空白を満たしなさい [Kindle]

著者 :
  • 講談社
4.05
  • (7)
  • (9)
  • (4)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 42
感想 : 9
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (498ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 全国各地で、死んだ人間が生き返るという現象が起きていた。
    徹生も3年前に自殺したが、生き返った。
    「幸せだったはずなのに、自殺するはずがない。あいつに殺されたに違いない」
    自分が死んだ本当の原因を調べ始めた徹生が、辿り着いた真実とは…?

    死ぬ直前の空白の記憶を取り戻したい。
    物心つく前に死んでしまった父との空白の関係。
    妻と子供と、自分の間にできた3年の空白を埋めたい。。
    せっかく生き返っても、すぐにまた死ぬかもしれない。愛する妻と子供の心に、再び空白を作らないようにしたい。
    家族や友人の理解と協力で、少しずつ空白を埋めていく徹生。

    一人の人間の中にはいろんな自分がいる。家族と一緒のときの自分。職場の中での自分。仲の良い友人との自分…。
    他者との関わりによって、いくつもの自分(「分人」)が形作られていく。
    いくつもの「分人」を認めること。そして、拒絶したくなるような「分人」であっても、「分人」同志で見守りあうことができていれば、徹生も自殺しなくて済んだかもしれない。

    これからどうなるの?という感じで、物語は終わっている。
    希望を残したいのだろうけれど、なんだかモヤモヤ。

著者プロフィール

作家

「2017年 『現代作家アーカイヴ1』 で使われていた紹介文から引用しています。」

平野啓一郎の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×