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- / ISBN・EAN: 4988021712422
感想・レビュー・書評
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あっさりオオカミオトコがいなくなってしまって
そういう話だったのかーとちょっと寂しくなったけど
花が明るく気丈に、狼としての血と本能を尊重して
子育てしていく姿はとても立派に感じた。
えらいよ、ほんと。わたしなら絶対キレてる。
子どもの成長というのは、
うれしく微笑ましいものであると同時に
とても切なく寂しいものでもあり。
何度も泣けた。
おおかみこどもがかわいい。
娘はまだ母の愛なんて分かっちゃいないだろうが
大人になったらこの映画を観て泣いておくれ。 -
ドラマチックなことはおきない。
単なるお伽話でしょって
斜に構えず
素直に物語を受け入れたあとには
幸せな気分に浸れます。
エンディングで
物語を振り返った時、
そんな気分を感じた。
子どもの頃の雪が無邪気で後を追いかけてしまう。
子どもの頃の雨が放おっておけなくて髪を撫でたくなる。
大きくなった雪が戸惑いを隠しきれなくて心配。
大きくなった雨が遠くを見ていて心配。
また観たくなる。
そんな物語。
良かった。 -
狼男に惚れて、おおかみこどもを産んだ女性の子育て物語。
子供達のその出自ゆえの人智を超えた苦難に、踏ん張る彼女。
両方の存在意義を受けとめた彼女だから出来る育成方針と健気さに胸を打つ。
軸は、二人の子ども。二人(二頭)のおおかみこども。
人に育てられ、人間社会で育てられる。
幼いながらも向かい合う、自己と社会。
そこで見つけた姉弟の選択。
子供より、大人向けのストーリーと感じた。
とはいえ、難解ではなく。心情描写が。葛藤が。
ストーリー自体は、正直それほど驚きはない。
邦画によくある序盤の緩慢さもある。
ヒドく言えば、この手の良くある話と思われるし、大まかな展開予期できる…が、何のその!
小さな展開の一つ一つが、染み渡る。
子供の無邪気さ。
人間社会の辛さ。そして逆に温かさ。
人情の移り変わり。
そこが良く出てるように見えた。
色とか、匂いが感じられるような。
個人的に一番圧巻だったのは、教室を使った時の流れの描写。
何気無いシーンだが、そのスルリと入り込む描写には感嘆した。
自然を感じるサウンド。
軽やかに滑るような映像。
それらの要素もまた見事。これぞ映画!という感じ。
確かに話の核は、姉弟。
しかし鑑賞後に抱いたのは、これはやはり母である彼女の物語。
母は偉大。
彼女と彼女と彼に、それぞれ幸あれ。そう思わずにはいられない。
良い作品だった。心から。 -
面白かった・・ですけどね。
序盤から「仲良くくらしましためでたしめでたし」にはならないだろうことがわかってるわけで、ていうかそうなったらそもそもお話として成り立たないんだけど、そういう「この先に暗い展開になる」のがわかってるとどうしても・・リラックスしては見られない。明るく楽しくハッピーエンド!にはならないだろうと誰もが予想できるお話ですからねえ。監督前作の「サマーウォーズ」とはちょっと違ったほろ苦いというかちょっと物悲しいノリ。これはこれで面白いですが、人を選ぶってところもあるかもしれません。リアリティかファンタジーか?と。
声優さんに有名俳優とか使うのはかなり聞き苦しいので嫌な自分ですが、今作はあんまり気にならなかったな。 -
決して、良い子ぶるわけでもなく、道徳家ぶるわけでもなく、ただただ事実を述べた結果、「人は可能性に満ちている」というコメントを残すことができる。生まれてから「大人」になっていく中で、何を目指そうとも自由であるという意味だ。医者になるもよし、教師になるもよし、冒険家になるもよし。犯罪に手を染める選択肢さえ、選ぶことが可能である。
しかし、現実には選べる選択肢が限られている。なぜなら「社会」をはじめとする、周囲が自由な選択を許さないからだ。犯罪に手を染めることは、法律などで禁止されている。犯罪を行う自由はあっても、それは許されていないのだ。人の持つ「可能性」は、多くの場合、抑圧を受けている。
さて、本作はそんな自由と抑圧について、思いを巡らせる映画である。
物語序盤、二人の子どもを抱える主人公「花」は、自由を抑圧されっぱなしだ。原則として、開かれた可能性があり、自由に子どもたちを育てることができるはずである。しかし「周囲」はそれを許さない。子どもの夜泣きは周囲の反感を買い、子育ての自由を抑圧する。現代社会で生きることは、常に自由な可能性を抑圧されることなのだ。
そこで「花」は、周囲に抑圧されないだろう、自由に満ちているだろう田舎町への移住を決意するわけである。
その後、物語の中心は2人の子どもたちへとシフトしていくが、子どもたちを思い悩ませるのは、やはりあるはずの自由とそれを遮る抑圧であった。
しかし、本作は、その現代社会の「生きにくさ」への反抗を試みている。詳細は、本作を鑑賞することで確認をしてもらいたいが、主人公「花」は悩みながらも、「自由」な「可能性」を尊重することがテーマの一つとなっている。また、自分が「抑圧」と感じていることが、実は「抑圧」ではないのかもしれないという視点を提示している点でも、本作の反抗心が窺える。
【原作】細田守
【監督】細田守
【出演】宮崎あおい、大沢たかお、黒木華、西井幸人、大野百花、加部亜門 他
【主題歌】アン・サリー、高木正勝『おかあさんの唄』
【制作国】日本
【公開年】2012年
【公式サイト】 http://www.ookamikodomo.jp/index.html -
生徒オススメの一本。たしかに幼い頃の雪は私にそっくり^^;
自分のいくべき世界が見つかることは幸せなこと。