「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方 [Kindle]

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  • サンマーク出版
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感想・レビュー・書評

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  • 本書に副題つけるとすれば「大企業の社長の心得」になるかな。

    野球部キャプテンから日産自動車でトップセールスマンとなってMBAを取得、外資系コンサル会社(ジェミニ)、日本コカ・コーラを経て、同ビバレッジサービス常務に昇進し、赤字のアトラスを社長としてV字回復させ、タカラ常務、イオンフォレスト社長(The Body Shop)、スターバックス社長を歴任してきた岩田さんからすると「中小企業も入っている」というかもしれないが、IT会社を運営している僕から見れば、どこも大変な大組織である。

    本書のメッセージはとてもシンプルで「ついていきたい」と思われるということは、相手の心に火を灯し続けることであり、組織の進路に貢献する行動量を増やしてもらうことでもある。
    そのためには相手をリスペクトして誠心誠意に対話することに尽きる。このあたりはD・カーネギーの「人を動かす」「こうすれば必ず人は動く」「話し方入門」にTipsが満載だ。

    個人的には、大病の経験があるので日記を見れば「生きてるだけで丸儲け」であり、(相手とたとえケンカしてたとしても)共有している方向性についてエネルギーをぶつけてもらえていることに感謝の気持ちが湧いてくる。熱量を一緒に込めてもらえている事自体が本当に素晴らしいことなのだ。まぁ、それが楽しい時間であれば問題ないわけですが、停滞や衰退してても、あるいは成長しててもそれはそれで成長痛があるわけで、人はその辛さを相手にぶつけがちなんですよね。

    話がそれちゃいましたが、人と一緒に仕事をしていく限りにおいては本書のような心持ちを維持し続けることはリーダーとして重要であることはその通りと思う。

  • 「ついていきたい」と思われるリーダーになるには、何が必要か?


    一つ目は、優れた人格を持つこと。

    正直な人、虚勢を張らない人、他人の痛みを知る人、率先して動ける人、相手によって態度を変えない人……。
    誰だってそういう人と働きたいだろう。ましてや自分の上司ならなおさらである。

    そもそも、リーダーになるのに特別な才能やカリスマはいらない。
    優れた人格を持ち、かつ努力を続けていれば、周りが推してくれて自然にリーダーになっているだろう。

    逆にサラリーマンスキルやゴマすりに長けていても、そういうものはいずれ見抜かれてしまう。
    他人は、特に部下は、自分が思っているよりずっと自分を見ているのである。

    ゆえに優れたリーダーになりたければ、スキルや成果に捕らわれず、まずそれにふさわしい人格を身につけるべきである。
    成果やスキルは、その後に自然に着いてくるだろう。
    そしてそれこそが、本当の意味での「成長」と言える。


    もう一つは、逃げないこと。

    リーダーに求められていることは、ひとことで言うと「決めること」。
    責任や判断において、人任せや曖昧にしたりせず、全て自分で責任を持ち、正しい決断ができることである。

    かつて日産のCEOを務めたカルロス・ゴーンの評価は、「ゴーンさんは決めてくれる」というものであった。
    つまり意思決定から逃げず、やらなければならないことは、例え障害があっても自らの責任において選択していった。
    これこそがリーダーのあるべき姿と言えるだろう。

    逆に最悪のパターンは、
    「俺はいいと思ったんだけど、上が駄目って言うからさ、言われたとおりにしてよ」
    などと説明する上司である。
    こんなミドルは存在価値を疑われても仕方がなく、また誰も着いて行きたいとは思わない。

    組織を優先した場合、時には人の恨みを買うこともあるだろう。
    だがそれでも、リーダーは決して逃げてはいけない。
    正しい判断が出来る知識と、それを貫く意思が必要なのである。


    この本では、岩田松雄氏が思うリーダーの在り方についての考えがまとめられている。
    ザ・ボディショップの代表取締役やスターバックスジャパンのCEOを務めた氏が思うリーダーの資質とは、言ってしまえば、ごく当たり前のことばかりだった。

    だが当たり前のことであっても、それをやり続けるのはとても難しい。
    言うは易く、行うは難し、である。

    「当たり前のことを、当たり前にできる」
    これこそが本当のリーダーの資質ではないだろうか。


    驚きは少ないが、良い考え方に触れることが出来た一冊。

  • オーディブルで視聴

  • 社長を歴任した筆者のリーダー心得をまとめた本
    本質的に付加価値を生み出している瞬間に集中しようと思います

  • リーダーシップの言葉のイメージとは一味違う考え方についての本。いくつかはすぐ出来そうなのがよかった。とりあえず率先垂範から!

  • 著者は「ザ・ボディショップ」の社長、「スターバックス コーヒー ジャパン」のCEOを務めた岩田松雄氏。輝かしい経歴の持ち主ですが、ご本人は容姿にカリスマ性はなく、「普通のおじさん」と言います。

    そんなご自身を振り返って、リーダーというのは資質ではなく、努力すれば、誰でもなれるものと定義しています。

    なるほどなと思ったのは、「ついていきたい」と思われるリーダーの口癖。

    それは「何か、困ったことはない?」という言葉に集約される、と説きます。困ったことを助けてあげられるのには権限が必要だからというわけです。

    最近では、人の数が減っているのに、仕事量は変わらず、一人ひとりの負担が多くなっている会社が増えている。そのため、部下が疲弊している、と。

    こればかりは会社に言っても仕方がない、なんとかやっていくしかないと考えているリーダーも少なくないのかもしれない。

    しかし、「仕方がない」では何も解決しないし、部下も納得しません。これではリーダーについていくことなどはできない、と岩田氏はいうわけです。

    仕事量を減らす以外には、人員に関する交渉を会社側とするしかない。今の現場の状況をしっかり会社にアピールして、人材を確保するのは、リーダーの大きな役割だといいます。

    確かに、その通り。

    まとめでは、「会社の社長になれ」とおっしゃっていますが、本全体は中間管理職(のリーダー)向けに書かれています。

  • 元スターバックスCEOの岩田松雄氏によるリーダー論。
    どのような場面で、どのようなふるまいをすれば良いのか。という点について、51の方法が紹介されている。

    話の中のエピソードなどは、他書でも紹介されているものがあるが、事例としては分かりやすくて良いかも。

著者プロフィール

岩田松雄(いわた・まつお)
元スターバックスコーヒージャパン代表取締役最高経営責任者。株式会社リーダーシップコンサルティング代表取締役社長。元立教大学教授、早稲田大学講師。1958年生まれ。大阪大学経済学部卒業後、日産自動車に入社。セールスマンから財務に至るまで幅広く経験し、UCLAアンダーソンスクールに留学。その後、外資系コンサルティング会社、日本コカ・コーラ株式会社役員を経て、株式会社アトラスの代表取締役社長として3期連続赤字企業を再生。その後、株式会社タカラ常務取締役を経て「THE BODY SHOP」を運営する株式会社イオンフォレストの代表取締役社長に就任し、売り上げを約2倍に拡大させる。2009年、スターバックスコーヒージャパン株式会社のCEOとしてANAとの提携、新商品VIAの発売、店舗内Wi-Fi化、価格改定など次々に改革を断行して業績を向上。UCLAビジネススクールよりAlumni 100 Points of Impactに選出される。2011年、リーダー育成のため株式会社リーダーシップコンサルティングを設立し、現在に至る。

「2023年 『ミッション 私たちは何のために働くのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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