ロボットとは何か 人の心を映す鏡 (講談社現代新書) [Kindle]

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著者 : 石黒浩
  • 講談社 (2012年12月17日発売)
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (240ページ)

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ロボットとは何か 人の心を映す鏡 (講談社現代新書)の感想・レビュー・書評

  • 池谷先生の「脳には妙なクセがある」を読み終わり、次の本として手にとったのがこの本でした。

    レビュー記事でも書きましたが「脳には妙なクセがある」のテーマとして敷かれていたのが「意思とはどこから来るのか?」というもの。

    池谷先生の言葉を改めて引くと、

    「自由意志とは本人の錯覚にすぎず、実際の行動の大部分は環境や刺激によって、あるいは普段の習慣によって決まっているということ」

    と指摘されております。

    このテーマはすごく面白い。「我思う故に我あり」的な哲学課題に入り込んでいくこともできますし、量子力学と意識の問題なんかにもつながっていって未だに明確な統一見解が存在しない奥のふかーい問題です。
    個人的にはそこまでまじめにこの問題に頭を悩ませ続けることができるほどのパワーはないんですが、こうして色んな本でこのテーマを見かけるたびにあれこれと考えては楽しんでいます。

    そして、今回池谷先生の言葉を見て僕の思考が飛んだ先は「ロボット」でした。
    自由意思なんてもしかしたら存在しないのかもしれない。周囲の環境やそこから受ける刺激によって反射的に行動をしているだけなのだとしたら、僕たち人間の意思や行動はある意味とても「ロボット的」ということもできるんじゃないか。そしてそれはなにも人間を貶めるような言い方ではなくて、逆にロボットにも意識は存在しうる、ということにつながっていくんじゃないか。
    などなどと思考が進んでいきまして。
    では最新のロボット研究ってどうなってるんだろう、と、早速読みたい本リストの中から探してきた、というわけです。


    と、まぁそんなこんなな理由で手にとったこの本なのですが、問題意識にがっちり合った内容でした。
    本を手にするときはある程度内容やそこから得る学びに期待を込めて読み始めることが多いですが、ここまで問題意識にぴったりなのも珍しくて読み進めながら非常に楽しかったです。


    ・「ロボットも心を持つことができる」
     まず導入部分から心の問題を取り上げることを宣言してくれました。

     「人間には心がある」というのは非常に漠然とした感覚です。心とはどこにどう「ある」ものなんでしょうか。

     この設問に対して、石黒先生は簡単な視点の紹介を取り入れます。
     「心があるのが人間」なのではなく、「相手に心があると感じるのが人間」であると。

     例えばそれは、相手が激昂する様子を見て怒っているのだと理解したり、泣いているのを見て悲しいのだと理解するなどの場面です。自分の心ってなんだろう、と考えるよりは他人の心の方がイメージしやすいですね。ここでは「心」というものは「感情」とほぼ同義で使われているようです。

     そしてここから「ロボットも心を持つことができる」という主張につながります。心とは相手が感じ取るものであるならば、ロボットもふるまい方次第で相手に感情を読み取ってもらうことができるようになるからです。

    ・便利さを求める技術開発。その行く末に見えるのは「人間の本質」
     「人はなぜロボットを作るのか?」というお話。少し話が飛ぶようですが、ばっちりつながってます。

     世の中いろいろなロボットが存在します。また狭義のロボットでなくとも、僕たちの身の回りの家電製品であったり、
    その他の道具であったり我々の周りには多くの人工物があります。これらの共通点は人間の生活における「便利さ」を追求するものであることです。つまり原始的な道具から最先端のロボットに到るまで、ありとあらゆる技術開発は私たちに便利さをもたらすものであり、人間の能力を機械(や道具)に置き換える営みを技術と呼ぶことができます。

    こうした人間の営みを石黒先生は次のように言い換えます。

    「人間はすべての能力... 続きを読む

  • [配架場所]2F展示 [請求記号]080/K-4 [資料番号]2009110909

  • 人間に近いロボットを研究することは、人間ではないものを研究するということであるが、逆から言うと人間ではないものを知るということは人間を知ることが必要となってくる。
    ロボットに感情を感じる心の働きは、自分の感情そのものではなくて、自分がそう感じていると考えているものであるというのがなかなか奥深い。
    ロボットを研究する=人間を研究する=哲学の書であった。
    いかなる職業も人間と関わっている以上それは哲学的な営みであると著者が述べているのがしっくり腑に落ちた。

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