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- / ISBN・EAN: 4988013219465
感想・レビュー・書評
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今現在起きている円安が一時的なものか否かは分からないが、たとえ一時的なものだとしても、長い目で見ればやはり円の価値はゆっくりと下がっていくのだろう。
この作品の舞台は、かつて円が世界で一番価値のあった時代の日本である。この作品自体が「かつて…」という回想の体裁で始まる。そして僕は高校生だった1996年にこの小説を読み、2000年頃に一度映画を見ているため、昔を思い出すようにこの作品を見た。回顧する作品を通して、自分も過去を振り返るような時間だった。
殺伐とした場所で生きる登場人物たちは、生きるために手段を選ばない方法により富を得て、大きな夢も叶えたかに見える。しかし手段を選ばなかったが故に、また自分の出自故に、その夢も潰えてしまう。夢を見る、あるいは欲望を持つ人間の清濁と、お金に対する愛憎が鮮烈に描かれているため、見るのにエネルギーが要る、悪く言うと見るのに疲れる作品ではある。ラストシーンで、亡くなった仲間に花を手向け、自分たちの手で火葬する。その炎の中に、アゲハは偽造紙幣で得たたくさんの(本物の)紙幣を投げ入れた。一緒に生きてきた仲間の命とともに、欲しくて仕方なかったはずのお金(円)は空へ登っていく。この印象的なシーンと、今聞いても十代の頃を思い出させてくれるYEN TOWN BANDの音楽が一番の救いだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
swallowtail butterflyの歌が好きでいつか見たいなと思ってた作品。
けっこうグロテスクな描写もあって、好き嫌いは分かれそう。
ただ、このドロドロしてるのに微かに透明は雰囲気はなんとも独特。Charaがとっても魅力的。