カジュアル・ベイカンシー 突然の空席 I・II [Kindle]

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制作 : 亀井よし子 
  • 講談社 (2012年12月2日発売)
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (541ページ)

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カジュアル・ベイカンシー 突然の空席 I・IIの感想・レビュー・書評

  • のどかな田舎町において、愛すべき有識者であったバリー・フェアブラザー。彼の命が失われた瞬間から、人々の隠れされたひずみが顕になる…ハリー・ポッターのシリーズで一躍名をはせた著者の、大人向け小説第一弾。

    読み終えてすぐの感想としては、

    (1)シドニィ・シェルダンを思い出すな
    (2)トリィ・ヘイデンも思い出したな
    (3)2作目でここまで書けるって、よく考えたらすごいよな

    という感じ。

    (1)については、ストーリー全体が『暗喩を扱わず』書かれているせいだと思う。児童書出身だからかもしれない。逆に、ハリポタのイメージから脱却するため避けたのかもしれない。すべての事象や感情についてしっかりと理由が説明されており、読者の想像力はあまり必要ないつくりになっている。シドニィ・シェルダンも、分かりやすく説明できないことは書かないので、なんか読後感が似てくるんだと思う。ただシェルダンは、息抜きにリッチな暮らしのディテイルとかジョークとか挟んで休憩させてくれるんだけども、本作にはそういうのがあんまりない(「ハリー・ポッター」のときには、ファンタジー要素が緩衝材の役割を果たしていた)。人々の ―それもどちらかといえばマイナスの― 気持ちやトラブルをひたすら描写&説明してて、それが上下巻2冊も続くので、私は読んでて疲れました(笑)。

    (2)について。作家が物語を書く理由は千差万別だけど、J.K.ローリングの理由は、少なくとも本作についてはとても明確だ。「虐待や偏見にさらされた人々を救うこと&その啓蒙活動」。子どものためのチャリティーを多く手がけている著者は、最も影響をもたらせるメディアとして、小説という体裁を選んだのだろう。素晴らしいことだ。賢く正しいことだ。ただ、それで小説がすごく面白くなるかというと、うーん難しいね。
    トリィ・ヘイデン(「シーラという子」他)のはノンフィクションで、事実ならではの生々しさがあった。カズオ・イシグロの「わたしを離さないで」も社会への警鐘を感じさせるが、小説世界に浸りこむ余地は十分にあった。本作は、作られた物語そのものの面白さが全然ないのよ(笑)。うーん残念。

    (3)は、希望かな。だってプロになってすごく短いんだもの。書いてる本だって少ないんだから。それでここまで書けるんだから。絶対に魅力のある作家なのだ。自作は必ず、必ず傑作になると信じています。あはは。

  • ハリー・ポッターシリーズを書いた作者だったから、興味があり読み出した。長編と知っていたが、ここまで長いと途中で退屈になった。しかも、登場人物が多い。後半以降になるまで、軌道に乗らず、何度もリタイヤしそうになった。電子書籍のデータでは、読み上げるのに17時間かかったようだ。
    内容は、正義感あふれる議員さんの死から始まる。そこに、大人、子供の別々の視点から市民問題や人間関係、社会的要因など繰り広げられている。

  • 図書館で借りてきました。

    J.K.ローリングによる『ハリー・ポッター』シリーズ完結後第一作目。
    イギリスにある架空の田舎町で暮らす人々それぞれの人生を切り抜いて描いた小説。

    物語は町の議員の突然死から始まります。そこから20人近くの住人の視点を転々として数週間のことが書かれます。

    とにかく最初は登場人物の把握に苦労します。そして第一章を読んでいる間はずっと“あれ?これは…どうも退屈な本を選んでしまったかな…?”と言う疑惑に悩まされます。

    ところが。
    確かに通して地味ではありますが、登場人物を把握してしまうとこれが一人一人が実に精緻に、リアルに描かれていて、ひき込まれるんですね。ちゃんと生きている。感情、想いの流れも本当に自然。

    特にクリスタル登場からどんどんと面白くなります。

    自分勝手に生きている人々。
    本性。欲望。不満。恐怖。欺瞞。

    決して明るい話ではありませんが、そこには自分や、周りの人々の姿が垣間見える。

    理想通りの枠にハマらない、そんな結末もリアル。とにかくそう、現実がそこにあるのです。

    仕事と己のことばかりで、ちっとも自分を気遣ってくれないパートナーを恨めしく思う女たち。

    権威や色気を求める一方で、プレッシャーや不安からそれぞれの形で慰めや逃げ道を求める男たち。

    親への反抗心で爆発しそうになりながら、愛情に気づかない振りをしている自意識過剰なティーンエイジャーたち。

    殆どの登場人物が生々しくて、好きになれないのだけれど、どうにか信じたくさせる。どうしようもないまま終わらないでくれよ、と願わせる。

    生きているからこそ憎める。
    日常では死を意識できるものではなくて、そうなると愛情を忘れてしまいがちになる。
    けれども、日常でいがみ合っている人たちほど、いざと言う時にその愛情に気付けたり。
    逆に日頃から臭いものには蓋をして、“正常”“善人”を装っている人たちは簡単なキッカケで崩壊してしまう。

    そして、本作で描かれなければ描かれていない人物ほど、本性は見えず偶像化されている。美化されている。でもきっとその人物たちもスポットを浴びて中身を晒されれば、ただの人でしかなく。醜い部分を持ち合わせているはず。そう思わせる。

    誰に対しても同じに映る人ってそうはいない。親も子も、教師も生徒も、妻も夫も、人対人、相手の数だけ見える部分は違って、どれも本当だし、それでいて真実の部分はお互いでもわからなかったり。

    いやほんとリアルでした。
    三、四シーンで泣いた…

  • ハリポタほどのインパクトはないけど、普通に面白い。

    登場人物の相関図を覚えながらゆっくりと。

  • ハリー・ポッターを脳裏に置いたまま読むと裏切られた感じがするかもしれない。登場人物は皆何かを抱えているし、物語の展開は陰鬱。けれど、よくこんなにひとを描けるなあと思いながら読んだ。読んでいてつらいのはわかりすぎる部分があるからかもしれない。

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