ファスト&スロー (下) [Kindle]

  • 早川書房
4.12
  • (48)
  • (49)
  • (20)
  • (5)
  • (1)
本棚登録 : 883
感想 : 39
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (465ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 上巻に続いて、下巻には主に「エコンとヒューマン」「経験する私と記憶する私」の対立が描かれている。
    章が多いので、全ての内容をぱっと要約するのは難しい。でも上巻に引き続き楽しく読むことができた(なんか訳者のスタイルが変わった?と思ったけど気のせいかな)。
    一番頭に残っているのは、「フレーミング効果」かな。論理的には同じ内容の問題でも、情報の提示の仕方で多くの人が選択を変えるというやつ。たとえば何もしなければ600人死ぬ感染症に「治療法Aだと確実に200人救える」「治療法Bだと1/3の確率で600人救えるが2/3の確率で1人も助からない」という二つの選択肢を提示された時、多くの人は治療法Aを選択する。ところが、同じ感染症に対して「治療法Cだと確実に400人が死亡する」「治療法Dだと1/3の確率で1人も死なずに済むが2/3の確率で600人が死亡する」という選択肢では、多くの人が治療法Dを選択する。最初の問題と2つ目の問題は、論理的には同じ内容のはずなのに、情報の出しかたを変えるだけで、真逆の選択がされてしまう。これを、同じ情報をどのような枠組みで捉えるのかで下される結論が変わる、「フレーミング効果」という。
    このほかにもアンカー効果やら平均回帰の無視やら、認知的錯視の種類は色々あるので、いつか自分用にまとめてみたい(と思ってるけどたぶんやらない)。
    ともあれ、上巻下巻を通じて得た大きな学びは、自分で考えて下したと思った結論が、実は色んな外部要因によって操作された結果なのかもしれない、と疑ってかかるべきということ。自分の判断に自信を持ちすぎず、「ちゃんと論理的な根拠があるのか」「バイアスやヒューリスティクスに陥っていないか」「個別の事象にのみフォーカスせず、総合的な判断が下せているか」などを、逐一振り返ることが大事だと思う。

  • 重かった。上から始めて読み終えるまでに結構な時間をかけてしまったと思う。
    人の知覚や認識の限界として、不合理というほどではないけれど、合理的であるとは言い切れず支援が必要として、注意が向いている内容に従って評価を下してしまうとか、経験の最後がどうだったかに全体の印象が左右されてしまうとかといった罠をわかりやすく説明していたと思う。
    一読は人に薦めたいけど、また読み直したいかというと少し腰が重いと感じるくらいには分厚い内容であった。

  • 下巻は上巻の内容を踏まえた上で様々な経済学の理論を検証している。
    正直経済学に携わるのでなければ必要ないのでは…という内容が続くので中断しました。

  • 上巻から続く、直感と論理的思考の間で生じる認知エラーに関する書籍。Audibleで拝聴。
    井戸端会議で利用されることを想定している本書は、読みやすく面白かった。

    【ポイント】
    ・ある決断をした時、「1年後に大失敗したとする。その原因は何か?」を関係者で議論する”死亡前死因分析”がある。自信過剰による過ち抑止に効果的。
    ・プロでも長期予測には確実性が無い。これは短期予測と異なり、フィードバックを得る機会が少ないため。
    ・統計的根拠に基づく意見があっても、都合の良い内部意見がある場合無視されてしまうことがある(著者の経験談)。

  • 正直話が難しい部分も多かった。具体的な実験結果を用いることで非常に身近に感じることができた。
    人は、利得よりも損失に比重をおき、それをもとに判断を下している。そのことを根本から理解し、様々なことに利用していきたい。
    他にも、効用理論には非常に納得できた。人はいい意味でも悪い意味でも慣れが生じてしまうので、それらにどう付き合っていくのかということが大切になってくる。
    上に引き続き2回目以降の熟読を通して、本書をもっと自分のものにしていきたい。

  • 〇状況が手がかりを与える。この手がかりをもとに、専門家は記憶に蓄積されていた情報を呼び出す。そして情報が答を与えてくれるのだ。直感とは、認識以上でもなければ以下でもない。
    〇人々が自分の直感に対して抱く自信は、その妥当性の有効な指標とはなり得ない。
    〇自分の判断は信頼に値すると熱心に説く輩は、自分も含めて絶対に信用するな、ということだ。
    〇常に予見可能な規則性を備えた環境であること。・長期間にわたる訓練を通じてそうした規則性を学ぶ機会があること  この二つの条件をどちらも満たせるなら、直感はスキルとして習得できる可能性がある。
    〇一定の規則性が存在しない状況では、直感は信用できない。
    〇エキスパートは、必ずしも自分の専門知識やスキルの限界をわかっていない。この点は大方の人の主観的な自信と同じである。
    〇エキスパートの直感を話題にするときは
    「この仕事に彼女はどの程度の専門知識を持っていて、どの程度の実践を積んできたのかなあ」
    「彼の直感は基準率に反してそういう直感を正当化できるほど、あの会社の事業環境に規則性があるとは思えないけど、彼は本気なの?」
    「彼女は自分の決定に自信たっぷりらしい。だが主観的な自信なんてものは、判断の確かさの指標にはならないよ」
    「彼はほんとうに学習する機会があったのだろうか。つまり、自分の判断に対して、明確かつ迅速なフィードバックをちゃんと受けてきたのだろうか」
    〇第一に、このことがあってすぐに、二つのまったく異なる予測アプローチを発見した、第二に、プロジェクト完了まで約二年という私たちの当初予想は、計画の錯誤を露呈していたことに気づいた。第三に、あの日にプロジェクトを放棄しなかったのは愚行だったと理解した。
    〇根強い心情は、統計学やチェックリストに頼るやり方は非人間的だ、といった意見の中にうかがわれる。
    〇ケース・シナリオに非現実的なほど近い。  ・類似のケースに関する統計データを参照すれば改善の余地があった。請負事業者というものは、当初計画を途中でグレードアップさせることによって、もうけの大半をひねり出す(と、彼らは顧客のいないところで認めている。)
    〇意思決定者は最終的なゴーサインを出す前に、計画案の費用対効果を現実的に評価しなければならない。
    〇外部情報に基づくアプローチを話題にするときは
    「彼は内部情報に基づくアプローチをとっている。ひとまず自分のケースを忘れて、他のケースで何が起きたかを調べるべきだね」
    「彼女は計画の錯誤を犯してあれは計画というより、ベストケース・シナリオだ。実際には計画が失敗に終わる理由はたくさんあるのに、すべて無視している」
    「この訴訟案件について、個人が外科医を医療過誤で訴えたということ以外、何も知らなかったと仮定してほしい。その場合、あなたの基準予測はどうなるだろうか。この種の案件で勝訴は何件で、和解が成立したのは何件か。和解金はどの程度か。類似の案件と比較して、この案件で原告の立場は強いか弱いか」
    「失敗を認めたくないがために追加投資をするのは、サンクコスト(埋没費用)の錯誤にほかならない」
    〇計画の錯誤は、数ある楽観バイアスの一つにすぎない。
    〇保険数理に基づく合理的な予想以上に自分の余命を長く見積もる人を対象に、調査を行ったところ、こうした人たちは長時間働き、将来の所得について楽観的で、離婚後に再婚する確率が高く(つまり不幸な経験に希望が打ち克ち)、これと見込んだ株に賭ける傾向が強いことが明らかになった(*3)。言うまでもなく、楽天的な性格のこうしたよさが発揮されるのは、楽観主義がいきすぎでない人、すなわち現実を見失うことなくプラス思考になれる人に限られる。
    〇同じスキルや資格を持っている場合、そのスキルを売り込んで雇ってもらうほうが、自分でオフィスを構えるより、平均的に高い報酬が得られる。
    〇自信過剰のCEOが発生させる損害は、業界誌で有名人扱いされているCEOの場合ほど多い。
    〇私たちは目標に注意を集中し、一度立てた計画がアンカーとなり、基準率を無視する。その結果、計画の錯誤に陥りやすい。  
    ・自分がしたいことやできることばかり見て、他人の意図や能力を無視しがちである。  
    ・過去の説明にしても未来の予測にしても、能力のせいだと考えたがり、幸運が果たす役割を無視する傾向がある。その結果、自分の能力で結果を左右できると思い込む「コントロールの錯覚(illusion of control)」に陥りやすい。  
    ・自分の知っていることを強調し、知らないことを無視する。その結果、自分の意見に自信過剰になりやすい
    〇何らかの数字を見積もる場合、私たちは頭に思い浮かんだ情報を手がかりに見積もり、それで筋の通るストーリーをこしらえてしまう。
    〇楽観主義は、社会的にも市場でも受けがいい。世間の人々も企業も、誤った方向に導くような危険な情報の提供者を、真実を伝える人よりも重用する。
    〇結果は、「絶対確実と医師が自信を持っていた生前診断の約40%は誤診だった。
    〇要するに、成功は自分のおかげ、失敗は他人のせい、というわけだ。
    〇チームがある決定に収束するにつれ、その方向性に対する疑念は次第に表明しにくくなり、しまいにはチームやリーダーに対する忠誠心の欠如とみなされるようになる。とりわけリーダーが、無思慮に自分の意向を明らかにした場合がそうだ。こうして懐疑的な見方が排除されると、集団内に自信過剰が生まれ、その決定の支持者だけが声高に意見を言うようになる。
    〇楽観主義を話題にするときは
    「彼らはコントロールの錯覚に陥っている。不都合な要因をひどく過小評価しているせいだろう」
    「彼らは競争の無視をしていたため、いまになって窮地に陥っている」
    「彼らは自信過剰だね。自分たちが実際に知っている以上のことを知った気になっているらしい」
    「われわれは死亡前死因分析をやるべきだと思う。そうすれば、われわれが見落としていたリスクに誰かが気づくかもしれしれない」
    〇ある刺激の強さが所定の倍数(たとえば1.5倍、10倍など)で増加するときには、心理的な尺度でも同じ度合いで感じる強さがある。
    〇ベルヌーイの誤りを話題にするときは
    「彼は3年前には2万ドルのボーナスをもらってすごく喜んでいた。だが彼の給与はあれから20%も上がっているのだから、もっとたくさんボーナスをもらわないと、同じ効用を感じることはできないよ」
    「応募者は二人ともこちらが提示した報酬をすんなり受け入れた。だが参照点がちがうから、二人とも同じように満足するとは思わない。片方の応募者の現在の給与は、もっとずっと高いのだからね」
    「彼女は扶養料を求めて離婚した夫を訴え彼女はほんとうは和解で手を打ちたかったのだが、夫のほうが裁判で決着をつけたがったらしい。まあ、当然だろうね。彼女はもらう側だから、リスクを回避する。一方、夫の側はどう転んでも悪い目ばかりだ。となれば、あえてリスクをとることにした」
    〇プロスペクト理論を話題にするときは
    「彼は損失回避の傾向が強すぎて、ものすごく有利なチャンスまで断ってしまった」
    「彼女は途方もない財産を持っているのだから、ささいな損得に感情的に反応するのは意味がないと思うけど」
    「彼は損失に利得の二倍の重みをつけているが、これはごくまともな反応だ」
    〇評価に当たっては、プラスよりもマイナスに強く反応し、現状より悪い変化は受け入れまいとする。すなわち損失回避的になる。
    〇保有効果を話題にするときは
    「彼女、最初はどっちのオフィスでもいいと言っていたんだ。だけど、いったん決めた翌日に交換してくれと頼んだら断られた。保有効果だな」
    「この交渉はどうやら決裂しそうだ。どちらの側も、それなりに見返りがあるにもかかわらず、一歩も譲歩しようとしない。得るものより失うものにこだわっている」
    「もし製品の値上げをしたら、需要は激減するだろう」
    「彼は、買値以下で売るのは絶対にいやだと言って損失回避が働いているのだ」
    「彼は度を越したけちだ。何であれ、金を使うのは損だと思い込んでいる」
    〇人間に限らず動物の脳には、悪いニュースを優先的に処理するメカニズムが組み込まれているからだ。
    〇人間関係を長期的にうまくやっていくためには、よいことを追い求めるよりも悪いことを避けるほうがはるかに大切だ。
    〇損失回避は現状の変更を最小限にとどめようとする強い保守的な傾向であり、組織にも個人にも見受けられる。
    〇恥ずべき不公正として非難される行為と「容認できる」行為とを峻別することが重要である。
    〇社会の秩序や公正の原則を維持すること自体が、人間にとって心地よさという見返りをもたらす。
    〇損失を話題にするときは
    「この改革案は可決されないだろう。失うものの多い側が、利益を得る側よりも激しく抵抗するにちがいない」
    「どちらの当事者も、相手方の譲歩は自分の譲歩ほど苦痛ではないと考えており、もちろんどちらもまちがっている。これは単に、損失の非対称性が原因だ」
    「パイが実際には大きくなっていると双方が気づいたら、契約の再交渉は容易になるだろう。損失を割り当てるのではなく、利得を割り当てることになるのだからね」
    「このあたりでは、最近家賃が上がった。だが既存のテナントは、自分たちの家賃まで上がるのは納得できないと考えている。現行条件の維持は当然の権利と受け取られているからだ」
    「私は最近料金を上げたが、クライアントから不満の声は聞かれなかった。みんな、コストが嵩むようになったことを知っているからだ。事務所をやっていくだけの利益を確保することは私の権利だと、認めてくれている」
    〇危険に気づいたとき、あなたは不安になる。そして危険にどう対処するかを決めるとき、この不安の度合いが重みづけに反映されることになる。
    〇第一は、人々は富の状態ではなく利得か損失かを重視すること、第二は、起こりうる結果に対して人々が割り当てる決定加重は、結果の発生確率とは異なることである。
    〇下欄では可能性の効果が働く。宝くじが人気なのはこのためである。最高賞金額が非常に大きいとき、人々は当たる確率が非常に低いことを無視する。宝くじは、可能性効果の端的な例である。買わなければ当たる確率はゼロだが、買えばチャンスが生まれる。そのチャンスがどれほど小さかろうと、気にならない。人々は単に当たる確率ではなく、心楽しく夢を見る権利を買うのである。
    〇リスク回避的な原告とリスク追求的な被告が和解交渉に臨むと、被告のほうが強気になる。そして和解金額には被告の強い交渉力が反映され、原告は、訴訟の統計的な結果を下回る額で手を打つことになるだろう。
    〇ありそうもない結果をつねに過大視するのは直感的意思決定の特徴であるが、最終的には好ましくない結果をまねく。
    〇四分割パターンを話題にするときは
    「彼はほとんどあり得ないような損失を避けるために、嫌がらせ訴訟の調停に応じようとしている。わずかな確率に重みをかけすぎているんだ。」
    「一度譲歩したら同じような問題が次々に発生しかねないのだから、ここで弱みを見せないほうがいいと思う」
    「土壇場まで交渉を長引かせて、休暇を危うくするのはまっぴらだ、確実に交渉を成立させるために、金を出す用意はある」
    「収支尻を合わせるチャンスが残されている限り、彼らは損失確定をするつもりはないらしい。損の可能性が高いときは、どうしてもリスク追求的になるものだ」
    「ガス爆発のリスクはごく小さい。そんなことはわかっているのに、そのリスクをさらに減らしたがるのは、確実性の効果だ。それにたぶん、心の平安を手に入れたいんだ」
    〇分母の無視から予想できるように、相対的な頻度(〇〇人に〇人、〇〇回に〇回など)で表現するほうが、抽象的な「確率」「可能性」「リスク」などの言葉を使ったときより、確率の低い事象が過大に重みづけされる。
    〇こうしたわけで、記述の仕方によって操作する余地が生まれる。そのことを心得ていて抜け目なく活用する人はめずらしくない。
    〇注意を集中しているときや記述が顕著なときには、確率の低い事象の過大評価と起こりそうもない結果の過大な重みづけが起きやすいことが知られている。
    〇稀な出来事を話題にするときは
    「津波は、日本でもごく稀にしか起きない。だがそのイメージがあまりに鮮明で真に迫っているので、観光客でさえその可能性を過大評価しがちである」
    「これは、大災害によくあるパターン最初は、発生確率を大げさに考えて過大に重みをつける。ところが時が経つうちにはすっかり無視するようになる」
    「たった一つのシナリオにこだわるべきではない。さもないと、その発生確率を過大評価することになりやすい。別のシナリオも想定し、そちらが起きる確率も見積もるべきだ。もちろん合計が100%になるようにね」
    「彼らは市民を不安に陥れようとしている。だから、1000人に一人は死ぬなどと言うのだ。分母の無視の効果を活用しているんだ」
    〇じつのところ、複数の決定を一つにまとめて扱える場合には、いつでもそうするほうがよい(少なくとも悪い結果にはならない)。
    〇次の呪文を唱えるなら、大きな金銭的見返りを手にできるだろう。それは、『小さく勝って小さく負ける』という呪文。
    〇損失回避と狭いフレーミングが重なると、結局は高いものにつく。この呪いを防ぐには、個人投資家は広いフレーミングで考えるように努め、感情反応を抑えるとよい。それと同時に、自分の投資の成り行きをチェックする回数を減らせば、時間の無駄も苦痛も減らすことが出来る。
    〇リスクポリシーを話題にするときは
    「彼女にトレーダーのつもりで考えろと言ってくれよ。小さく勝って小さく負けるんだ」 「自分のポートフォリオは四半期に一度しか評価しないことにしたよ。毎日相場とにらめっこしていたら、重大な決定を下すときに、ひどく損失回避的になってしまうからね」
    「彼らは延長保証は買わない。それがリスクポリシーなんだ」
    「ウチの会社の役員は、それぞれの担当事業に関してはひどく損失回避的だ。これはまったく自然なことではある」
    〇その結果、会社全体としてリスクテークにあまりにおよび腰になっている。
    〇取締役会は、新しいCEOのほうが有能だと必ずしも確信しているわけではない。だが新任者のメンタル・アカウントは前任者とちがうので、今後の決定に際して過去のサンクコストを容易に無視できることは、わかっている。
    〇後悔は感情の一つだが、それは同時に私たちが自分自身に課す罰でもある。後悔だけはしたくないという恐れは、人々が下す多くの決定で一つの要因になっている。
    〇日常生活のいくつかの場面では、損失は利得の約二倍の重みをもつ。
    〇じつのところ、トレードオフへの抵抗は、子供の安全を最適化したいという願いよりも、あとで後悔したくないという利己的な恐れに動機づけられている場合が少なくない。
    〇いちばん効果的なのは、予想される後悔をあらかじめ書き出しておくことだ。そうすれば、悪い結果になったとき、自分は決定する前にちゃんとその可能性を考えておいたのだと思い出し、あまり後悔に苛まれずにすむ。
    〇メンタル・アカウンティングを話題にするときは
    「彼は、現金とクレジットカード用の買い物資金を心の中で別々の勘定に記帳している。私に言わせれば、お金はお金なんだけどね」
    「われわれは、自分の中の勘定を赤字で締めたくないというだけの理由で、その株を持ち続けている。これは気質効果だ」
    「あのレストランで、すばらしくうまい料理を食べたことがある。で、それ以来ほかのメニューは頼んだことがない。後悔したくないからね」
    「店員がいちばん高いチャイルドシートを見せて、これがいちばん安全だと言った。そうなったら、安いやつは買えなくなってしまった。トレードオフをタブー視したわけだ」
    〇比較対照を行う並列評価では必然的にシステム2が働くので、単独評価よりぶれない判断が期待できる。単独評価の場合には、システム1の感情反応が強く反映されるため、一貫性を欠いたないようとなる。
    〇選好の逆転を話題にするときは
    「いくら出力が大きいと言ったって、他のエアコンと比べてみなけれ意味がない。大事なのは並列評価だ」
    「彼女の今回のスピーチがすばらしいとあなたは言うけど、それは彼女の昔のスピーチと比べているからでしょ。他の人と比べたら、てんでへたくそだわ」
    「フレームを拡げると、より合理的な決定を下せることはよくある」
    「一つひとつのケースを単独で取り上げると、システム1の感情反応に左右されやすい」
    〇意味には別の捉え方もある。それは、ある文章を読んで理解したときにあなたが連想したことこそがその文章の意味であるという捉え方である。
    〇ヒューマンの判断は客観的事実の縛りを受けず、事実よりも言葉遣いや表現に左右される。
    〇医師であっても、医学の専門教育を受けていない人たち(患者およびビジネススクールの学生)と同じぐらいフレーミング効果に惑わされることである。
    〇より広いフレーミングで考え、より一般的なメンタル・アカウントに計上すれば、おおむね妥当な決定に到達するものである。
    〇この重要な質問の形式におけるフレーミング効果が原因なのである。
    〇フレーミング効果と客観的事実を話題にするときは
    「損失ではなく利益という言葉を使って結果を表現すれば、回答者は好感を抱くだろう」 「参照点を変更して、問題をフレームし直すほうがいい。まず、それを持っていないとしたら、それを手に入れることにどの程度の価値を見出すだろうか?」
    「その損失は、メンタル・アカウンティングで一般収入という勘定に計上するといいよ。そうすれば、気が楽になるはずだ」
    「彼らのやり方では、メーリングリストに登録したくない人だけチェックマークを入れることになっている。もし登録したい人だけチェックするなら、登録者数は激減するだろう」
    〇どの場合にも、合計ではなく平均や基準や代表性にこだわるシステム1が働いている。
    〇二つの自己を話題にするときは
    「君は、破綻した結婚のことを、記憶する自己の視点からだけ見ているね。でも、離婚は長い交響曲の最後の雑音のようなもの。最後が悪かったからといって、全部が悪かったことにはならないよ」
    「これは、持続時間の無視の悪い例だ。あなたは、よいことと悪いことが半々だったと言うけれど、実際には、よいことは悪いことの10倍長かったじゃない」
    〇物語とは重大な出来事や記憶に残る瞬間を紡ぐものであって、時間の経過を追うものではない。
    〇自分の人生の物語である。それがよい物語であってほしいと強く願うし、死んでからも見苦しくない主人公でありたいと願う。
    〇物語としての人生を話題にするときは
    「彼は躍起になって高潔な人生という物語を維持しようとしている。だが、つい先日の不祥事で台無しになりそうだ」
    「一夜の出会いにあんなに重みをつけるのは、持続時間の無視の現れだね」
    「せっかくの休暇なのに、君は思い出づくりに全精力を傾けているように見えるよ。ちょっとカメラを脇に置いて、この瞬間を楽しんだらどうだい?」
    「彼女はアルツハイマーの症状を呈していて、もう人生の物語を覚えていない。それでも彼女の経験する自己は、やさしさや美しさに敏感に反応している」
    〇フローは、芸術家が創作活動をしているときなどに感じる状態である。ふつうの人も、映画や演劇、読書、あるいはクロスワードパズルに我を忘れるようなとき、フロー状態にあるといえる。
    〇仕事中の気分を決定づけるのは、福利厚生や地位といった、一般的な仕事満足度に影響する要因ではない。もっと重要なのは、同僚とうまくいかない、周囲の音がうるさい、時間に追われている(ネガティブな感情を抱く主因である)、上司がすぐ近くにいる(最初の調査では、孤独であることの次にネガティブな要因だった)といったこと。
    〇貧しければみじめであるし、裕福であれば生活満足度は高まる。だが裕福だからといって(平均的にみて)より多くの幸福感が得られるわけではない、ということである。
    〇経験する自己の幸福感を話題にするときは
    「政策は、国民の苦痛を減らすことを目標とすべきだ。われわれは社会全体のU指数を引き下げることをめざす。したがって、抑圧や極度の貧困に取り組むことが優先課題となる」 「ハッピーになるいちばん簡単な方法は、時間の使い方を自分でコントロールすることだ。自分の好きなことをする時間を増やせばいい」
    「所得がある水準を超えると、お金で買える楽しみは増える反面、安上がりなことで楽しむ力をいくぶん失ってしまうようだ」
    〇幸福を感じる気質というものは身長や知能のように遺伝することが、出生時から離れて育った双子の研究で判明している。
    〇あなたがあることを考えているとき、人生においてそのこと以上に重要なことは存在しない。
    〇生活評価を話題にするときは
    「すごい車を買えばしあわせになれると彼女は思っていたらしいけど、それは感情予測のエラーだったことがわかった」
    「通勤の途中で車が故障して、彼はすっかり不機嫌になっているんだ。こんな日には仕事満足度を彼に訊ねるべきじゃないね」
    「彼女はいつも明るくて元気がいい。ところが生活満足度を訊かれたら、とても不幸だと言うんだ。その質問で最近の離婚のことを思い出したからだろう」
    「大きな家を買っても、長期的にしあわせになれるとは限らないわ。私たち、焦点錯覚にとらわれているのかもしれない」
    「彼は時間を二分して二つの都市を行き来することに決めた」
    〇誤った願望の重症例だと思う。
    〇合理的であるかどうかを決める唯一の基準は、その人の考えや好みがまともかどうかではなく、その人の中で一貫性があるかどうか、ということなのである。
    〇ヒューマンは、意図的に弱みを突いてくる他人からの保護を、エコン以上に必要とする。この弱みとは、端的に言えば、気まぐれなシステム1と怠け者のシステム2である。
    〇難しい質問の答を探すときには、ただちに似たような質問の答を探し、容易に思い浮かんだほうの答でもって本来の質問の答にする。
    〇これがヒューリスティクスで「自分の見たものがすべて」の思い込みや、次元のちがうもの同士の主観的なレベル合わせ、連想一貫性といったシステム1の動作特性は、予測可能な、つまり系統的なバイアスや、認知的錯覚を生み出す。アンカリング効果、平均回帰の無視、自信過剰等々である。
    〇ことエラーの防止に関する限り、組織のほうが個人よりすぐれている。
    〇建設的に批判するスキルには、的確な語彙が欠かせないことである。
    〇オフィスでの井戸端会議が質的に向上し語彙が的確になれば、よりよい意思決定に直結する。
    〇失敗する起業家は、自分は過去の失敗に多く学んだという誤った自信を持ち続けていたのだろうと考えられる。
    〇視界が悪くて輪郭がはっきり見えないときには、距離を多めに見積もりやすい。反対に、視界がよく輪郭がくっきり見えているときは、距離を少なめに見積もりやすい。
    〇だが実際には、逸脱は偶然のプロセスの進行に伴って「修正」されるのではなく、拡散されるにすぎない。
    〇第1に、回帰が必ず起きる状況で回帰を予想できない。第2に、回帰が起きたことを認識しても、誤った因果的説明を発明してしまうことが多い回帰の影響を見誤ると、叱る効果を過大評価し、誉める効果を過小評価することになる。
    〇第1は、代表性ヒューリスティックで 第2は、事例またはシナリオの利用可能性ヒューリスティックで第3は、アンカーからの調整である。
    〇一般に、期待値が高いか同等のギャンブルよりも確実な結果を選ぶことをリスク回避、確実な結果よりも期待値が低いか同等のギャンブルを選ぶことをリスク追求という。
    〇われわれがリスク回避と名付けたもので、Xドルの利得を好む以上にXドルの損失を嫌う直感を表している。
    〇あらゆる合理的選択の分析は、優越性と一貫性という2つの原則を内包している。優越の原則は、選択肢Aが選択肢Bとあらゆる面で少なくとも同等で、かつ少なくとも1つの面でBよりすぐれているならば、BよりAを選ぶことを要求する。一貫性の原則は、選択肢の選好順位が記述方法に左右されないことを要求する。
    〇一般に、損失回避性によって変化よりも安定が好まれる。

  • ファストは直感、スローは思考。直感は労力なく素早く正解が導き出せて優秀だが、大きく勘違いする事もある。そしてその勘違い理屈で理解してもなお勘違いする。
    思考は優秀だが時間も掛かるし疲れる。そんなお話。下巻はプロスペクト理論の話が多かったよう。話が難しくて理解の追いつかないところもあったけれど、ボリュームたっぷり満足。
    興味深かったのは、チケットを紛失vsチケット代紛失の話、母数の割合が大切な事、前例での割合調査を考えておくのが重要な事、説明方法で大きく印象が変わる事。

  • ○基本情報
    読了期間︰2022年5月
    著者など︰ダニエル・カールマン
    ジャンル︰啓発系
    ページ数、時間︰分厚いサイズ文庫本 x2。
    目的:カジュアルインプット。目に留まったからという感じ。

    ○感想
    上巻と同じ目的。
    人間の思考の癖を少しでもパターン化して理解するために非常に有益なツールになったという印象。
    上巻に比べて、個別の実験結果(プロスペクト理論)にかなりの分量を割いており、その意味では上巻よりくどい印象。
    しかしながら読み応えがあり、本の攻勢も大変整理されていて読書経験が残りやすく、個別のトピックや語の定義の理解などについてmお、得るものが大きかった。
    特に印象的な項目は以下の通り。
    ・「スキルの錯覚」。検証と反復可能で、フィードバックが受けられるような比較的短期の予想については、パターン認識の仕方が高度化される(プロの経験)。しかし、それとは真逆のものについては(政治や市況の長期予想など)、経験と予測精度の因果関係はほとんどないのである。
    ・一般的な人間のリスク性向のパターンと、合理的な市場における違い。過度に利益についてリスク回避的、損失についてリスク追及的になれば、代償を払うこともある。
    ・小確率事項の過大評価。一方で、「リスクは顕在化すれば最初は過大評価され、時がたつにつれてすっかり無視するようになる」
    ・「幸せを感じる能力」は一種の才能ではあろう。しかし教育や認知の強制努力、目標設定の置き方など、対処の仕方も多少はある(自分はそう思っている)。
    ・「焦点錯覚」という、見たものがすべての認識の一種。隣の芝は青く見える。

    ○引用・まとめ
    ・我々は、知らないことは無視してしまう。
    ・あなたはなぜチェックリストを使わないのか?アトゥール・ガワンデ著

    3章.自信過剰(上巻分含む)
    ・私たちが納得できる因果関係のストーリーは、現実よりもとても単純である。実力と結果の相関関係が1.0のビジネス書などが、例えばそれである。
    ・過去のことを理解するうえでも、特に目立つ一要素を取り出して、それを結果の因果として紐付ける。
    ⇒抽出した要素以外のものが現実には作用していたのである。見たものがすべてだから、運要素などは抽出しようもない(グーグルのストーリー)。
    ⇒この因果関係の設定の仕方が誤りであれば、過去を参照した将来予測も誤るだろう。
    ・「私は知っていた」:結果をみてそれを咀嚼して、認識を改める。一般にの限界として、過去における自分の理解の状態や過去の認識の仕方を正確には再構築できない。

    ・イスラエル軍隊の幹部候補抽出の仕事の例:そこで判断されたのは、良い幹部になるためごく一要素の検討に過ぎなかった。代表制ヒューリスティックに陥っていたし、平均回帰も全く考慮していなかった(妥当性の錯覚)。
    ・「スキルの錯覚」:上場市場でのFMのスキルと結果の因果について。ストックピッキング能力は、市場を出し抜けるということを過信し、結果とスキルの相関関係を過剰に見積もっている。
    ⇒しかし、それがわかっていようが、業界の大前提に疑問を呈するような主張は、業界が存続する限りはなかったことにされるのである。
    ⇒金融に限らず、例えば政治評論家が将来予測をする場合などでも、経験値との相関はほぼ見られないのである。
    ・将来の予測において、上記のような特に込み入ったものは、数個の因果要因では決して説明できないのである。世の中的には、単純明快にストーリーを構築してくれたほうが受けが良いのは間違いないが。
    ・短期の予想についてはプロフェッショナルスキルが役立つケースが多々あるが、長期予想は変動が大きすぎて不可能だ
    ・直観vs簡単なアルゴリズム:不確実性が極めて高い将来予想について、専門家の予想よりも、いくつかの要素を抽出した機械的なアルゴリズムのほうがまだマシ、である。
    ⇒アルゴリズムが精度が高いというわけではない。相対的に精度がましであることが多い、ということである。
    ⇒人間の下す判断は、同じ情報でも、特に複雑なものを扱う際はまったくもって判断が首尾一貫しない。システム1の影響は周囲に大きく影響されるからである。
    ・もっともこの結果は、予測対象の複雑性や、時間軸によりけりである。短期の予測なら、専門家の予測がはるかに高パフォーマンスであったりする(専門対象要素以外の要因の影響が少ないからか?)。
    ・死亡前死亡分析。どのような過程で大失敗するか予想を立てると、過度な楽観主義に多少のブレーキをかけられるだろう。

    4章.選択
    ・エコンとヒューマン。実際の意思決定は100%数学的に有利な選択をとるわけではない(ギャンブルの損失回避とリスクの釣り合い)。行動経済学の芽生え。
    ・金銭のプラスマイナスについて、効用は富の状態(絶対水準がどこにあるか)から生まれるわけではなく、富の変化からうまれる。
    ⇒今の貯蓄や同僚のボーナスなど、何かしらの「参照点」があって、それに対してプラスかマイナスかという判断をするのが、人間の一般的な性向だ。
    ・個人の人間の修正としては、プラスになる機会より、マイナスになる損失をより恐れる。傾きの深さに個人差はあるが、損失の際のマイナスの効用のほうが、プラスのそれよりも深い。
    ・「リスク性向の四分割パターン」:手堅い利益は上げることは(期待値が非常に高ければギャンブルにしたくない)求めるが、手堅い損失を負うことは求めない。低い確率で利益が上がること(宝くじ)は求めるが、低い確率での損失は恐れて求めない。
    ⇒無理な離婚調停、有利な損害賠償の調停を却下、保険を掛ける、など。
    ・テロや事故爆発など、確率が極めて低いのに、一度センセーショナルな意識が植えつけれらると過大評価してしまう。
    ⇒「最初は発生確率を大げさに見積もるが、そのうちすっかり忘れ去られてしまう」
    ・四つ(2x2)の選択の組み合わせと、統合した選択の優劣。「過度に利益についてリスク回避的、損失についてリスク追及的になれば、代償を払うこともある。」
    ・毎日変わっていく利益損失をモニタリングしていれば、一般にとても損失回避的になってしまう。
    ・メンタルアカウンティング。同じ額の費用や損失を、その発生の背景や経緯に応じて、認識を変えてしまう。合わせてリスク性向も変えてしまう。

    5章.二つの自己
    ・経験自我と記憶自我。
    ・ある経験における、「ピーク・エンドの法則」。ピークとエンドの快と不快の「記憶」によって、経験の優劣を後から振り返ってしまう。それを継続的に「経験」した自我の体験は、ピークエンドだけがすべてでないことは明らかなのに。
    ・年収と幸福の閾値。さほど高くない年中を超えると、幸福や人生への満足度が相関しない。
    詳しい理由は不明だが、各種実験やアンケートでは、一般にこのような結果が頻出する。⇒快を経験できる頻度が増えると、楽しみを味わく能力が減っていく?
    ・幸福感(生活満足度)は、生まれ持った性格や遺伝によって決まる部分も大きい。「幸せを感じる能力の才能」
    ・若い時に金銭的な豊かさを重視した一流大学の学生は、それを達成する可能性が相対的にだいぶ高かった。そういう人は所得と生活満足度の相関が、そうでない人より高い。
    それを達成できている人の生活満足度はかなり高いが、望みながらも達成できなかった人の満足度はとても低い。
    ・「焦点錯覚」という、見たものがすべての認識の一種。実際にそれを体験してみると、そうでもないことが多々あるようだ。

    最後に
    ・「ヒューマンは、意図的に弱みを突いてくる他人からの保護を、エコン以上に必要とする」
    ・経験が素人よりも統計的に有意義なアウトプットを出せる「プロフェッショナルなスキル」を磨きたければ、練習と実践を繰り返し、迅速かつ明確なフィードバックをかけ続けるしかない。
    ・システム1は、ヒューリスティックによって、自信たっぷりな回答をすぐさま我々の脳内に導き出す。それがだ足しいかどうかは、思考をスピードダウンさせるしかない。
    ⇒万能な解決法があるわけではなく、筆者自身も「いかにもれらーが起こりそうな状況を認識しる能力を高めた」のが精いっぱいなのである。
    ・チェックの定型化など、明瞭な基準で機械的な判断をとりいれるのが、一つの対処法。

  • 【XD推薦図書】
    いっけん矛盾したように見える行動の裏にも、そのように動いてしまう人間の行動原理や仕組みがある。
    ユーザ理解の前提となる人間の行動原理を理解するのを助ける本。

  • 下巻は前書き通り経済の現場についてであった。しかし、教科書を作成する時の見込みと実際の問題とのギャップが2年から6年以上ということは現実味がある。
     中谷内のリスク心理学の推薦本であったが、リスクの内容だけであったら上巻だけでいいかもしれない。
     認知の問題を現実生活の状況で卒論を書く場合には参考になると思われる。しかし、概略だけなので原注を参考にして論文に当たるのがいい。

全39件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

心理学者。プリンストン大学名誉教授。2002年ノーベル経済学賞受賞(心理学的研究から得られた洞察を経済学に統合した功績による)。
1934年、テル・アビブ(現イスラエル)に生まれへ移住。ヘブライ大学で学ぶ。専攻は心理学、副専攻は数学。イスラエルでの兵役を務めたのち、米国へ留学。カリフォルニア大学バークレー校で博士号(心理学)取得。その後、人間が不確実な状況下で下す判断・意思決定に関する研究を行い、その研究が行動経済学の誕生とノーベル賞受賞につながる。近年は、人間の満足度(幸福度)を測定しその向上をはかるための研究を行なっている。著作多数。より詳しくは本文第2章「自伝」および年譜を参照。

「2011年 『ダニエル・カーネマン 心理と経済を語る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ダニエル・カーネマンの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×