リンカーン [Blu-ray]

監督 : スティーブン・スピルバーグ 
出演 : ダニエル・デイ=ルイス  サリー・フィールド  トミー・リー・ジョーンズ  ジョセフ・ゴードン=レヴィット  ハル・ホルブルック 
  • 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988142962324

感想・レビュー・書評

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  • 第16代アメリカ合衆国大統領エイブラハム・リンカーンが、命を賭して奴隷制廃止と南北戦争終結に至らせるまで。

    うーむ…一応(本当に一応)大学ではアメリカ史を専攻していた私だが、この作品は「リンカーン」という人物に対して或る一定以上の知識と思い入れが無いと理解することが難しい作品なのではないかと感じた。というか、私自身がなんとなくこの作品の上辺しか理解できなかった気がする。

    何がリンカーンを「南北戦争が終わる前に奴隷制廃止を成立させて、奴隷の廃止を徹底的に絶対的な事実に仕立てる」ことにそこまで駆り立てたのか、そこがいまいち見えてこなかった。
    現代の私たちにとって人種間の平等というのは、当たり前すぎる程当然の話(実態はそうでない時は多々あるけれど、建前としてのこの平等をいまどき堂々と否定できる人はそういない)だが、当時はそうでなかった。それを「justice(正義)」だと言い切る(そしてここから先は映画に描かれていない史実だけど、一方で彼はネイティブ・アメリカンのことは徹底的に迫害している)彼の信念はどこから生まれたのか。私にはこの前提知識が決定的に欠けていた。
    その点では、トミー・リー・ジョーンズ演じるスティーブンスの方には「答え」がちゃんと提示されている。

    ところで英語の薀蓄になってしまうが、前述の通り、作中でリンカーンは人類の平等を「justice(正義)」と言っている。英語で「正しい」にあたる言葉はいくつかあるけれど、「just」はこの映画でも言われていた通り「ピッタリあてはまること」言い換えれば疑いの余地が無く一致する状態を指している。
    つまり「正義」と日本語でつけているjusticeにはそういう意味があるので、この人類の平等に対してのjusticeは良いけれど、アメリカが何かと政治的に持ち出すjusticeには、その裏には若干危険な思い込みがあるということでもある。

    閑話休題。ダニエル・デイ=ルイスは長回しのセリフもまるで自分が考え出した言葉かのようにスラスラと言っており、穏やかな中にも熱い信念を込めた男を演じている。他の役者は…うーん、正直アカデミー賞候補って程かなぁ?と。とりあえずルイスとジョーンズは実在の人物ソックリだった。

  • レンタル屋で借りる。妻がみたいといったのだが、その妻は開始3分で寝る。
    妻とのいざこざ、南北戦争の悲惨さ、議会工作についての描写が多かった。
    特にアメリカ合衆国憲法修正第13条を可決するために、南部が派遣した平和使節団の存在を認めないなど、非常にすれすれの交渉があったことが描かれる。
    地味な作品だが、政治を描く映画として面白かった。

  • 実際にあったことなので、新鮮な驚きとかはほとんどなく、地味だけど、悪くない、というか観やすいしわかりやすい。セリフ(日本語吹き替え)が流れるようで詩的。

  • 物語序盤で睡魔に襲われるもリンカーンの熱さにやられました。でも、リンカーンの奴隷解放宣言からキング牧師まで100年かかってるんだよなぁ

  • 深く理解するには、アメリカの政治的な教養と、当時の奴隷制度や、差別意識などの理解が必要になる映画。

    それでなくても、淡々としていて、ハッキリいって退屈な映画だった。
    知識があったとしてもドラマが盛り上がるとは思えないのだけど、勉強するきっかけにはなった。

    リンカーンの苦労はよくわかったし、時折とびだす逸話とか、法を通すためになんでもやる態度とか、リンカーンの人柄に触れられたけれど、あまり魅力を感じなかったのは、理解不足もあるだろう。
    どこまで史実通りなのかな。

    私のお気に入りの場面は、スティーブンソンが、議会で法の下の平等を信じるとハッキリ断言するところ。
    なんとしてでも奴隷制度を廃止するという決意が伝わって、かっこよかった。

  • 内容も地道だが、映画の運びも地道だった。そこで描かれるのは、ひとつひとつ、コツコツと、辛抱強く進める様子。音楽がしずしずと荘厳で、壮大で、映像と相俟って胸打たれる。奴隷制廃止にこぎつけるまでの労力はもちろん計り知れない。そこからの日々だって長いことを私たちは知っている。今だって続くものもある。

    黒人に対して、自由とされて後にあなたは何をするのか、とリンカーンが問う場面がある。白人によって作られる自由の先に、被支配が続くことを示唆するかのように。

    家庭にも焦点をあてたということだったが、息子の兵隊志願に至る過程や妻のヒステリーぶりはあまり印象に残らなかった。すーっと流れていく。やはり政治の場面が強い。ワクワク感とか感動はあまりなかった。

    (20130502)

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