子どもたちは夜と遊ぶ(下) (講談社文庫) [Kindle]

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  • 物語の作りが「メメント」を彷彿とさせる。白黒とカラーのシークエンス。時系列順に決して進まない物語。そうだった。それに惑わされて、すげぇなと思ったんだった。初読のときは。明確な意思を持って、正体を不明にさせて、匂わせて進む物語。これがミステリなのか、サスペンスなのか、私には判断はつけられない。10年ぶりに読み返して思ったことは、皆それぞれに誰かが望むであろう「私」を演じるように生きていて、それはさぞかし生きづらそうだと。互いに気を遣うのは人付き合いの最低限のマナーではあるが、気を遣いすぎるあまり、不自然な人間関係ができあがっているのが見ていてやるせない。大人が不在の歪なコミュニティ。コクトーの「恐るべき子供たち」を思い出す。

著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。『ふちなしのかがみ』『きのうの影ふみ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『噛みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』『闇祓』『レジェンドアニメ!』など著書多数。

「2023年 『この夏の星を見る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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