ファスト&スロー (下) [Kindle]

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制作 : 村井 章子 
  • 早川書房 (2012年11月22日発売)
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (350ページ)

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ファスト&スロー (下)の感想・レビュー・書評

  • 後半40%程度はReferenceになっています。

  • 上巻に引き続き、主題は人間の非合理性についてである。

    が、本書の主張は上巻で語られているため下巻は実験結果を踏まえた実例の紹介が多いように感じた。

    システム1ではなく、システム2を活用して意思決定することの重要性が説かれているが、著者も指摘している通り、なかなか難しい。が、本書の結論や実験結果を知っているか、いないかでは結果は大きく異なると思う。
    一読して、人間の非合理性について脳の隅においておくことが重要である。

    さわりならば、上巻だけでも十分である。

  • 2013/7/30読了。Kindle版をiPhoneで読んだ。
    心理学の立場から、様々に証拠を上げつつ、人間が如何に合理的な一貫性を持つ経済主体として振る舞うことができない、ごく単純な要因にあっさりと判断を左右されてしまったり、熟考すれば誤っているとわかるはずの行動を選んでしまうか、ということについて論じた本。
    総じて人を合理的選択が行える経済主体と考える従来型の経済学に異論を唱える立場であり、行動経済学とか神経経済学とかいうものの一端がわかる感じでもある。

    上巻では主に素早く判断が行える代わりに色々な要素に左右されて誤った判断を下すこともある直感的なシステム1、論理的にものを考えられるがスピードが遅く怠け者でシステム1にも判断を左右されがちなシステム2、という2つの思考パターンを人が持っていることを論じていたのに対し。
    この巻では人が如何に合理的な一貫性を欠く選択をしがちであるか、ということを論じ経済学が考える理想的な合理的人間像(エコン)と実際の人間像(ヒューマン)を対峙するパートと、ある経験をしている瞬間の考えが、それが記憶され後で思い出す時には大きく影響しえず、さらに経験している時間についても記憶の中では無視されてしまうという「経験する自己」と「記憶する自己」の対峙パートを中心に構成され、最後にまとめが出てくる。
    最後はリバタリアン・パターナリズムの提唱へとつながっていく。

    電子版を細切れで読み、かつ電子版であるがゆえに引用もしづらい(苦笑)のだけど、これは面白い本だった。
    実験方法とかも豊富に紹介されているし引用も多いので、後々自分が何かやろうというときにも参考にする。

  • 友人が読んでいたのに興味をひかれて。
    読みやすく一気に…というわけにはいきませんが、
    知的な刺激に満ちた一冊と言えると思います。
    フレーミングは、日常的に相手にものを伝える際にも使えるかと。
    読んだか、読まないかで、差の出る本ではないかと思います。

  • 下巻の抜粋です。紹介しきれない・・・

    エキスパートの直感は信用できるか
    「状況が手がかりを与える。この手がかりをもとに、専門家は記憶に蓄積されていた情報を呼び出す。そして情報が答を与えてくれるのだ。直感とは、認識以上でもなければ以下でもない」
    ・十分に予見可能な規則性を備えた環境であること。 
    ・長期間にわたる訓練を通じてそうした規則性を学ぶ機会があること。
    1万時間の法則も出てきているが上の2点をクリヤーした直感は信頼性が高い。

    楽観バイアス
     アメリカでは、スタートアップが五年生き延びる確率は約三五%である。だが自ら起業した人は、この統計が自分に当てはまるとは思っていない。ある調査によると、アメリカ人起業家は事業の継続性を期待する傾向が強く、「自社と同じような企業」が成功する確率を六〇%と見込む。これは実際の数字の倍に近い。そしてこれが自社のことになると、バイアスは一段と顕著になる。起業家の八一%は、自社の成功率を七〇%以上と見積もり、かつ三三%が失敗の確率はゼロだと豪語した。
    ただ楽観主義はイノベーションの原動力でも有る。成功の秘訣は楽観主義だとしても、死屍累々の道のりなのだ。
    組織であればある程度は楽観の行き過ぎを制御できる。
    「いまが一年後だと想像してください。私たちは、さきほど決めた計画を実行しました。すると大失敗に終わりました。どんなふうに失敗したのか、五~一〇分でその経過を簡単にまとめてください」と言うのが死亡前死因分析。

    ここまでが第3部、第4部はフレーミングの効果が色々示されている。

    結果の効用の誤り
    アンソニーは一〇〇万ダカット持っています。  
    ベティは四〇〇万ダカット持っています。 
    いま、二人には次の二つの選択肢が提示されました。  
    ギャンブルを選べば、五分五分の確率で、あなたの財産は一〇〇万ダカットか四〇〇万ダカットのどちらかになります。

    プロスペクト理論
    問題1 あなたはどちらを選びますか? 
    確実に九〇〇ドルもらえる。  
    または九〇%の確率で一〇〇〇ドルもらえる。
    問題2 あなたはどちらを選びますか?  
    確実に九〇〇ドル失う。  
    または九〇%の確率で一〇〇〇ドル失う。
    問題3 あなたは現在の富に上乗せして一〇〇〇ドルもらったうえで、次のどちらかを選ぶように言われました。     
    五〇%の確率で一〇〇〇ドルもらう、または確実に五〇〇ドルもらう。
    問題4 あなたは現在の富に上乗せして二〇〇〇ドルもらったうえで、次のどちらかを選ぶように言われました。     
    五〇%の確率で一〇〇〇ドル失う、または確実に五〇〇ドル失う。
    問題3と4は選択の前後の状態は同じだが、最初にもらえる額が参照点として折り込まれるので損得に関わる感情が選択に影響する。

    損失回避は、二つの動機の相対的な強さを表すと言うこともできる。すなわち、利得を手に入れようという動機よりも、損失を避けようとする動機のほうが強いのである。このとき損得の参照点は現状であることが多いが、ときには将来の目標が参照点になることもある。

    A 六一%の確率で五二万ドルもらえる、または、六三%の確率で五〇万ドルもらえる。 
    B 九八%の確率で五二万ドルもらえる、または、一〇〇%の確率で五〇万ドルもらえる。
    期待値はどちらも先の選択が高いが、問題Bは確実にもらえる事から多くの人が100%を選ぶ。ノーベル賞経済学者も同じだった。ー
    また、多くの人が得をする場面ではリスク回避的に、損をする場面ではリスク追求的になることが知られている。

    サンクコストの呪縛(元の題は錯誤だが、呪縛の方が感じが出る)
    ある会社があるプロジェクトにすでに五〇〇〇万ドル注ぎ込んでいるとしよう。このプロジェクトは計画通りに進んでおらず、最終的なリターンも当初予想されたほどには大きくないことがわかってきた。このプロジェクトを進行させるには、あと六〇〇〇万ドルの追加投資が必要である。しかしその一方で、その六〇〇〇万ドルを新規プロジェクトに投じるという案もある。こちらのほうが予想リターンははるかに大きい。さあ、この会社はどうするべきか。

    第5部は幸福感や苦痛、快感について。いずれも絶対値ではなく前後の比較を重視してしまう。

    私たちは、苦痛にしろ快楽にしろ、その持続時間についてはちゃんと好き嫌いがある。つまり、苦痛は短いほどよいし、快楽は長いほどよい。だがシステム1の機能の一つである私たちの記憶は、苦痛または快楽が最も強い瞬間(ピーク時)と終了時の感覚とで経験を代表させるように進化してきた。また、持続時間を無視するため、快楽を長く苦痛を短くしたいという好みを満足させることはできない。

    幸福度調査で最もよく訊ねる質問「しあわせはお金で買えると思いますか?」に対して、驚くほど明確な答を得ることができた。それは、こうだ。貧しければみじめであるし、裕福であれば生活満足度は高まる。だが裕福だからといって(平均的にみて)より多くの幸福感が得られるわけではない、ということである。

  • *****
    上巻につづき、これももの凄く刺激に満ち満ちた一冊。
    人を3つの違った切り口で捉える。
    直感的な判断と思考的な判断。
    経験と記憶。
    合理性と妥当性。
    *****

  • 人間が合理的な存在ではなく、各種のバイアスから逃れられない存在だという当たり前の事実を、頭でっかちの経済学に持ち込んだ功績は計り知れない。だけど、心理学がもつある種の疑わしさ——条件を細かく切り分けて行われる各種の実験の結果をもって「人間とはこういうものである」と単純化するあやうさ——は、いかんともしがたいものがある。
    「90%の確率で100万円もらえるのと、100%の確率で50万円もらえるのと、どちらを選ぶ?」と聞かれたら、どっちもあやしすぎるからどちらも選ばないというのが、世間の知恵である。こんな仮定に仮定を重ねたような質問で、人間の何がわかるというのだろうか。
    そういう不信感は最後まで消えなかったが、それを超えて最後まで読ませるだけの力作であることは間違いない。
    モノを売る立場の人は、本書を読んで話す順番を変えるだけで、期待以上の効果が得られるかもしれない。くれぐれも悪用しないように(笑)。モノを買う立場の人も、本書を読んで相手の手の内を知っておくといいかもしれない。化かし合いがもっとスリリングになる。

  • この本に書かれていることを理解できたなら、いろんな問題を解決とまではいかなくとも、解決の手がかりは得られるのではないか。時間をおいて、再読。

  • 長いがわかりやすい。
    俗流の入門書より、本家を読むべし。

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