「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方 [Kindle]
- サンマーク出版 (2012年10月10日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (218ページ)
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「ついていきたい」と思われるリーダーになるには、何が必要か?
一つ目は、優れた人格を持つこと。
正直な人、虚勢を張らない人、他人の痛みを知る人、率先して動ける人、相手によって態度を変えない人……。
誰だってそういう人と働きたいだろう。ましてや自分の上司ならなおさらである。
そもそも、リーダーになるのに特別な才能やカリスマはいらない。
優れた人格を持ち、かつ努力を続けていれば、周りが推してくれて自然にリーダーになっているだろう。
逆にサラリーマンスキルやゴマすりに長けていても、そういうものはいずれ見抜かれてしまう。
他人は、特に部下は、自分が思っているよりずっと自分を見ているのである。
ゆえに優れたリーダーになりたければ、スキルや成果に捕らわれず、まずそれにふさわしい人格を身につけるべきである。
成果やスキルは、その後に自然に着いてくるだろう。
そしてそれこそが、本当の意味での「成長」と言える。
もう一つは、逃げないこと。
リーダーに求められていることは、ひとことで言うと「決めること」。
責任や判断において、人任せや曖昧にしたりせず、全て自分で責任を持ち、正しい決断ができることである。
かつて日産のCEOを務めたカルロス・ゴーンの評価は、「ゴーンさんは決めてくれる」というものであった。
つまり意思決定から逃げず、やらなければならないことは、例え障害があっても自らの責任において選択していった。
これこそがリーダーのあるべき姿と言えるだろう。
逆に最悪のパターンは、
「俺はいいと思ったんだけど、上が駄目って言うからさ、言われたとおりにしてよ」
などと説明する上司である。
こんなミドルは存在価値を疑われても仕方がなく、また誰も着いて行きたいとは思わない。
組織を優先した場合、時には人の恨みを買うこともあるだろう。
だがそれでも、リーダーは決して逃げてはいけない。
正しい判断が出来る知識と、それを貫く意思が必要なのである。
この本では、岩田松雄氏が思うリーダーの在り方についての考えがまとめられている。
ザ・ボディショップの代表取締役やスターバックスジャパンのCEOを務めた氏が思うリーダーの資質とは、言ってしまえば、ごく当たり前のことばかりだった。
だが当たり前のことであっても、それをやり続けるのはとても難しい。
言うは易く、行うは難し、である。
「当たり前のことを、当たり前にできる」
これこそが本当のリーダーの資質ではないだろうか。
驚きは少ないが、良い考え方に触れることが出来た一冊。 -
オーディブルで視聴
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著者は「ザ・ボディショップ」の社長、「スターバックス コーヒー ジャパン」のCEOを務めた岩田松雄氏。輝かしい経歴の持ち主ですが、ご本人は容姿にカリスマ性はなく、「普通のおじさん」と言います。
そんなご自身を振り返って、リーダーというのは資質ではなく、努力すれば、誰でもなれるものと定義しています。
なるほどなと思ったのは、「ついていきたい」と思われるリーダーの口癖。
それは「何か、困ったことはない?」という言葉に集約される、と説きます。困ったことを助けてあげられるのには権限が必要だからというわけです。
最近では、人の数が減っているのに、仕事量は変わらず、一人ひとりの負担が多くなっている会社が増えている。そのため、部下が疲弊している、と。
こればかりは会社に言っても仕方がない、なんとかやっていくしかないと考えているリーダーも少なくないのかもしれない。
しかし、「仕方がない」では何も解決しないし、部下も納得しません。これではリーダーについていくことなどはできない、と岩田氏はいうわけです。
仕事量を減らす以外には、人員に関する交渉を会社側とするしかない。今の現場の状況をしっかり会社にアピールして、人材を確保するのは、リーダーの大きな役割だといいます。
確かに、その通り。
まとめでは、「会社の社長になれ」とおっしゃっていますが、本全体は中間管理職(のリーダー)向けに書かれています。 -
元スターバックスCEOの岩田松雄氏によるリーダー論。
どのような場面で、どのようなふるまいをすれば良いのか。という点について、51の方法が紹介されている。
話の中のエピソードなどは、他書でも紹介されているものがあるが、事例としては分かりやすくて良いかも。