人間は考えるFになる (講談社文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 話法は異なるがどちらも相手に対して言いたい放題、意味なしジョークなんでしょうけど( ´艸`)
    土屋氏に対し、揺るぎなく常に一本筋が通っている(一本しか通ってない)、まだこの話をしているのかというぐらいひぱっていると。
    土屋氏最新エッセイで確認しなければ(笑)

    森氏に対しては揺さぶり(?)をかけて「カマトトですね。知っているじゃないですか」とやんわり。
    どうしても楽して本を売りたいその秘訣を聞きたい土屋氏と、犀川のようにうっすらピントをずらした話で真正面から堪えない森氏、おもしろい。

    でも自分の小説の書き方は言及されていた。

  •  森博嗣先生のことについては、著書を51冊読んできたので、それなりに知っているつもり…土屋賢二先生については、まったく知らない状態で読み始めた。最終章の「そこに論点があるか、あるいは何もないか」では、編集者らしき人物が二名登場し「テーマに沿ってお話をいただきたい」という発言もあるが、最後までテーマが何か、それとも何もないか、解らないまま終了した。しかしながら、このスパーリング?が、ある意味で最高レベルのパフォーマンスだと思ったのは、ここで語られている瑣末な話題の中に垣間見える論点が極めて哲学的であったから…

     期待していなかったのですが、読んで楽しい内容でした。対談に限らず、インタビューでもそうですが、読者に紹介したい人物の魅力を引き出すには、対談する人物同士、あるいはインタビュアーが魅力的な人物でなければなりません。土屋賢二さんは、自虐的に自己開示するという「肉を切らせて骨を断つ」かのような必殺技で、森博嗣さんが普段見せない断面を見せてくれています。

     後半にインサートされている土屋賢二さんのショートショートは、犀川先生の意味なしジョークに勝るとも劣らない詰まらなさですけれども、しがらみに苦しむ(私たち)凡人は、解脱した先生方の対談を読むことによって、まるで太陽の光が射しこむように、雰囲気がパッとした明るくなり、「こんなところに窓があったのか!」と気づかせてくれる力があります。

     >文系教授(哲学)・土屋賢二と理系助教授(建築学)・森博嗣。発想も思考も思想も性質もまったく異なる二人が、6回にわたって行ったトークセッション…という紹介文に惹かれて手に入れた本ですが、土屋賢二さんの趣味であるジャズのセッションのように手練れのミュージシャンが繰り出すフレーズに心が揺さぶられます。

     好きな作家さんのことを、その作品だけではなく、対談でも知ることができる。ということは、読者にとって、この上ない喜びです。ましてや、対談の相手が作家さんの魅力を引き出してくれる方なら尚更です。森先生のファンなら、是非お手に取られることをお薦めします。

     どうしたら売れるミステリーが書けるのか?という土屋賢二さんの疑問に、森博嗣さんが回答している場面に多くのページが割かれているわけですが、それを読んでいる私は、やっぱり魅力的な主人公を描き、読者がその主人公に感情移入しやすいような仕掛けをつくることだと思うのでした…

     森先生の生き方は、自分に対してもとても客観的で、興味深いです。やっぱり、面白い話が描ける人は、普通の人に比べると、とっても良く考えた結果、他者と自分自身を対等かつ客観的に見つめることができるのだな。と改めて思いました。

     本当に、この本に書かれているような方法で、執筆されているとしたら…やっぱり森先生って凄すぎます('◇')ゞ

  • 森さんが自分の学生時代の教授との距離感として「知識の塊」「辞書」だと考えていたというのに理系脳を感じて笑えた。
    ジェネレーションギャップは10歳位が一番差を感じて20歳程離れるとヒトマワリして似てくるというのだがそれはどうかなぁ・・・。20歳も離れると親子になってしまって心に余裕が出る分相手に対して受け入れ態勢ができるのかもしれない。
    土屋先生の自分を徹底的に俯瞰した自虐笑いと森先生の淡々とした語りが小気良い
    楽しいエッセイでした。

  • いるんだな、こういう人

  • すっかり好きな作家さんの一人になった森博嗣さんと、実はお名前も知らなかった土屋賢二さんの対談集。
    kindleセールで見かけてレビューが良かったので購入。
    最初は土屋さんを知らなかったので自虐ネタにとっつきにくさを感じつつ、途中からはお二人の掛け合いにハマって一気読み。
    「友達」と「ミステリ」のテーマが特に面白かった。
    そして、お互いの短編。土屋さんが対談中にさんざん「難しい!無理!」と連呼していたのでワクワクしながら読んだら、意外と面白くてびっくり。流れるような掛け合い漫才にすらすら読めた。
    でも……やっぱり森博嗣はスゴイ(笑)
    森さんの短編はがっつり騙されて(おかしいなーと違和感は最初からあったんだけど)読後すかさず読み直し。
    あー。もうほんとこの人は(笑)ヤラレタ。
    森博嗣の作品をだいぶん読んできたから、このヤラレタ感にはただただニヤニヤするのみ。
    ほんと面白い。

    そして土屋さんのエッセイが木になる今日この頃。kindleで探してみよ〜

  • 大学教員の二人のお話は参考になる.
    なるけれど,若干ギスギスしているような感じもして,この二人,実は仲が悪いんじゃないかなぁと思わせる.二人とも変な人だから,本当の所は,よく分からないんだけど.
    たぶん森博嗣さんが本人も認めるとおり非社交的すぎるというか,合理的すぎるんだか幼稚すぎるんだか,そのせいだろう.

    対談の後に収められている土屋さんのミステリ小説は面白い.
    ただ,その後ろにくる森博嗣さんの文章のせいか,どうも読後感は良くない.

  • 幕間第2段。 気になってたタイトルなので、この機会に。 両先生の会話は基本的にズレが生じる。お二人の根本の観点に違いがあるせいだが、これは自分も初めて工学部の教授と話した時に経験した。「要するにあなたの言わんとする事はこうでしょうか?」といった確認が至る所でされる。理系の先生はこういう感じなのかな。(説明がクドいのも テーマとして微妙なのも多かったけど、ファンサービスということで。 「そういうときに、一カ所間違えておくんです。それを発見すると事務の人も安心して、他のチェックが甘くなる。」

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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