愛、アムール [DVD]

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監督 : ミヒャエル・ハネケ 
出演 : ジャン=ルイ・トランティニャン  エマニュエル・リヴァ  イザベル・ユペール 
  • 角川書店 (2013年9月6日発売)
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988111244734

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愛、アムール [DVD]の感想・レビュー・書評

  • 覚悟はしていたが、観た後にずっしりと重いものを残す作品。自分がジョルジュの立場だったらこの感情を受け止められるか、と問わずにはいられない。誰にでも起こりえる残酷な顛末を、観ていて辛い程のリアリティで観るものに突き付ける監督、老夫婦の間の愛情と、それ故の葛藤を演じきった主演の2人に脱帽。

  • ハネケの作品の中ではかなり見やすく、一般受けしそうな作品。
    でも、もちろん、老老介護の心温まるいい話なんかじゃない。
    カメラは最初のコンサートのシーン以外はアパルトマンの中を全く出ない。
    かなりの閉塞感。でも、それがこの夫婦の全世界なのだ。
    ハネケ作品では、役者はかっこよさや美しさをかなぐり捨てて、生の人間を曝け出さねばならない。もし、ハネケが日本で撮って、これに応じられる役者がどれくらいいるか。
    その点、「ピアニスト」のときのI・ユペールもそうだったけど、この作品のエマニュエル・リヴァも、見上げた役者だと思う。
    はじめは美しい老夫人だったのが、病が重くなるにつれ、髪は乱れ、顔色は悪くなり、顔も体も歪む。
    日常生活も困難で、排せつもコントロールできない。そうなっていくのは、夫も娘も耐えがたく悲しいが、実は一番本人が悲しんでいるというのを、夫が一番分かっている。
    本当の愛は、厳しい。辛い。苦い。
    本当に素晴らしい作品だった。
    そして、いつものことだが、クラシックを自分の血肉としているハネケの音楽の使い方に、心から感動。
    シューベルトの即興曲、ベートーヴェンのバガテル、バッハ「主、イエス・キリストよ、我汝に呼ばわる」。
    どれも切ない旋律をほんのはじめだけしか聴かせない。
    でも、私の中には今もその続きが流れている。
    無駄にだらだらと聴かせる必要はないのだ。
    ほんとうに音楽が分かっていて、自信がある人にしかこういう使い方はできない。
    無駄な(感情を煽るような)音楽は一切なし。
    ハネケ、今世界で一番好きな映画監督。

  • 「老夫婦の、至高の愛の物語」
    何かの番組で、そんな風に、この映画を紹介していた。

    今まで監督の作品では、「ファニー・ゲーム」「白いリボン」を観たことがあるのだけれども、どちらも鑑賞後の気分は最悪だった。笑
    けど、人間の本質をリアルに、残酷なくらい真正面から見せてくる監督は、なんと素晴らしい映画監督なんだろう、とかねてから思っていた。
    ミヒャエル・ハネケ監督はいつも、僕らが見たくない現実を突きつける。
    それは、暴力でもあり、恐怖でもあり、死でもあり。

    そんな監督が、老夫婦の愛の物語を撮るのか…
    どんなになるんだろう…

    興味がやまず、とても久しぶりに映画館に足を運んでみた。

    =================以下観た感想(ネタバレ含む)=================


    はぁー、重い。
    観てるだけで、気持ちがしんどくなる。
    そんなに不自由なら…
    そんなに辛いなら…
    そんな苦しいなら…

    眉をしかめながら、何度もそう思った。
    ちょっとずつ、容体が悪化していく妻。
    表情の変化が無くなっていく。
    言葉が聞こえず、言葉が届かず、コミュニケーションも取れなくなっていく。
    それは、自分が何十年も一緒に、人生の大半を共に過ごした妻とは、別人のよう。

    自分自身、老衰していくおばあちゃんが亡くなるまでを知っているから、この変化は、痛いくらいにわかる。

    介護士を雇い、風呂に入れたり髪をとかしたりしても、痛そうに嫌がる妻。
    たまらず、解雇する夫。


    もし「愛」が、「愛する人を幸せすること」であるとするならば。
    老衰していく妻にとって、「幸せ」とは何なのだろう?
    「生きる」こと、だけが幸せではない。
    もっと言葉を正確にすると、「延命する」ことは、決して幸せなことではない。

    ミヒャエル・ハネケ監督が、インタビューでこう言っていた。
    「自分にとって、介護の問題が今回の一番大切なテーマだとは思っていません。この映画で社会問題を扱うつもりはなかったのです。私が扱いたかったのは、自分が本当に愛している人の苦しみをどういう風に周りの人が見守るか、そういうことを描きたかったのです」

    「日本でこの作品が、どう批評されているのかは私にはわかりませんが、おそらくそこで説明されているような映画ではないと思いますよ。つまり、病気であるとか、死であるとか、そういうものを描いた作品ではなく、これは愛について語られた映画なのです。」


    この映画は、老夫婦の至高の愛の物語。
    観終わったあと、しばらく時間が経ってからだけど、
    確かにそう思った。

  • とても淡々としていながら、夫婦の形について考えさせられる映画だ。
    こういう先の暗い状況の中でも、2人だけで思い出に浸りながら穏やかに過ごす時間は幸せそうで、だからこそ最後のシーンは印象深い

  • ハネケ作品を見る時はどんな不快な思いをさせられるのかと身構えながら観る癖がついています。しかしこの作品はそんな心配はいらず、素直にすばらしい作品です。日本では孤独死を煽るような風潮を見かけることもありますが、老老介護は現実です。この夫婦は裕福な芸術家ですが、介護の現実の厳しさを伝えています。愛の美しさ厳しさ、ハネケにしては抑えた表現で見せてくれます。素晴らしい。しかし少し物足りない。これがハネケ作品を見てきた者の実感でしょうか。どんなに便利になりお金があっても個々の愛の生活はプライベートなものですね。

  • 愛に充ちた夫婦のかたち。

  • ★★★★★『愛、アムール』
    こんな感情を感じて映画を観たことがなかった。映画の可能性は様々な作品から感じてきましたが、この作品は自分のなかにあるが気がつかなかった感性を揺さぶりながら蘇らせてくれた。
    設定やストーリーは本当に単調で現代社会の抱えているどこにでも目にする'老い'を取り扱ったものです。
    この老夫婦のように、死へ向かう愛する連れ合いにただ、献身的に自らできることを捧げる老紳士の姿が、物凄く自分に迫ってくる。

  • なんて美しい婦人だろう。
    華で飾られた亡骸に目が留まる。

    冒頭から、こういう歳の重ね方をしたいと感じさせるアンヌ(エマニュエル=リヴァ)に引き込まれた。
    立ち振る舞いや老いても尚女性としての色香をもつのは、文化の違いなのかしら?と彼女の美しさを探した。そこには、ジョルジュ(ジャン=ルイ・トランティニャン)の愛があった。互いを想いやり感謝する気持ちを大切にする姿は素敵だった。だからこそ、病で変わりゆくアンヌとジョルジュから目が離せなかった。

    結末は思いがけず、けれど、どこか納得してしまい、そして、哀しくてたまらなくなった。

    ◼︎

    映画の導入部。
    「!?」何があったのかと興味を引きつけ、パッと切り替わった画は、多数の観客たち。誰にスポットを当てているのか惑わせて、次第にクローズアップされて、街から、メインの住処へと移る。

    その先は、ずっと家の中の画だけになるが、家に溢れる各々の気持ちがよりコントラスト強く感じ取れて、飽きずに見入ってしまう。

    私がアンヌと同じ歳になるまで何度も観たい映画。おそらく見るたびに注視するものが変わっていくのかな。

    http://ai-movie.jp/

  • 長年、お互いに尊敬しあい、愛し合い、寄り添って生きて来た二人に訪れた終焉…日を追うごとに壊れていく妻に対する献身的な介護の末に追い詰められてしまった夫…
    身近に迫ってくる現実問題としてこの作品の痛ましさは他人事とは思えない。どんなに愛してようと出口のない迷路のような生活では、不意に訪れた衝動に抗うことなど出来ない…妻にとっても夫にとっても結果としては悪くないはずなのに社会通念の上では被害者と加害者になってしまう。こんなにも切ない話があるなんて…悲し過ぎる。昨今、この作品と似たシチュエーションで起こった事件を耳にする機会が何度かあった。見方を変えれば、悲しみの果てに現れる究極の愛の形なのかもしれない。愛するとは一体どういう事なんでしょうか?老いるとは…投げ掛けられたことの大きさに為す術が見つからない。

  • 2015年一発目。

    カメラワークはハネケらしい長周りのカメラワーク。でも物語自体はずいぶん風変わりのもの。

    老老介護の現実が静かに紡ぎ出される。
    この静けさがハネケの妙な現実感の真骨頂な気がする。

    感情の起伏のなさも然り、ここまで人間の感情を無視して映画を作り出せる彼の才能の賜物。

    母親にも見せて是非共有したいと思う。

  • なんとなく気になっていた映画だったんですけれども、いやぁ…かなり…良かったです…。 ←え?? 社畜死ね!!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    一癖も二癖もある監督だと思っていたのでどうなるか…と思っていたんですけれどもね…静謐な雰囲気の映画だと思いましたね。BGMとか一切ないし、エンドロールがただただ流れる映画というのは珍しいんじゃないかと…少なくとも僕が観てきた数少ない映画にはなかったような気がしています…社畜死ね!!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    ラストが若干意味不明な?? 感じがしているんですけれども、あれはどう解釈すればよいのでしょう…? なんとなく釈然としない感じが我が胸には残っていますけれども、考察サイトとか面倒臭いので見ません…社畜死ね!!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    老夫婦の愛と言いますかまあ、現実的な問題…つまりは介護問題を取り扱った映画なんですけれども、この映画は海外のものなんですけれども、日本でも似たような事例は今後起きるんじゃないかと…ちょっと心配している僕ではあります^^; 社畜死ね!!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    悲しいラストのように思うんですけれども、不思議とこの胸に去来する静謐な余韻は何なのでしょう…

    ハネケ監督…やはり只者ではない、と思いました。

    おしまい…。

    ヽ(・ω・)/ズコー

  • 祖母が死んだとき、何回か見舞いに行ったけど、病人のベッドはこの映画のように沢山物が置かれていて、それがすごく惨めで悲しかった。
    夫が子供の頃の思い出を話したあと妻を殺すのが印象的。

  • 献身的に愛情深く介護する夫の誠実な感じが素晴らしく、なんという俳優さんなんだうろと調べたらジャン=ルイ・トランティニャンでした。ずいぶん昔に見た記憶しかなく、その時は、ワイルドで重厚感あふれていたのが、演技の力もあるだろうがずいぶん雰囲気がかわった。

    老夫婦の奥さん役のエマニュエル・リヴァさんも初めて見るので、調べたら昔ははつらつとした美人女優だったんですね。

    タレントなど久しぶりにテレビで見て「老けたなぁ」ということはよく経験しても、それはその時だけの感慨だが、こうやって演技で見せられると切ない気分になる。

    劇中に「人生は長く素晴らしい」というセリフがあるが、「人生は長く残酷である」。

    こうした介護映画は一ジャンルを形成している。最近だとキネ旬で1位になった《ペコロスの母に会いに行く》や《最強のふたり》でしょうか。その中でも、ここまで綿密に重苦しく描かれるのは珍しいのではないだろうか。かなりヘビーな内容なので少し疲れる。

    ワタシは、殺害シーンが発作的だったので、愛をもってしても代えがたい介護疲れ と単純に見たのだが、尊厳死や子どもたちの願いなどいろいろな見方があるようだ。

    長回しが特徴だが、各エピソード風に途中で切ったり意外と展開が早いところもある。

    二人の演技は素晴らしくその誠実さと存在感で、ほぼ見せてしまう映画でした。

    第65回カンヌ国際映画祭で、パルムドール。キネ旬ベストテン2013 1位、アカデミー外国語映画賞、 セザール主演男優賞, ヨーロッパ映画賞 作品賞、 ゴールデングローブ賞 外国語映画賞、 英国アカデミー賞 主演女優賞、 ヨーロッパ映画賞 女優賞、 ヨーロッパ映画賞 監督賞、 ヨーロッパ映画賞 男優賞、 英国アカデミー賞 外国語作品賞、 セザール賞 オリジナル脚本賞

  • ミヒャエル・ハネケ

    やっぱりどこか苦手…
    正直、パケちゃんと観る迄詳しい情報得て無かったのであのファニー・ゲームと
    同じ…ハネケとは知らなかった
    寧ろそれを知ってますます興味が湧いたのだけれど
    一般受けするよな作品も撮るのか…と

    案の定、題材や設定からして悲壮感漂う明るいものでは無かったね…
    何かもう観る前から嫌な悲しい予感しかしなかったのだけれど、冒頭から
    どーんときて、『ああ、もう』と

    時系列がなかなかの演出で、おまけに『二人』の生活・世界観を示したいのか
    延々あの住処での二人…そして時々娘…手伝う者

    悲壮感と絶望感しかない状態で、挙句アンヌの体を心配する周りを他所に
    自分自身に対しての呆れや情けなさ、恥ずかしさ、怒りがとてもよく感じ取れて
    本当に途方もなく悲しかった

    自分と重ね合わせたり、両親や祖父母のことを考えたり…ありとあらゆることを
    考えてみたけれど、老老介護は本当に明るい未来なんて無い気がしてしまって、
    これを題材にハネケは一体どんな『愛』を描きたかったのかな、と思った

    ファニー・ゲームの様な作品を撮る一方で、
    家族愛や夫婦愛、世の中どこでも行われてるであろう老老介護、そういった作品
    に通ずる物って何だろう?

    救いの無さ?
    諦め?
    やりきれなさ???

    制作者側の意図をくみ取ろうとするのは邪推かな


    結末が、あのような形で冒頭に繋がるのだと思ったけれど、その前の二人で
    住処を後にし出かけていくところ…
    過去のことなのか、それとも実際『お迎え』の様にアンヌが現れて二人で
    いってしまったのか…

    ただ単に夢の一部なのか

    解釈に任せるということなのかもしれないけれど、とにかくわたしはこういう
    救いの無い且つやりきれない誰のせいでもないお話は、
    本当に観た後にくるものが重くて、重くて

    ああ、何か救われる話が観たい
    救いを求めたくなる

  • 静かな老後を暮す音楽家夫婦。
    病に倒れる妻。
    重い幸せ、というのはこういうことなんだろか。
    人生の最期を考えさせられる映画。

    カンヌ、パルムドール作品。

  •  二人きりで暮らす老夫婦。妻が発作に襲われ、夫が妻を介護する生活が始まるが。。。

     ハネケ作品にしては極めて普通でありながらその不快感は他の作品に劣らないことの重み。
     ほぼ全編を二人の家のみにし、色んな部分を端折ってストーリーが進むことで、見る人が色んなことを考えることができる。
     奥さんがすごいピアノの先生だったりと夫婦が文化的にとても高いことがまたいっそう悲しくなる。
     
     ハネケ作品の中で最も一般受けすると思う。

  • そんな風に、最期まで尊厳と信頼を持って愛したいし、愛してもらいたい。

    娘として困惑し、涙を流すことは理解できる。ただし、「どうにかしないといけない」状況のパートナーからすれば、泣いてあがく様子は苛立ちすら覚えるばからしいことだということも想像できる。

  • 物語は、ミヒャエル・ハネケらしくない作品。題材は、非常に今日的なテーマで「生きる」ことに関わる。医療技術が目覚ましく進歩していく一方、人間の心理そのものは看過されているのが現状。
    人生は個人の美によって完結するものであり、彼らの価値観に従えば、あのような生き方がカッコいいのである。もちろん、盲目的に目の前の苦しみから解放されるべく長く生きようとすることに重きを置く価値観もある。

    映像手法そのものは、映像で映画を見せるという相変わらずの気迫が伝わってくる。緊張感があって美しいのだが、ありふれた題材は個人的には眠気を誘う誘因でもあった。

  • 老老介護。これが夫婦の美しい愛を描いているとは思えない。どんなに愛があっても現実の前には無力だ。

  • 老老介護の難しさ。
    多分老い方や病気の違いによって、何ができるか、何がより良い方法かなども変わっていくと思う。
    起承転結のごちゃ混ぜで、もしかしたら時間軸的にはハトを捕まえて逃がしてあげるのが先で、奥さんを殺める行為が、逃がしてあげる の暗示になるのをあえて避けたのかも。
    最後に奥さんと出かけたのは、幻覚だったのかもしれないし、まだ元気だった頃の映像だったのかもしれない。
    解釈の仕方がいろいろあり、正解のない作品だと思う。

    この二人の俳優が綺麗だから、これだけしんどい内容をそこまで重く感じず観ることができたかなという気もする。
    絵や音楽にも夫婦の生活が溢れている。ボケたあとの台詞にも意味があるんだろうけど、どういう内容だったんだろうか、もう一度観たときに考えてみたい。ボケる前の台詞も改めてしっかりと飲み込みたい。

  • ふだん仕事で高齢者に接していなければ、もっと感動したと思う。
    ほぼ全てのシーンが自宅の中なのがすごく切ない。

  • 現実はもっとむごい。もっと。
    結末は気持ちとしてはまさに、そう。

  • 老いるのはこわい。
    動けなくなったら、終わりにしてしまいたいときっと思ってしまう。
    二人の結末はきっと愛だったんだろう。

    長回し撮影は高齢の俳優さんたちにとって大変だっただろうなぁ…。

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