アラバマ物語 [Blu-ray]

  • 10人登録
  • 3.50評価
    • (0)
    • (1)
    • (1)
    • (0)
    • (0)
  • 1レビュー
監督 : ロバート・マリガン 
出演 : グレゴリー・ペック  メアリー・バダム  フィリップ・アルフォード  ジョン・メグナ 
  • ジェネオン・ユニバーサル (2013年2月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988102132200

アラバマ物語 [Blu-ray]の感想・レビュー・書評

  • カポーティ繋がりで観た映画。主人公の少女スカウトとその兄、そして夏休みに訪れる隣人の少年ディル(カポーティがモデル)の3人の子供達の目に映った30年代のアメリカの風景と、南部の社会問題に切り込んだ内容。

    作中の冤罪事件の被告である黒人男性を弁護するのがスカウトの父、原告は白人女性。当時は黒人が陪審員に選任されることはなかったので当然陪審員全てが白人なんだけれど、裁判の流れも時代背景からして予想通りの展開となる。特に印象的だったのは原告側の弁護士で、原告の女性に同情して手を貸したという被告の発言に異常に反応し、法廷で個人の感情をむき出しにしているこの弁護士がいる時点で裁判の体を成していないのが見て取れる。スカウトの父はそういった空気の中でも法の下の平等を重んじ、黒人の弁護を引き受けた人格者として描かれている。彼が子供達の目の前で狂犬病の犬を撃ち殺した際の銃を巡る親子の会話で、ブルー・ジェイは撃ち殺しても構わないがモッキンバードはダメだ、という父親の言葉に違和感を覚えたのだけれども、私にはブルー・ジェイという鳥(人間にとってどれほどの害鳥なのか全く知らないが)をただの標的として挙げているように聞こえてしまって、どうもしっくりこない。銃を使う時の善悪の判断を親が子供に教えているこの場面は、銃社会の外で暮らしている人間にとっては理解し難い部分があり、銃というものが人間の意識にどのように関わってくるのか想像するのは難しい。

    原作者のハーパー・リーはカポーティが『冷血』を執筆する際に取材に同行したり、ただの幼馴染みではなく作家としての彼に影響を与えた人物のようにも思える。子供の頃にアメリカ南部の親戚中をたらい回しにされていたというカポーティ。不幸な境遇の中で出会ったこの一家とのささやかな思い出が、風土と人間の影を描いた彼の作品へと繋がっていったのかもしれない。彼らの子供時代はまさにノーマン・ロックウェルが描くイラストレーションそのもので、ノスタルジックな映像に暖かみを感じた。

全1件中 1 - 1件を表示

外部サイトの商品情報・レビュー

ツイートする