かぞくのくに [DVD]

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監督 : ヤン・ヨンヒ 
出演 : 安藤サクラ  井浦新  ヤン・イクチュン 
  • 角川書店 (2013年3月22日発売)
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988111243584

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かぞくのくに [DVD]の感想・レビュー・書評

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  • 1959年から20数年間にわたり、約9万人が北朝鮮へ
    移住したという…「帰国者」といわれる人たち…
    本作は、25年ぶりに治療のため日本にいる家族のもとへ
    戻った男の数日を描く…そして、当然で理不尽な帰国指令…

    北朝鮮の国家としての異様さ、いびつさを感じさせる…
    しかし、この映画は、そうしたことを伝えようとしたのでは、
    ないように思った…日本に暮らすボクが、どれほど、何を、
    自覚しながら生きているのか…と突きつけられたのだ…

    ―あの国では考えずにただ従うだけだ。
     考えると、頭おかしくなるんだよ。
     考えるとしたら、どう生きぬいてゆくか…それだけだ。
     あとは、思考停止…楽だぞ…思考停止…
     俺は、こう生きるしかないんだよ。いいんだ、それで…
     でも、お前には考えて欲しい…たくさん考えろ。
     どう生きるか考えて、納得しながら生きろ。
     お前の人生だぞ。 お前の人生だろ? な!
     誰の人生でもない、お前の人生なんだ。
     お前の好きなところ行ってさ…毎日感動してさ…
     わがままに生きればいいんだよ…

    この国にあって、ボクはどれほど考えてただろう…
    中途半端に懊悩とする日々のなかで、
    思考停止している自分が多いことに思い及んだ…
    ボクは…今、納得してるんだろうか!?

    好きなところへ行っているだろうか!? 
    毎日感動してるだろうか!? わがままに生きられる国にあって、
    わがままに生きていないことこそ、「くさった資本主義」と
    呼ばれる様だと、自らを省みた。

  •  2011年、ヤン・ヨンヒ監督。安藤さくら、井浦新主演。

     WOWOWのノンフィクションでヤン・ヨンヒ監督の特集を見て、近くのTSUTAYAですぐに借りだした一作。「帰国事業」で北朝鮮に渡った長男を、ようやくの思いで治療のために日本に来させたが、北の当局の突然の決定で、長男は検査もそこそこに平壌に戻らなければならない。ところで、彼は日本に〈帰って〉来たのか? そして、平壌に〈帰る〉のか? 精確にすべて記憶しているわけではないが、この作の中では、一貫して「北に戻る」という言い方がなされていたように思う。

     平壌に戻るという命令が出たとき、「わからないよ」と吐き出すように語る妹に向かって長男は、向こうでは考えるのは生き延びる方法だけだ、と諭すように語りだす。思考停止。考えることは許されない。
     ヨコで一緒に映画を観ていた連れ合いが、じつは安倍晋三は北の体制をうらやましいと思っているのではないか、と言った。たぶんそれは間違っていない。安倍の語る北朝鮮は、裏返された彼の理想なのだ。

  • 自分の生き方を選べる人間と、そうでない人間は、いったい何が違うのだろう。それを決める権利を振りかざす人間はいったい何故存在するんだろう。その不条理さに振り回され、受け入れがたいけれど諦めざるを得ない現実を背負って生きる家族の姿が痛ましかった。

    無駄のないシンプルな構成で100分をあっという間に感じたけれど、悲しい余韻は終ったあともなかなか消えてくれない作品だった。

  • 観終わって、

    自分は思考停止せずに自分の頭で考えているだろうか?
    自分は本当に生きたいように生きてるだろうか?

    と自問自答せずにはいられませんでした。

    オッパが妹リエに語った言葉が、自分の胸にも刺さって痛かったです。

    この作品は、私たち日本人こそ観るべき作品じゃないかなと思いました。
    自由に生きられない国に生まれた人の人生を知って、自由に生きられる国に生まれた自分の人生を見つめ直すきっかけになる作品じゃないでしょうか。

    安藤サクラさんって、すごく印象に残る演技をする女優さんですね。
    全然美人じゃないのに、ときどきドキッとするほど綺麗に見える時があります。

    (2012年 日本)

  • 何も言葉がありません。

    ノンフィクションではありませんが、フィクションではないでしょう。

    監督の思いと何かの思し召しによってこの世に送り出されたこの映画。
    この映画が目に留まったなら是非ご覧ください。
    これはそういう映画です。

    ヤン同士が言った言葉。
    「あなたが嫌いなあの国で俺とお兄さんは生きているんです。」
    「死ぬまで生きるんです」

    お兄さんが妹に言った言葉。
    「あの国ではな、考えずにただ従うんだ」
    「考えるとなあたまがおかしくなるんだ」
    「考えるとしたら、どう生き抜くか、ただそれだけだ」
    「あとは思考停止させる」
    「楽だぞ思考停止(笑)」

    あの国で生きていくための方法。
    絶句。


    「あの国」を「会社」と置き換えれば私が毎日つぶやいてる言葉そのもの。
    あぁ、家族を守るために私がしていることはこういうことでもあったのか。と思ったり。
    つまらない余談でした。

  • 在日コリアン2世のヤン・ヨンヒ監督が自らの体験を題材にして製作した映画。
    当時「理想郷」と称えられていた北朝鮮の「帰国事業」により、
    日本と北朝鮮に分かれて暮らしていた兄ソンホと妹リエ。
    兄が病気療養のために25年ぶりに日本へ戻り、2人は再会を果たす。
    その兄が再び北朝鮮に帰るまでの家族の物語。

    国の事情で分断された平凡な家族の物語を、
    大げさにではなく、日常の延長としてそれぞれの苦しみを
    ささやかに淡々と描写しているところに
    個人の力ではどうにもならないという圧倒的な閉塞感と痛々しさを感じる。

    兄と父は多くを語らない、いや語れないからこそ、
    ひとつひとつの言葉に重みがあり深みがある。
    特に理不尽さに耐える安藤サクラさんの演技が印象に残った。

    「あなたがきらいなあの国で、お兄さんも、私も生きているんです」は

    「政治だの経済だの考え方だの、個人の好き嫌いはどうでもいいし興味もないが、
     現実にそこに人が暮らしていて生きている、
     あなたたちのような家族の営みがある、ということだけは覚えていてほしい」

    という彼の嘆きにも聞こえた。
    彼もまた、国家に右往左往させられている一人である。

    妹リエの部屋の本棚に「地球の歩き方」が何冊も並べてあったのが良かったな。

  • わたしは、北朝鮮が地上の楽園といわれていたことを知らなかったんだ。
    とってもいい映画だったのは、安藤サクラの存在だなと思った。理不尽さ、どうしようもなさ、理解できない、納得できない、意味わかんない、をすべて言葉以外で表現していた。すごい女優さんだなと思った。
    お兄ちゃんが空港へ向かう車のなかで歌っていた姿が切なかった。
    そうそう、ちょっと疑問だったのは、ふだん"思考停止"させて生きているお兄ちゃんは、妹に「たくさん考えて、自由に生きろ」というメッセージを伝えるんだけど、そんなアドバイスができるような思想が彼に残っているのかなってことだった。日本に帰ってきてその感覚を取り戻したとしたらもっともっと混乱するだろうし、完全にその感覚をなくしているんだったら、逆に家族を恨めしく思ってしまうだろうし、妹にそんな冷静にアドバイスできるのかな。16歳だったら、もう人格は日本でできていたってことなんだろうか。むこうで、とっても強い気持ちを持って生きてきたんだろうな。

  • 一般的に、フィクションは嘘であり、ドキュメンタリーは真実であるかのように捉えられがちである。

    そのため、フィクションの冒頭に「これは実話をもとにした物語」であるというようなことをわざわざ提示する作品も珍しくない。

    しかし、ドキュメンタリーは1つの視座から撮影されたものであり、常にカメラの前に真実が現れるわけでもない。

    監督のヤンヨンヒは、「ディアピョンヤン」「愛しきソナ」の2本のドキュメンタリーを撮り終えたあと、カメラの外にあった真実を拾い集めて、この素晴らしいフィクションを作ってくれた。

    まだ、上記の2作品をご覧になっていなければ、是非鑑賞していただきたい。

    そうすれば、「かぞくのくに」が、より深く胸に迫ってくるはずです。

    国家という暴力装置を、意識しておく必要があることを教えてくれます。

  • 北朝鮮という、忌むべき国から逃れられない人達がたくさんいる。
    知ってはいてもわかろうとしていなかった事実を再認識させられました。

    普通に生きられる幸せを噛み締めたいですね。

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