八日目の蝉 (中公文庫) [Kindle]

  • 88人登録
  • 4.08評価
    • (9)
    • (11)
    • (5)
    • (1)
    • (0)
  • 10レビュー
著者 : 角田光代
  • 中央公論新社 (2011年1月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (376ページ)

八日目の蝉 (中公文庫)の感想・レビュー・書評

  • この小説を読んでいる時に浮かんできた言葉。
    切なさ。やるせなさ。希望。ジェットコースター。自分/他人の人生。これさえあればという思い。わからない。どうしようもなさ。不条理。理不尽さ。儚さ。小狡い。どうして。誘拐する側の論理。微妙にはまらないパズルピース。雨。自然。昔の記憶。うっすらと。ダメ男。強さ。踏み出した一歩。笑顔。子供。

    前に読んだ「対岸の彼女」での人間の思いの描き方が殊の外気に入ったこともあって、次作を読みたかったんだけど「誘拐犯の話」ってところでちょっと食わず嫌いしていた。が。前作同様、一気に読み終えてしまった。そしてレビューを書こうと思ったんだけど、うまくまとまらないので言葉だけ上に羅列した。レビューになってないか。

    それにしても角田光代という作家は、人間の感情と日常の風景を淡々とそれでいてどこか湿り気のある形で表現することがとてもうまくて、引き込まれてしまう。どうしようもない思いと、触れるとなくなってしまいそうなかすかな希望。それでも人間は生きていく、みたいな。

    うまく表現できないんですが。

  • これは徹夜本!
    ベストセラー、映画化もされているので有名な作品かと思うが、私は初めての角田光代。
    かつての不倫相手の赤ん坊を誘拐し、多くの人を欺き、また助けてもらいながら育てる女と、その子の物語。誘拐、失踪中の前半は、ストーリーから目がはなせないが、誘拐されたこどもが成長した後半部になると、母性とは何なのか、家族とは何なのか、とても考えさせられる。
    解説にもあったけど、登場人物の要は様々な女性。男性はほぼストーリーの軸にはからんでこない。
    読後、小豆島に行きたくなった。

  • うわー、これは良かった。
    日本での評価や情報など何も知らず読んだ。
    角田さんってこんな話を書ける作家さんだったっけ?

    私は、恵里菜よりもやっぱり希和子に同情しちゃうな~。

    もちろん、恵里菜は二つの家庭で育った中でいろんなギャップと環境の変化、家族や回りの対応の中で、いろいろと考え
    精神的に大変だったと思う。。。

    希和子は、馬鹿な男と不倫をしたばかりに、人生が狂ってしまった。もちろん、乳児誘拐は罪だけど、そんな精神状態にさせたのは、秋山夫婦であり、人生ずーっと逃げて幸せを手に入れることは出来なかった。でも、薫と過ごしたあの4年が一番幸せな時期だったと思うと、なんだか泣けてくるよ~~。刑期を終えても、薫のことを考えてて、フェリー乗り場で最後、あんなに近く接近したのに。。。悲しすぎる~~!
    恵里菜は、きっと薫として育てられた方が幸せだったと思う。

    血の繋がった壊れた家族よりも、血が繋がってなくても愛情をいっぱいで育ててくれる親。
    やっぱり子供は親の愛情と、自分を取り巻く回りの環境でちゃんと育つんだねぇ。

    恵里菜と希和子は、最後あんなに近くにいたのにお互い分からず、あんなに悲しい終わり方はないと思ったけど、それぞれが自分の人生をやっと踏み出して行こうとわかり、ちょっと救われた。。。

  • 最初に映画を見て、あまりの面白さに原作を読んだ。ラストが違い、どちらも良かった。
    親とは何か、子とはなにかを考えさせられる物語だった。
    希和子のしたことは許されないが、読むなかでどうかみつからないでと読者は思ってしまう所が、この小説のすごさだと思った。

  •  これは何ていうか何なんだろうねー。男には理解できないと切り捨ててしまっていいのか。ていうか理解できないしホント。「告白」読んだときも気色悪くて最低の評価しかしなかったけど、客観的に作品としてどうこうというのはあるのかもしれないが、こっちは個人的趣味で楽しみに読んでるんだから主観評価して悪いことはあるまい。
     くだらん男に引っかかった自分が悪いのを棚に上げてその子供を攫って逃げ、怪しげな施設にはいり込んで溺愛する女の話が前半。その子供が長じてから犯人とまったく同じにくだらん男に引っかかって父なし子を産もうと決意するというのが後半。あほらしさも極まれり。いったいこの作品で何が言いたいのだろうか。
     まともな男がひとりも登場しない不思議な小説で、徹底的に女の視点で書かれている。女ってみんなこうなのか。みんなこういうのに共感するのか。ついそう思ってしまい暗然とする。誰か、違う!と言ってください(笑)。

  • 個人的には 映画版 > 原作 > ドラマ版、かな。最初に触れたのが映画版だったというのもあるだろうけれど。原作に忠実なのはドラマ版の方でした。

  • 小豆島の海の描写がとても印象的だった。物語が途中で反転し、最後は交錯し離れていく。最後に希望が見えたところが救いだった。

    映画もよいみたいなので、観てみたい。

  • 誘拐犯と被害者の愛情の行方     

    映画を見て、とても心を揺さぶられたので、慌てて一気に読んだ。
    TVドラマ化も気になるが、映画と小説の組み合わせだけで、かなり満足している。

    不倫相手の生後間もない娘を四歳まで育てる誘拐犯の話が前半。成人した娘が過去を振り返り、未来へ向かおうとするまでが後半。文章量は多く無く、新聞小説ゆえの平易な文章で、二、三時間で読めたが、先に映像を見たおかげで、大河ドラマを一年分見た気になる濃い感情が残った。

    愛情とはとかく厄介だなということと、自分の中にある感情に向き合うことの大事さと困難さ、ということに。

    おかしな人ばかり登場するとの評をどこかで見たが、一人一人はどこかで見たような人物で、物語に現実感はあった。非現実的なのは、登場人物の殆どが女性なのだが、群れを好まない人が多く、とりわけ主人公の二人は豊かな感情とそれを制御する理性の均衡が巧み過ぎるところだが、自立した人は皆そんなものかもしれない、とも思えた。

    映画のキャスティングや情景描写は概ね良かったので、小説を読む際にも旨く楽しめた。締めくくり方の違いもテーマに深みを与えている。小説の方が少し素っ気ない終わり方で、映画の方が成人した娘役の演技力不足との感想はあるが、読み応え、見応えのある作品だった。

    2013/01/23 kindleで購入、読了

全10件中 1 - 10件を表示

外部サイトの商品情報・レビュー

八日目の蝉 (中公文庫)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

八日目の蝉 (中公文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

八日目の蝉 (中公文庫)を本棚に「積読」で登録しているひと

八日目の蝉 (中公文庫)はこんな電子書籍です

八日目の蝉 (中公文庫)の文庫

八日目の蝉 (中公文庫)の単行本

ツイートする