしい結末だった。
リドルストーリーの方に関心が行きがちだが、言葉少なくも主人公を見守る伯父や小説を探す過程で出会う人物も人間味がある。最後まで飽きずに楽しめる作品だった。 -
古書店に居候中の主人公は店に来た女性から亡き父が遺した5つの掌編を探して欲しいと依頼を受ける。
順調に掌編を手に入れる主人公はこの掌編がとある事件に絡んでいることを知るのであった。
本編と作中作を織り交ぜた構成は読み応え抜群。
リドルストーリーの最後の一文を後出しにすることで物語を二度楽しめてよかった。
主人公の周辺がややおざなりだったのに物足りなさを感じたが、仄暗い大人のミステリーで面白かった。
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父親は20年以上前の事件の記事への回答を小説にしていた。
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紙の本で読んだが、なかったので電子書籍の方に記録…
リドルストーリーという発想に留まらず、その先の結末に隠された仕掛けが面白かった。序章の作文も。
正直、難しい表現(特にリドルストーリーの部分)が多く、最後まで読み進めようか迷ったが、最後まで読んで良かったと思える1冊であった。
高校生の私としては、ちょうど漢文で習った『〜をして〜せしむ』の使役の句法が使われていたりと、授業で習ったからこそ理解出来た文章があったのが嬉しかった。 -
っはー!気持ち良い!ぞくぞくする仕掛けだった。解説も骨太でじっくり楽しめました。
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「ロス疑惑」を思い出しました。夫が妻を殺害したと、マスコミが騒ぎ立てたあの事件。真実は結局謎のまま。本作での事件は「アントワープの銃声」。父は本当に母を殺害したのか。大人になった娘が真実を探ります。
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リドルストーリーって、なんか惹かれるものあるよなぁ。5つのリドルストーリーをめぐる探索の物語。どこにあるのか、を探しながら、いつしかなぜ書かれたのか、という謎に迫っていく。
再読なんだけど、ふと本屋さんで平積みになっているのを手に取り、ぱらぱらめくってまったく思い出せなかった(苦笑)。過去の記録をみて2009年に読んでいたみたいなんだけど、もう10年前かぁ。読んでみても、ほとんど覚えていなかった。謎の肝となる部分は覚えていたから読んだのは確実なんだけど。
ぐいぐい読み進めて、すごく面白かった。ただ結末は、切ないというよりも、どこかどんよりした、からっと晴れない終わり方だったな。悪いとは言わないけどね。 -
読み終わりました。
結末を除いた小説リドルストーリーを集めることから始まった物語、それを進めていくなかで、小説の作者の背後にある事件、そしてリドルストーリーに込められた謎が明らかになっていきます。
合間に挟まれるリドルストーリーは文体が普段のものとは違って書かれているのですが、それも面白くページをめくる手が止まりませんでした。
また生活に困窮する主人公と、小説の作者の鮮やかな人生との対比も良かったです。 -
古本屋バイトの主人公が客の依頼で5つの短編小説を探すことになるミステリ。淡々と話が進み登場人物も話の雰囲気もすべてが薄暗く結末もしんみりさせられた。「雰囲気」を味わって読みたい一冊。
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好印象な一冊。決して、ビブリア古書堂とか、そういう風潮に絡めて読んではいけません(時系列的にも整合しません)。「さよなら妖精」にあったような、そうはいっても世界はこんなに波乱に満ちているよという観測はよしとして、ああ、そうか、解説にあるロス疑惑をここに見いだしたくは無かったし、そういう印象は持たなかった。アメリカ合衆国、特に西海岸に見られる、現在と歴史との分断ぶりは、主人公(とは、古本屋の彼ではない)の振る舞いとの親和性が低いと思うから。
いや、うまいじゃないですか、米沢穂信。それで十分ですよね。 -
ふと似ている気がしたのは最近話題の「ビブリア古書堂の事件簿」ですが、古本屋とミステリーという共通項だからでしょうか。こちらが探すのは実在する本ではなく、時代設定もまたこちらのがやや古いのですが、古本屋のどこかほこりっぽいような静けさ、みたいな空気感が似ているのかもしれません。
5つの物語をどう見つけるか、という要素と、そこから浮かび上がる大きな謎解きと、ミステリーは二つの要素が含まれているのですが、最後はあまり衝撃!という感じではありませんでした。ただ、それなりのインパクトを持つ結末は用意されていたとは思うので、これは前ページを見返しながら読み進めたいこの本と、電子書籍という媒体の相性が悪かったのかなと思います。