- Amazon.co.jp ・電子書籍 (390ページ)
感想・レビュー・書評
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辻村深月のジャンルの振り幅がすごい。
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どの登場人物もとても魅力的で感情移入してしまい、彼らが不幸になっていくのがとてもつらく、なかなか読み進めることができなかったが、ようやく読了。
殺人を犯してしまう側の気持ちも痛いくらいに伝わってきて、読み進めるのがつらくなる。
真相はありきたりではあるけれど、プラスチック越しでの二人の会話で語られる内容には納得感があった。
どうしようもない不幸の行き着く先、最後の病室、「恭司」くんとの面会シーンは良かった。仕掛けと会話に少し救われた気持ちになれた。 -
2023/09/13
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どんな本にも賞味期限というか適切な読み頃というのがあるんじゃないかと最近よく思う。この本を初めて読んだのは2011年で、その当時ですら私は大概いい大人になっていて、それでもまだ秋山先生よりは孝太に親しさを覚えていた。月子のことを痛々しいながらもどこかで可愛い子と思っていたように思える。今、改めて読み直すと、子どもが精一杯背伸びをして理想と現実のギャップにあがいている様だったり、頭の良さを履き違えた自分勝手さが目に余る。子どもたちがあがいてる様を共感して読むには年を取りすぎたなと自虐的な思いを抱く。20代の貴方には刺さるのかもしれない。
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辻村先生の初期の作品の特徴なのか、中心登場人物はみな優秀で容姿端麗で自我が完成されている空気が序盤からむんむんしていた。これは「スロウハイツの神様」で持った印象と同じ。しかしこのような面倒な思いは物語が事件性を帯びてからは傍に押しやられる。緊迫感により読書への集中力が高まるからだ。これもスロウ…で感じたことと同じ。だが上巻を読み終えて思うのはやはり、長い、だ。どうしてこんなにページ数が多いのか。いくら緊迫感があるとはいえ、これだけ長いとどうしても途中でペースが落ちる。もっと削ぎ落として文章をスリム化した方が途中で弛むことなく集中力を維持できるのに。これもスロウ…で感じたこと。
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やべー2回目
またやっちゃった -
タイトルから想像した話とは全然違った!劇場型犯罪?!月子と周りの人間との繋がり感が辻村ワールドらしいなと感じます。
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最初やや掴みにくい感じだったが、上巻の1/3過ぎた辺りから乗ってきた感じ。浅葱にしろ誰にしろ、暗い幼少期の話とかは好きじゃない。でも、話の続きは大いに気になるので下巻も購入することに。今のところ、孝太や月子の真っ直ぐな感じが唯一の救いになってる印象だけど、不幸な予感が拭えない。