マネーロンダリング (幻冬舎文庫) [Kindle]

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  • 幻冬舎
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感想・レビュー・書評

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  • いつもながら良くわからないまま手に取るのですが、期待を超える面白さでした。一気読み。

    タイトルからも金融絡みということはわかりましたが、日本を飛び越え、外国まで広がるスケール感の大きさとスピード感が心地よかった。

    お金ってこえー。

    オススメです♪

  • 香港で日本人向けに銀行口座を開くなどの手伝いをするコンサルタント業を営む30代の男、工藤が主人公。
    ある日、日本での課税逃れのために、5億円の資金隠しをしたいという相談を美女から頼まれて、そこからヤクザも絡むドロドロの話に巻き込まれていく・・というような話。
    国際金融の知識もさしはさまれていて面白かったです。でも、ちょっと話がドロドロすぎかなあ。大金を目の前にすると、みんな遵法意識が低下して、見境なくなるもんなんですかね・・・
    著者の橘玲氏は、「残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法」で有名な方なので、ビジネス書作家なのかと思っていましたが、小説家の方が先だったんですね。
    あと、解説が玉木雄一郎さん(これを書いてる時点の国民民主党の党首)ってのが意外でした。大阪国税局総務課長だった経歴があるようで、その時に身に着けた知識が活きているのでしょうか。金融知識に明るい内容だったと思います。

  • 『言ってはいけない―残酷すぎる真実―』(新書)の著者の小説。
    このやり方で実際に実現できる(できた)のかどうかは別として、マネーロンダリングの手法が垣間見えます。但し、少し難しいので全部は理解出来なかった部分もある。
    小説自体のストーリー性は★3ですが、少し勉強になったので★4としました。

  • 一気読み。
    ある金額を超えると人間の命よりもカネのほうがずっと貴重になる。
    生き延びるにはゲームを支配し、相手より先に行くしかない。

  • 2003年出版の本らしいですが、先日初めて読みました。情景描写が絶妙なため、2023年の今読んでも非常に面白く、不朽の名作とはこの事かと思わされました。

  • とてもエキサイティング、かつ学ぶ所も多かった。金融に関わる人は改めて読んでみるのオススメ!

  •  かつてファイナンシャルプランナーの勉強をしたことがありました。金融機関で働いていたとはいえ、保険・不動産・相続等々には無知であったので、これらを包括的に勉強できて少し賢くなった気がしたものです。しかし、この本で展開される知識はくらべものになりません。上辺のFP知識なぞ洟にもかからない位深いもの、知識と経験が融合したものだと感じました。

     なるほどと思ってしまったのは、その知識の深さのみならず、ルールや決まりが実際にどこまで有効かというポイントが小説で頻出している点。後半部、香港での麗子の私書箱を扱う会社を調べる際、どこまで本人確認をするか、会社はわざわざお金がかかる日本までコールバックをしない(ハズだ)、同じ年ごろの女性の声ならよほどの癖がなければ別人だとはわからない(ハズだ)等々。これはほんの一例だが、パスポートの偽装の話や無記名式の割引債のロンダリングなど、本来法律違反だけれど、確かめようがなく実際抜け穴になっている部分を克明にに描いている。こうした実際どうかという話は、教科書の正論から入る私にとっては新鮮で深く感じました。

     そんな知識中心の小説かと思うと決してそうではありません。ヤクザ・金・女と主要エンタテイメント要素がしっかり盛り込まれ、サスペンスもあり、普通に面白い。社会系小説の池井戸潤氏の作品と比べると冷めた展開ではありますが、それでもスリリングです。また、秋生の虚無感は結局人は何のために生きるのかをほんのりと投げかけている気もし、普遍的な疑問が小説に味を添えていると感じます。作品最終部で犯人が登場し、結局嫉妬で身を亡ぼしますが、そうした描写も人間の哀しさを上手に映し出していると思います。

     そして最後に、土地の詳細な描写。香港にゆかりのある人は旺角やトンキンマンションなどが出でくるし、東京でも井の頭公園や新大久保が出てくるので、そうそうあるよねーと、興味深く読める。他方これらの土地に縁がない人は??ってなってしまうことでしょう。まあそこが舞台ですから仕方ないのですが、風景描写がやけに細かい点が少し気になります笑。

    ・・・

     まとめますと、エンタテイメント性十分の経済小説です。金融業界の方、海外暮らしに憧れる方、海外投資に興味のある方等には非常に面白く読める本だと思います。

  • 投資・税金の抜け道、投資方法などなどお金に関する手法を駆使したミステリー物語。

    序章から難しい単語が出てくるのでここで読みやめてしまう人も出てしまうでしょう、
    が!序章ニ十ページほど読み進めていくと物語に一気に引き込まれます。

    事件の真犯人は誰なのか?
    どんな手法でおこなったのか?
    お金に関する勉強もできるのでぜひ手にとって読んでみてください!

  • ミステリーとして面白い作品であった。何より香港の描写が臨場感を際立たせる。また、こういった海外主要都市の描写がうまい作品 (黒木先生の作品もそうだと思う) は全般的に好みなのだなと再確認できた。

    マネーロンダリングのやり方自体は、感心はするものの、特に驚くほどではなかった。しかし、解き要素が面白く、一気読み間違いなしだと思う。

  • 「黄金の羽の拾い方」とともにとても金融リテラシーを向上するために勉強になった本。
    たくさんの脱税スキームが散りばめれれています。
    脱税になってしまうので実生活で自分が使えるスキームは一つもありませんが、小説としてとても面白かったです!

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著者プロフィール

2002年、金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫)でデビュー。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)、『日本の国家破産に備える資産防衛マニュアル』『橘玲の中国私論』(以上ダイヤモンド社)『「言ってはいけない? --残酷すぎる真実』(新潮新書)などがある。メルマガ『世の中の仕組みと人生のデザイン』配信など精力的に活動の場を広げている。

「2023年 『シンプルで合理的な人生設計』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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