- Amazon.co.jp ・本 (136ページ)
- / ISBN・EAN: 4571317727370
感想・レビュー・書評
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時は中世、この世とあの世の境目がまだ曖昧だった頃。美濃国最大の宿場である青墓は、行き交う旅人、もてなす遊女たちに交わるように、黄泉路を迷う亡霊達も多く集い、生者の道を惑わすと言う。そんな幽明の境で迷う旅人と魂達を、真実の姿のみを見据える盲目の遊君・獅子吼御前が今宵も導く。表題作「青墓」を含む三編を収録。
サークル・史文庫の人気作。大阪文フリで購入しました。作者の史さんにはいつもお世話になっております。博覧強記な方で主に古代中世戦国幕末など時代を問わず、また国も問わず、作風も問わず幅広く歴史小説を執筆してらっしゃいます~ 他の作品については是非ホームページをご覧ください。
私自身は一応日本史やってたもののそこまで日本史に通じてるわけでもないので(ぶっちゃけ最近はとんとわからず)青墓読んでもわかるかな? 大丈夫だろうか…と思っていたのですが、全然大丈夫でした。とっても面白かったです。注釈もあって歴史や古典に慣れてない人でもありがたい。
読み終わった今考えて見ると私の好きな芸能である謡曲、お能に近い感じです。中世だし。「青墓」でまずはあっと驚き、「鏡磨」で緋袴中将を想う大炊長者にほろりとし、(彼女の「人を救えるのなら~」にはズキッとした…)「獅子吼御前」は獅子吼御前の話かと思わせといて、実際まあそうなんですが――書くとネタバレになっちゃうので書きませんがこれには騙されたー! 痛快でした。よくある手法と言われればそれまでだけど、私は単純な読者なのでころっと騙されてましたwそんなわけで三つの中では「獅子吼御前」が好きですね。ラスト獅子吼御前と千菊丸(禅僧)が一緒に笑ってるところとかすごくじぃんときました。
歴史は全体的に疎くなってしまいましたが、また別の作品も挑戦してみたいところです。詳細をみるコメント0件をすべて表示