- Amazon.co.jp ・電子書籍 (250ページ)
感想・レビュー・書評
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大学を出たはいいものの、上司が気に入らず、就職先を2ヶ月で辞めてしまった片貝耕平。その後転職した会社もあっという間に倒産。派遣登録したものの、辛抱が足らず、どの職場も長続きしない。挙げ句の果てにサラ金に手を出して借金地獄。典型的なだめ男が、住み込みの新聞配達で負のスパイラルからの脱出を図る。そして、借金を何とかした耕平は、東京生活に見切りをつけ、故郷、北海道の斜里に戻る決心をする。
耕平の境遇は、飽食の時代にやりたいことや人生の目標を見いだせない若者が簡単に嵌まってしまう落とし穴なかもしれない。
「地のはてから」の続編という事で読み始めたが、まだ前作との繋がりは出てこない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
現代日本の若者の姿を描いた作品ということで、共感できる部分もあるのかと思い読んでみた。確かに運のタイミングもあるが、耕平の性格や行動には呆れ返るばかりで共感が難しかった。
読み進めるほど苛立ち大きかった。
ただ本当にこれが現代日本の若者の姿を投影しているのであれば、確かに鬱や自殺など社会問題が減らないことも納得出来る。
読む人によっては心に刺さるものがあるかもしれない。
反面教師として子供に読ませたい作品ではある。 -
(2022/337)妻の蔵書から。あまり偏差値の高くない大学を出て就職に苦労したのに、最初の勤め先はすぐ辞め、転職先も間もなく倒産し、周囲から見て「四の五の言ってる場合じゃない」のは明らかなのに妙なプライドが邪魔して、生活レベルはどんどん転げ落ちていく。住む処も失い借金が積み重なって辿り着いた住み込みでの新聞販売店での仕事。ここから少しずつ変わり始める。。主人公に共感は出来ないけれど、自分にだって絶対に起こらないとは言い切れない。引き込まれるように下巻へ。
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今までなら、最低だな、しっかりしろ、とか甘いんだよ、と切り捨ててしまってたかもしれないが、いろんな経験をしてきた今だからこそ、すごくわかる。ここまで落ちぶれなくてよかったものの、少し弱気になれば誰でも主人公と同じ立場になってしまうだろう。
世の中は今でもそんなにこの頃と変わっていない。
自分も若い頃は些細な理由で会社を辞めたり、人間関係で揉めたりして、転職を繰り返したので、今なら共感できる部分も多い。
最低ながらも、常識や家族という支えがあった分、今後の耕平がどう生きるのか下巻に期待したい。 -
人生てこんなにも簡単に転落していってしまうものなのかと、、、。普通の社会人だった主人公が、会社の倒産をきっかけに派遣社員になり、そこから彼の暗い暗い人生がスタート。
私にとっては非現実な世界だったけれでも、このような人生を送らざる得ない人もいたのだろうと思えるほどに現実味があったようにも感じました。