ディア・ピョンヤン [DVD]

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監督 : ヤン・ヨンヒ 
出演 : ナレーション:ヤン・ヨンヒ 
  • 角川書店 (2013年3月21日発売)
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988111243591

ディア・ピョンヤン [DVD]の感想・レビュー・書評

  • 雪を溶かすのは炎ではなく、繰り返す昼の時間

  • 在日コリアン二世のヤン・ヨンヒ監督。が、彼女の家族を撮ったセルフドキュメンタリー。個人的な家族についての記録や回想が、否応なしに国家や大文字の政治の話に接続されてしまうのは、同じく在日コリアンの主人公の恋愛を描いた金城一紀の小説「GO」を思い出す。

    だけれども、あの映画を観た感想としてまず言いたくなるのは、「アボジかわいい」ってことね。朝鮮総連の幹部として長年活動してきた監督のパパもいまや「ザ・好々爺」みたいな感じで終始ニコニコしてるし、オモニと仲よさげにしてる様子とか、娘とのやり取りなどは、見てて非常に微笑ましい。

    撮影をしているヨンヒは、アボジの四番目の子どもで朝鮮学校を出ているけれど、アボジとは思想が合わない。かつて韓国籍を取得しようとして、父親に猛反対されたことなどがナレーションで語られている。

    長男から三男まではみんな「帰国運動」によって北朝鮮に移住している。父親は、当時はそれを誇っていたけれど、今では「見通しが甘かった」と後悔するような言葉も口にしている。
    息子やその家族、孫などが住む北朝鮮にも度々行き、「祖国のために人生を捧げるのが素晴らしいことだ」と思っているアボジだけど、でも北朝鮮の置かれている現状は、帰国運動当時「地上の楽園」と言われたようなものからは程遠いということは明らかだし、理想があれど彼の地の生活は物質的には貧しい。だから、息子たちを送り出したことにも葛藤や後悔がある。

    後半では、娘のヨンヒ(監督)に対してそうした思想を押し付けることもしなくなり、彼女が韓国籍に変えることにも同意するようになる。アボジは自分の理想を捨てたわけでもないが、しかし娘には自分のやりたいように生きろ、ということなんじゃなかろうか。

    この辺の機微の表れっぷりがたまらんなと思いましたよ。この映画。

    次は、同じくヤン・ヨンヒ監督の劇映画作品「かぞくのくに」を観てみたいと思った。

  • 在日コリアン2世であるヤン・ヨンヒ監督が父親との関係、ピョンヤンに住む兄たちの姿を撮ったセルフドキュメンタリー。
    朝鮮総連の活動で知り合った監督の父と母は3人の息子と1人の娘をもうける。
    やがて3人の兄達は祖国へ帰国し、以後日本へ戻ってくる事ができなくなってしまう。
    3人の痩せ細った写真が送られてきてから、
    母は日用品をダンボールいっぱいに詰めて送るようになっていく。
    日本の自由な文化の中で生まれ育った娘(ヤン・ヨンヒ監督)は父とは違う考えを持つようになっていくが…。

    "時間の止まったような"や"素朴な"で表現される北朝鮮の日常風景に衝撃を受ける。
    後半の、「考え方は少し違うけれども」という娘に、病に倒れた父が語る「同じだ」に号泣。
    「祖国のために」と言ってきた祖国は北朝鮮ではない。
    ピョンヤンへの想いは"かぞく"への想いだったのだ。

  • この映画に出てくるお父さんは齢七十五を過ぎて、はたして自分たちがやってきた帰国事業などは正しかったのだろうかと悩むわけだが、でも、それは北朝鮮に限った話ではない。たとえば今の日本を見て、「自分たちの選択はこれでよかったんだ」と言える人はいるのだろうか。少なくとも自分が75歳になったときに(そこまで生きているかどうかは神のみぞ知る、だが)、このお父さんと同じような感慨を催さないとは、とても思えないのである。だからこそ、これは単なる北朝鮮映画ではなく、親と子の物語でもあるし、一人の人間の物語にもなっているのだと感じたのであります。

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